寺岡 呼人(てらおか よひと、1968年2月7日 – )は、日本のシンガーソングライター、ベーシスト、作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。広島県福山市出身。既婚。
元JUN SKY WALKER(S)のベース担当。フォークデュオ・ゆずや植村花菜などのプロデュースでも知られる。現在は、3ピースバンド「NARITA THOMAS SIMPSON」(成田商事より2023年改名)のベース・プロデューサーとして活動するほか、男闘呼組の後身バンド「Rockon Social Club」のプロデューサー兼ベース・ギター担当としても活動している。同バンドらを傘下に持つ音楽レーベル「TOKYO RECORDS」の取締役を務める。


音楽プロデューサーとしての活動が最も知られているが、自身もシンガーソングライターとしてソロ活動を行うほか、複数のユニット・バンドの結成や運営に携わっている。ゆずなどのプロデュースで日本の音楽シーンに大きな影響を与えた人物として評価される。特に2022年以降の成田昭次との協業を通じた、NARITA THOMAS SIMPSONとRockon Social Clubのプロデュース・ミュージシャン活動により、再び注目を集めた。
経歴
帝京大学時代と初期活動
1968年2月7日生まれ。岡山県津山市生まれ、広島県福山市出身。広島県立松永高等学校を経て、帝京大学文学部に進学。
大学進学後、上京し4畳半の部屋でベッドとレコードプレーヤーだけの生活を送りながら、あらゆる音楽情報をインプットし、ライブハウスやレコード店に足を運んだ。大学在学中は、RIP VAN WINK(ギタリスト兼リーダー)として音楽活動を開始するも、弟の先輩のバンドであるJUN SKY WALKER(S)のローディーとして活動するようになる。
JUN SKY WALKER(S)時代(1988-1993)
1988年2月、JUN SKY WALKER(S)の前ベーシスト・伊藤毅の脱退に伴い、寺岡がベーシストとして正式加入。この時点でRIP VAN WINKは円満脱退した。ベーシストとしてバンドの音の厚みを担当するとともに、作詞・作曲にも携わる。
1991年には、JUN SKY WALKER(S)がオフの期間を利用して『寺岡呼人&ヒズフレンズ 〜かわいい子には旅をさせろツアー〜』を開催。このツアーには、デビュー前の桜井和寿(Mr.Children)、藤井謙二(ex.MY LITTLE LOVER)、伊藤ツヨシ(ユニコーン)、川西幸一ら錚々たるメンバーが参加した。また同時期、奥田民生とライブユニット「寺田」を組み活動。この時期から、寺岡は単なるベーシストではなく、プロデューサーとしての才能を発揮し始める。
1993年9月、JUN SKY WALKER(S)を脱退し、ソロ活動へ移行。
ソロ時代とプロデューサー活動(1993-2007)
1993年11月、シングル『revolution』でソロデビュー。1990年代を通じて、複数のソロアルバムをリリースする傍ら、イベント・プロデュースに力を注ぐようになる。
1997年、神奈川県横浜市出身のフォークデュオ・ゆずのプロデューサーとなり、大きな転機を迎える。ゆずの楽曲プロデュース、アレンジを手掛け、日本の音楽シーンに新しい風を吹き込んだ。この功績により、寺岡呼人は日本を代表するプロデューサーの一人として認識される。
1999年、ゆずとのユニット「The Little Monsters Family」を結成し、シングル『星がきれい』をリリース。同曲はオリコンシングルチャート6位を記録した。
2001年から、音楽イベント『Golden Circle』を立ち上げ、自身が主催するライブイベントとしての活動を展開。仲井戸麗市、ムッシュかまやつ、矢野顕子、泉谷しげるら、多数の著名ミュージシャンをゲストに迎えた。
2007年、松任谷由実、ゆずと組んだ「Golden Circle」のシングル『ミュージック』でオリコンシングルチャート1位を獲得。JUN SKY WALKER(S)時代の『白いクリスマス』以来となるオリコンシングル1位の快挙を成し遂げた。同年9月、JUN SKY WALKER(S)を10年ぶりに再結成。
活動の多様化(2007-2021)
2011年、関東学院大学工学部の客員准教授に就任し、教育の現場にも関わるようになる。
2018年、自身の50歳の誕生日に日本武道館、大阪城ホールで『寺岡呼人バースデーライブ 50歳/50祭』を開催。同年7月には、複数のシンガーソングライターが参加する「カーリングシトーンズ」を結成し、9月23日に東京・Zepp Tokyoでデビューライブを開催した。
2021年1月27日、JUN SKY WALKER(S)を卒業。
成田昭次との協業と新バンド時代(2022-)
2022年6月、成田昭次の約29年ぶりのソロライブ「犬も歩けば棒に当たる」(Billboard Live TOKYO)出演を機に、寺岡呼人は成田とタッグを組むことになる。このライブの中で、成田は新バンド結成を発表。寺岡はドラマーの青山英樹とともに、3ピースバンド「成田商事」を結成することとなった。
成田商事として、寺岡は楽曲のプロデュース、作詞作曲サポート、ベース演奏を担当。同年9月に配信シングル「ボストンバッグ/社員募集中」を発表、10月にはミニアルバム『ボストンバッグ』をリリースした。
並行して、2022年12月、成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽といった男闘呼組のメンバーを中心に、寺岡呼人のプロデュースのもと、後身バンド「Rockon Social Club(RSC)」を立ち上げた。
2023年3月1日、Rockon Social Clubのオリジナルアルバム『1988』を発売。男闘呼組の全メンバーが参加した実質的な30年ぶりの新作として注目される。
2023年9月、成田商事はバンド名を「NARITA THOMAS SIMPSON」に改名。同月19日、改名を発表する架空の社内報を公開し、「外資系企業による買収」という設定のもとで新バンド名を告知。翌10月4日付で正式に改名された。
NARITA THOMAS SIMPSONとしてRockon Social Clubと並行活動を展開。2024年4月10日、1stアルバム『冒険者たちのうた』をリリースした。このアルバムはプロデューサーとして寺岡が全面的に監督。収録曲「花火と君」がCM起用されるなど話題を集めた。
このプロジェクトにより、寺岡呼人は男闘呼組の成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽との深いパートナーシップを築き、音楽業界においても再度脚光を浴びることになった。

男闘呼組メンバーとの関係
成田昭次との音楽的パートナーシップ
2022年6月の成田昭次ソロライブを通じて、寺岡呼人と男闘呼組ボーカル・ギター担当の成田昭次との協業関係が確立された。NARITA THOMAS SIMPSONではプロデューサーおよび主要メンバーの関係にあり、成田の声とギターの個性を引き出すアレンジを手掛けている。
寺岡と成田の関係は、1980年代後半から1990年代にかけて、寺岡がJUN SKY WALKER(S)で確立した「プロデューサー的な視点を持つベーシスト」というキャリアの延長線上にあると言える。成田の音楽的なニーズとビジョンを理解し、それを実現するための音響的な側面を担う存在として機能している。
高橋和也、岡本健一、前田耕陽との関係
Rockon Social Clubでは、高橋和也(ベース・ボーカル)、岡本健一(ギター・ボーカル)、前田耕陽(キーボード・ボーカル)といった男闘呼組の全メンバーと協業している。寺岡はこれらのメンバーの音楽的特性を理解し、それぞれのボーカルとギタープレイの個性を最大限に引き出すアレンジを行っている。
特に、高橋和也のベースラインと寺岡呼人のベース・ギタープレイの相乗効果は、Rockon Social Clubの音の厚さとリズム感の強さを生み出す重要な要素となっている。
男闘呼組復活における役割
2022年7月の男闘呼組期間限定再結成から、2023年8月の解散に至るまで、寺岡呼人は音楽プロデューサーおよび協力者として、男闘呼組メンバーとの音楽的なパートナーシップを全面的に担った。
これまで単独での活動や小規模なユニット活動に留まっていた寺岡にとって、男闘呼組という日本を代表するアイドルロックバンドのメンバーらとの協業は、キャリアの転換点となった。
NARITA THOMAS SIMPSON(NTS)とRockon Social Club(RSC)
NARITA THOMAS SIMPSON(成田商事→改名)の立ち上げと展開
2022年6月、成田昭次のソロライブをきっかけに、3ピースバンド「成田商事」(なりたしょうじ)が結成された。
メンバー構成:
- 成田昭次(ボーカル・リードギター)
- 寺岡呼人(ベース・プロデューサー)
- 青山英樹(ドラムス)
バンド名は、成田を「常務執行役員」、寺岡を「取締役」、青山を「監査役」に見立てた「会社」というコンセプトのもとに命名された。寺岡は「社員(観客)の皆さんと唯一無二の音楽を共有するグループ」というコンセプトを掲げた。
成田商事として、2022年9月に配信シングル「ボストンバッグ/社員募集中」を発表。同年10月には、ミニアルバム『ボストンバッグ』をリリース。
2023年9月19日、バンドは改名を発表。架空の社内報という形式で「外資系企業による買収」というコンセプトのもと、新バンド「NARITA THOMAS SIMPSON」(ナリタ・トーマス・シンプソン)への改組を告知した。同月に開催されたライブイベント「BREAK UP SHOW 2023」では成田商事としての最終公演を実施し、10月4日付で正式に改名された。
改名後は本格的な活動を展開。2024年3月には、大阪・名古屋・東京でツアー「NARITA THOMAS SIMPSON TOUR 2024」を開催。同年4月10日には、寺岡呼人のプロデュースによる1stアルバム『冒険者たちのうた』をリリースし、15年ぶりに成田昭次が作詞作曲した新曲3曲を含む8曲を収録。先行配信された「花火と君」はCMに起用されるなど、注目を集めた。
2024年11月には「NARITA THOMAS SIMPSON BIG BAND BEAT」として、ビッグバンド編成でのライブパフォーマンスも展開している。
Rockon Social Clubの立ち上げと展開
2022年12月、寺岡呼人のプロデュースのもと、男闘呼組のメンバーを中心に新バンド「Rockon Social Club」が結成された。
メンバー構成:
- 成田昭次(ボーカル・リードギター)
- 高橋和也(ボーカル・ベース)
- 岡本健一(ボーカル・リズムギター)
- 前田耕陽(ボーカル・キーボード)
- 寺岡呼人(プロデューサー・ベース・ギター)
- 青山英樹(ドラムス)
2023年3月1日、アルバム『1988』を発表。男闘呼組の全メンバーが参加した実質的に30年ぶりの新作として業界から注目される。このアルバムは、男闘呼組解散から30年間の歴史を象徴する作品となった。
RSCは男闘呼組の期間限定再結成(2022年7月〜2023年8月)に続く形で活動。Rockon Social Club名義でも精力的にツアーやライブを展開し、2023年のNHK紅白歌合戦への初選出を達成するなど、新たなバンドプロジェクトとしての地位を確立した。
寺岡呼人は、このプロジェクトにおいてプロデューサー、ベース・ギター担当の双方の役割を果たし、男闘呼組メンバー4人と青山英樹との音楽的融合を実現させた。
NTSとRSCの関係性
NARITA THOMAS SIMPSONとRockon Social Clubは、メンバーの重複が存在する。特に、成田昭次、寺岡呼人、青山英樹の3名はNTSの全メンバーであると同時に、RSCのメンバーでもある。
2023年以降、寺岡呼人は両バンドに並行して参加。NTSではより実験的でジャムセッション的なアプローチを、RSCではより男闘呼組のヘリテージを継承した重厚なロックサウンドをそれぞれ追求している。
音楽プロデューサーとしての活動
ゆず
1997年より寺岡呼人がプロデュースを手掛けたフォークデュオ。ゆずの成功は、寺岡呼人のプロデューサーとしての名声を確立した。北川悠仁と岩沢厚治の二人のボーカルとアコースティックギターのシンプルながら深い音楽性を、寺岡呼人は巧妙にアレンジし、日本の音楽シーンに新しい音楽ジャンルをもたらした。
その他のプロデュース実績
寺岡呼人は、ゆずのほか、以下のアーティストをプロデュースしている:
- 植村花菜
- Mr.Children(楽曲提供・共作)
- 藤木直人
- ウカスカジー
- Goodbye holiday
- Be.
- 矢井田瞳
- D.W.ニコルズ
- その他多数
寺岡呼人のプロデューサーとしての特徴は、各アーティストの個性を尊重しながら、音楽的な深さと商業性のバランスを取ることにある。
ソロ活動
アルバムとシングル
1993年のソロデビュー以来、複数のアルバムとシングルをリリース。初期の1990年代はより実験的で、プログレッシブなサウンドを志向したが、2000年代以降は、ポップな要素とアーティスティックな音楽性の融合を試みている。
主要なアルバム:
- 『RHAPSODY』(1994)
- 『waiting for the sun』(1994)
- 『GOLDEN CIRCLE』(1995)
- 『呼人』(2000)
- 『BUTTERFLY』(2005)
- 『独立猿人』(2010)
- 『Baton』(2014)
- 『COLOR』(2016)
- 『LOVE=UNLIMITED』(2018)
- 『NO GUARD』(2019)
ライブイベント「Golden Circle」
2001年より、寺岡呼人が主催する音楽イベント「Golden Circle」を開催。このイベントは、複数のシンガーソングライターやミュージシャンがゲストパフォーマーとして参加するもので、音楽の枠を超えたコラボレーションを実現する場として機能している。
過去にゲスト出演したアーティストには、仲井戸麗市、ムッシュかまやつ、矢野顕子、泉谷しげる、小田和正、奥田民生、ゆずらが名を連ねている。
ラジオパーソナリティ活動
- FM COCOLO「CIRCLE OF MUSIC」
2013年7月より、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」でDJを務めている。 - Inter FM「TERAOKA MUSIC」
2012年10月より、Inter FMで「TERAOKA MUSIC」を放送。 - FM COCOLO「YOHITO’S MUSICHRONICLE」
2024年11月30日〜2025年2024年11月30日放送


私生活
浜田省吾のファンであり、コンサートに足を運ぶことが多い。人生で初めて見たコンサートはさだまさし。既婚。

