2025年12月14日に放送されたTOKYO FM『KURE 5-56 Presents Go! Go! Rockon!』。パーソナリティの成田昭次と、初回放送以来の登場となる高橋和也がガレージに集結した。2025年の活動を振り返る中で、同年11月25日に急逝した長年の音楽仲間、西村ヒロ氏への追悼企画が行われた。現在開催中のツアー裏話から、成田が公の場で語ることは極めて珍しい2007年のソロ名義曲の回想まで、耳を離せない貴重な言葉が紡がれた1時間を記録する。

#GOGOROCKON
久しぶりの強烈な5-56くん、流石でしたね!
後半はお二人の楽曲と共に、
ヒロさんとの大切な思い出を語っていただきました🎞
来週も #成田昭次 さんと #高橋和也 さんが
ガレージに集合します!
お楽しみに🎸
番組やライブの感想はこちら👇
https://tfm.co.jp/f/gogorockon/message
「働きすぎ改革」が必要!? 成田昭次が驚く、高橋和也の多忙すぎる2025年
番組冒頭、成田昭次は第10回放送のゲストとして高橋和也を迎え入れた。当初は前田耕陽が出演する予定だったという裏話を明かしつつ、成田は「和也さん、2度目の登場」と歓迎。高橋は、収録当時に飛散していた黄砂の影響で少し鼻声であることを明かしつつ、「この鼻ですみません」と笑いを交えて挨拶した。
成田から2025年の1年間について問われた高橋は、50代後半という年齢に差し掛かる中で、人生における「大切な人との別れ」があったことを吐露。その一方で、Rockon Social Clubのツアーの充実ぶりについても言及した。成田は、俳優業、Mountainmanのライブ、そしてRockon Social Clubの活動を並行する高橋の現状に「働きすぎだっつーの。働きすぎ改革」と言葉をかけた。これに対し、高橋は「働け、働け、働け、みたいな」と応じ、12月31日の年末最後まで休みなく活動をやり遂げることが現在のテーマであると力強く語った。
アルバム『THE SHOW MAN』がライブで進化。メンバーのみで奏でる「オリジナル」の形
ツアー『KURE Go! Go! Rockon! presents FOREVER CALLING -Still Rockin’-』への感想メッセージでは、最新アルバム『THE SHOW MAN』での他アーティストとのコラボ曲を、ライブではメンバーのみで演奏している点について、「かっこいい仕上がりに感動した」という声が紹介された。
高橋は、アルバム収録のコラボナンバーを全てメンバーだけでパートを振り分け、アレンジし直して披露している試みについて解説。「(ゲストに頼らず)僕らのオリジナルを届けられたらいい。それが逆にいい反応を示している」と手応えを語り、成田も「ライブならでは」とその意義を強調した。
ONAIR:堺正章 & Rockon Social Club『プンスカピン!』

「待つことも大事」和也版5-56くんが久々に登場!やる気ゼロからの脱出法
悩み相談コーナー「ガレージラボ」では、和也が声を担当する番組キャラクター「5-56くん」が久々に降臨した。第2回放送での初登場時や、その後の岡本健一による衝撃的な変身など、この番組の名物となっている「5-56くん」。成田が「久しぶりのこのバージョンの声」と喜ぶ中、和也扮する5-56くんはドラ●もん声で「よろしくお願いしまーす!」と元気に挨拶した。

「やる気が出ない時の切り替え方」という相談に対し、5-56くんは「僕が思うにね、待つことも大事なんだね。焦らないでやる気が起こるまで待ってみるのも一つの手かもよ」と回答。成田は「現代社会は流れが早いから、まず追いつくのが大変。1回立ち止まると今まで見えなかった景色が見えてくる」と、あえて止まることの効能を語った。
さらに最新AIの「小さな行動から積み上げる」という論理的なアドバイスに対し、成田は「頭の中だけで考えていると重くなって進まない。1回取り掛かってみると意外と進行し、楽しくなることもある」と付け加えた。高橋も「小さなアクションすら起こす気がなくなっているときは、ひたすら自分を許して甘やかしてやる」と、自身のメンタルコントロール術を明かした。
「男闘呼組休止後、孤独な再出発を支えてくれた兄貴分」 西村ヒロ氏との出会い
番組後半、成田と高橋は2025年11月25日に逝去したブルースハープ1プレイヤー、西村ヒロ氏を悼んだ。西村氏は、1993年に男闘呼組が活動を休止し、メンバーがそれぞれソロ活動をスタートさせた時期に、成田と高橋を音楽面で支えた重要な人物だった。
成田は、西村氏と初めて出会った東京・青山のライブバー「マローネ」での記憶を回想。歌とアコースティックギター、そして西村氏のハープのみという最小限の編成で行ったライブを振り返り、「会った瞬間に通じ合うものを感じた。懐かしくもあり、初めて会った感じがしなかった」と、男闘呼組後の孤独な再出発の時期に出会った深い縁を明かした。
高橋も西村氏のプレイスタイルを「すっと人の心に入ってくる人だった。譜面なんてなくても、その場の感性だけで吹く」と絶賛。2人は、西村氏が自分たちより10歳以上年上であり、まさに「頼れる兄貴分」であったことを振り返った。
トークは西村氏の知られざる私生活や人間味あふれるキャラクターへと及んだ。成田は西村氏の自宅を訪ねた際のエピソードを披露。「ヒロさんちに行ったらね、テレビがないんですよ」と明かすと、高橋も「テレビ見ないんだよね」と同調。成田は、情報が溢れる現代にあって、自分の好きなものだけに囲まれる西村氏の姿に「いいなーって。そういうライフスタイルに、20代の僕らからしてみたら憧れてたよね」と回顧した。
また、西村氏のファッションセンス、バイクや車、アナログレコードを愛する姿を挙げ、成田は「まさに男のこのガレージラボの先輩なんだよね」と表現。高橋は、普段は非常にスマートでおしゃれな西村氏が「お酒を飲むと面白くなるんだよね(笑)」というギャップについても触れた。かつて2人は西村氏と共に「テキーラをボトルで開けた」という豪快な夜を幾度も過ごしたという。成田は「そのギャップがまた面白くてね」と語り、厳しい音楽の世界にいながらも、遊び心を忘れない西村氏の人柄を懐かしんだ。

大切なCDを持ってきていただきました!💿
#GOGOROCKON #成田昭次 #高橋和也
アバンギャルドで鋭いハープの響き。Mountain Man『真冬にTシャツの少年』に刻まれた記憶
追悼の意を込めてオンエアされたのは、2022年発表のソロ名義アルバム「MOUNTAIN MAN」に収録された『真冬にTシャツの少年』。成田はこの曲での西村氏の演奏を「アグレッシブ(攻撃的)でアバンギャルド(前衛等)」と表現。
ハープにオーバードライブ2やディストーション3をかけて音を歪ませる鋭いアプローチを好んでいた西村氏のスタイルについて、高橋は「ハーモニカの枠に留まっていない、独特でオリジナルな景色」と、その唯一無二の表現力が、男闘呼組後のソロ活動を続ける自分たちにどれほど刺激を与えてくれたかを語った。
ONAIR:Mountain Man『真冬にTシャツの少年』

18年前の音源が蘇る『Hometown』。成田昭次が滅多に明かさないソロ時代の記憶
続いてオンエアされたのは、成田昭次が2007年に発表したソロ名義のアルバム『OVER LIFE』に収録された作品『Home Town』。公の場で成田が自らのソロ時代の記憶や楽曲について語るのは極めて稀であり、この選曲自体が歴史的な瞬間とも言える。成田は、男闘呼組休止から長い年月を経て制作されたこのアコースティックアルバムに、西村氏がゲスト参加した経緯を辿った。
成田は、男闘呼組休止から長い年月を経て制作されたこのアコースティックアルバムに、西村氏がゲスト参加した経緯を辿った。当時、各地で開催していたインストイベントにも西村氏が同行してくれたことに触れ、成田は「ヒロさんが来てくれると、『自由にやろうよ、楽しくやろうよ』と言ってくれて本当に心強かった。安心感が湧いた」と回想。男闘呼組という大きな看板を離れ、一人で音楽と向き合っていた時期に、西村氏の存在がいかに大きな心の支えであったかを丁寧に語った。二人は、西村氏の生き様そのものが音に表れていたと総括し、「ありがとうヒロさん。Rest in Peace(安らかに眠れ)」と、天国のパートナーへ愛あるメッセージを送った。
ONAIR:成田昭次『Home Town』
横浜BUNTAIに堺正章、大友康平ら「本家」が降臨! 夢の共演で迎える最高のツアーファイナル
番組エンディングでは、ツアーファイナルとなる横浜BUNTAI公演(12月24日、25日)の詳細が告知された。成田は「本家本元が降臨する」と期待を煽り、ゲスト陣を発表。

12月24日は堺正章、デーモン閣下、野村義男が登場し、アルバム『THE SHOW MAN』の楽曲について「あのレコード、CDが再現される」と宣言。翌12月25日は、段田安則に加え、大友康平の参戦が決定した。「生『バーボンロック』!!」成田は「康平さんの生歌が楽しみ。爆上がり間違いなし」と興奮を隠さず、高橋も「最高のツアーファイナルになる」と呼応した。
成田は、番組が新しい1週間の「潤滑油」になることを願い、高橋と共に「おやすみなさい」と温かく番組を締め括った。


