INFERNO!/ピリオド(シングル)

『INFERNO!/ピリオド』は、1995年7月21日にBMGビクターよりリリースされた成田昭次の2枚目のシングル。

概要
前作から約10ヶ月ぶりのリリースとなった本作は、以後しばらく続くバンド活動の開始を前に発表された最後のソロシングルであり、結果的に成田にとって約8年半にわたるソロ活動のブランク前の一区切りとなった。

収録曲はアルバム『Jack In The Box』にも収録されており、同作の先行シングルとしての役割も果たしている。

収録曲
INFERNO!
作詞:小竹正人 作曲:成田昭次 編曲:岩田雅之
ピリオド
作詞:小竹正人 作曲:成田昭次 編曲:成田忍
INFERNO! (instrumental)

本作は、対照的な2曲を通して、成田昭次の音楽的幅とパーソナルな表現の深化を示している。

A面の「INFERNO!」は、“WELCOME TO THE INFERNO”という印象的なフレーズに象徴される、真夏の灼熱と感情の奔流を描いたエネルギッシュなロックナンバー。照りつける太陽、汗ばむ空気、不機嫌な恋人とのすれ違いなど、夏特有の苛立ちとユーモアが交錯する詞世界が展開される。「全部夏のせい」と歌いきる姿勢には、季節の力に翻弄される若者たちの刹那的リアリティが込められている。

一方、「ピリオド」は静謐なバラードで、かつての恋人との別れを描いたエモーショナルな楽曲。与えることを忘れたまま愛を失っていく自分への悔恨と、相手への思いやりが交差するリリックが深い余韻を残す。成田忍による繊細なアレンジが、内省的な詞の世界観を静かに支えている。

シングルとしての商業的な成功は控えめであったものの、本作は成田昭次の音楽性がより内面へと向かう過程を捉えた重要作と位置付けられる。特に「INFERNO!」における洒脱な感性とラフな自己表現は、後のバンド活動とは異なるソロアーティストとしての個性を際立たせている。

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