I’m Waiting 4 You(アルバム)

『I’m Waiting 4 You』(アイム・ウァイティング・フォウ・ユウ)は、男闘呼組の4枚目のスタジオ・アルバム。1991年2月21日にBMGビクターから発売された。

I’m Waiting 4 You(アルバム)

アーティスト:男闘呼組
発売日:1991年2月21日
形態:CD
レーベル:BMGビクター・RCA
品番:BVCH-4

アルバムのタイトルは、英語表記の「I’m Waiting 4 You」から通常「アイム・ウェイティング・フォー・ユー」と読まれるが、ジャケットに記載された正式な読み方は「アイム・ウァイティング・フォウ・ユウ」である。

このアルバムの特徴は、収録された全12曲の作詞・作曲をメンバー自身が手掛けた点にある。これ以前にもメンバーによる自作曲は存在したが、1991年発表のシングル「ANGEL」から自作曲が中心となり²、本アルバムで完全にメンバー制作の楽曲のみで構成される体制へ移行した。

この「自作曲中心・セルフプロデュースへの移行」という変化により、男闘呼組の活動期間を前期と後期に分ける際の境界線として扱われ、『I’m Waiting 4 You』は後期最初のアルバムとして記録されることがある³。

アルバムのプロデュースは蛎崎広柾(Hiromasa Kakizaki)が担当した⁴。
商業的には、オリコン週間アルバムチャートで最高3位を記録し、チャートには4週間にわたって登場した⁴。

目次

収録曲

全編曲:男闘呼組 & ATSUSHI

  1. JODY
    作詞・作曲:高橋一也
  2. OKEY, DOKEY DANGEROUS BOYS
    作詞・作曲:高橋一也
  3. LOVE BLUE
    作詞:ODAKE・SHOJI 作曲:SHOJI
  4. SO BEAUTIFUL
    作詞・作曲:高橋一也
  5. PARTY
    作詞:高橋一也 作曲:SHOJI・高橋一也
  6. ANGEL
    作詞:高橋一也 作曲:SHOJI・高橋一也
  7. ROSALINA
    作詞・作曲:高橋一也
  8. REMEMBER
    作詞・作曲:前田耕陽
  9. TEARS
    作詞:ODAKE・SHOJI 作曲:SHOJI
  10. LEAVE ME ALONE
    作詞:ODAKE・SHOJI 作曲:SHOJI
  11. 無気力の精神力
    作詞・作曲:岡本健一
  12. SO LONG
    作詞:ODAKE・SHOJI 作曲:SHOJI

制作と楽曲

メンバーによる楽曲制作への完全移行

『I’m Waiting 4 You』は、収録曲の全てをメンバーが作詞・作曲(共作を含む)したアルバムであり、バンドの創作活動における転換点となった。デビュー以来、「本格派ロックバンド」をコンセプトとして活動してきた男闘呼組は²、このアルバムでその方向性をより明確に打ち出した。

この変化は、アルバムに先行してリリースされたシングル「ANGEL」(本作6曲目に収録)から始まっていた。「ANGEL」は、表題曲とカップリング曲の両方が初めてメンバーによる自作曲で構成されたシングルであった⁶。このシングルで採用された方針を、アルバム全体で展開したのが本作である。

各メンバーの貢献と共同作業

本作では、メンバー4人それぞれが作詞・作曲者としてクレジットされており、その制作への関与の仕方は多様である。

高橋一也は、全12曲中6曲の制作に関わっている。単独での作詞・作曲が「JODY」「OKEY, DOKEY DANGEROUS BOYS」「SO BEAUTIFUL」「ROSALINA」の4曲。作詞のみ単独で手掛けたのが「PARTY」、成田昭次との共作で作詞・作曲したのが「ANGEL」である。これにより、アルバム収録曲の半数で高橋が主要な作者としてクレジットされている。高橋はグループのメインボーカルの一人であり、メロディメーカーとしての役割を担っていた³。

成田昭次は、6曲の作曲を手掛けている。「LOVE BLUE」「TEARS」「LEAVE ME ALONE」「SO LONG」の4曲では、外部の作詞家であるODAKEと共同で作詞も担当した。また、「PARTY」と「ANGEL」では作曲者としてクレジットされている。成田もまた、グループのメインギターとボーカルを担当する中心メンバーであった³。

岡本健一と前田耕陽は、それぞれ1曲ずつ作詞・作曲を単独で手掛けた楽曲が収録されている。岡本は「無気力の精神力」、前田は「REMEMBER」を制作し、個々の音楽性を発表する機会となった。

このように、本作の制作体制では、特定のメンバーが中心的なソングライターとして機能する一方で、他のメンバーも外部の専門家と連携したり、個人で完結した作品を提供したりするなど、複数の創作モデルが並行して存在していた。

歌詞と音楽性

歌詞の面では、本作は従来の作品と比較して男女間の関係性を歌った、いわゆるラブソングが多く収録されているという特徴がある。
音楽的には、ジャンルはロックに分類される¹。サウンド面では、前田耕陽が担当するキーボードが全面的にフィーチャーされており、これがバンドの音楽的特徴の一つとなっている⁷。ボーカルは主に成田昭次と高橋一也が担い、楽曲の多くでメンバー全員によるコーラスワークが取り入れられている⁸。

関連作品

2023年にRockon Social Clubのライブ映像作品特典CDとして、男闘呼組の楽曲をセルフカバーした『2023』というミニ・アルバムが制作された。収録楽曲には「ANGEL」「PARTY」「LOVE BLUE」などが含まれている。アレンジおよびプロデュースは、バンドメンバーでもある寺岡呼人が担当し、楽曲の選定も寺岡が行った。ボーカルパートの割り振り(歌割り)は、成田昭次の提案により再構成され、原曲とは異なる全員参加のスイッチボーカル形式となっている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次