2022年10月20日、interfmの『TOKYO MUSIC SHOW』は、前の夜に届いたザ・ドリフターズの仲本工事の訃報から始まった。成田昭次は、仲本の店で見せてもらい、のちに譲り受けたギターの話を明かし、Little Black Dressと、仲本がカラオケで歌った『My Way』を届けた。男闘呼組の29年ぶりのステージ『男闘呼組 1988』を終えた成田は、4人が集まった時のパワーと、一人で家に帰った時の虚脱感を語り、「僕も男闘呼組のファンになりました」と話した。岡本健一と自分のギターの音の違い、高橋和也のテンション、前田耕陽のまなざし、初めて弾いた12弦のダブルネックの話も続いた。『CROSS TO YOU』の後は、Little Black Dressの地元・岡山のレインボーフェスタと、ブルーノート東京の『City Pop Night』の招待企画へ。最後は成田商事の『ボストンバッグ』に込めた思いを話し、11月からのツアーを告知して、翌週も生放送で届けると約束した。

仲本工事の訃報と、譲り受けたギター
番組は、前の夜に届いた悲しい知らせから始まった。ザ・ドリフターズの仲本工事が亡くなった。Little Black Dressは、この番組が始まるきっかけになった2019年9月のライブ『TOKYO MUSIC SHOW 歌謡ヒットパレード』に仲本に出てもらい、その前から仲本の店にも通っていた。新人の自分にもいつも優しく、ミュージシャンとしての心得を言葉にしてくれたという。成田も、仲本をこう振り返った。
昭次ギタリストとしても素晴らしい方でしたね
本当に丁寧で優しく、とても腰の低い人だった。成田が初めて仲本の店「仲本家」を訪ねた時、たまたまテレビで見た仲本のギターの話をすると、仲本は「そのギター上にあるよ」と、すぐに持ってきてくれた。その場で、ここはこうなっていると、いろいろ説明してくれたという。
成田は、そのギターを仲本から譲り受けた。先日の男闘呼組の東京ガーデンシアターのライブでも、メインのギターとして使っていた。仲本が大学生のころ、いかりや長介に言われて買ったギターで、当時のままの姿をしている。弾いていると、仲本の愛情が伝わってくるという。



楽器を物として見てないというか
だから一生、大事に弾かせてもらうと成田は話した。このギターはギブソン ES-335 で、成田は2021年1月の Instagram で、仲本から譲り受けたと紹介している。


2020年、Little Black Dressの Billboard Live TOKYO の公演には、仲本も来ていた。成田にとっては復帰の2回目のステージで、二人の『哀愁のメランコリー feat.成田昭次』を初めて披露した公演だった。その日、成田は、譲り受けたギターの音を、初めて仲本に聴いてもらえた。



もう本当、めちゃ嬉しかったですね
Little Black Dressは、仲本が「昭和の音楽を愛してくれてありがとう」と言ってくれたことも明かした。成田は、いつも笑顔で、眼鏡の奥にとても優しそうな瞳があったと思い出していた。最後に、仲本がいつもカラオケで歌い、Little Black Dressがデュエットしたこともある曲を、成田の紹介で届けた。
ONAIR:Frank Sinatra『My Way』
4人のパワーと、一人で帰った時の虚脱感
この日は、二人ともリハーサルを終えてスタジオに来ていた。成田は、男闘呼組の公演の後、気持ちを切り替えるのに時間がかかったという。成田商事のリハーサルには、寺岡呼人、青山英樹、そしてキーボードのDevin Kinoshitaもいた。成田商事を会社に見立てる、Little Black Dressと成田のやり取りは、ここでも続いた。



Devinさんはまだ、未だに派遣社員なのでしょうか?



そうですね
29年ぶりのステージの疲れを聞かれると、成田は、体力は使うが、4人が集まるとパワーがすごいと答えた。一人でやっている時のパワーとは違うという。



健一、和也、耕陽、で、僕の、この4人で集まった時のパワーは、何ものにも変えられないですね
その分、4人から離れて一人で家に帰ると、ひどく疲れる。成田は、その時の「虚脱感」の落差が激しいと笑った。個性はばらばらなのに、違う個性が集まって男闘呼組になる。それを改めて感じたという。



僕も男闘呼組のファンになりました
どんな所かと聞かれ、成田がまず挙げたのは高橋和也だった。若いころより、今のほうが元気なのではないか。ベースを弾きながらリードボーカルをとり、リハーサルの初日から、MCも本番と同じ調子。リハーサルを合わせると、3週間ほどずっとあのテンションだったという。
リハーサルから本番まで、4人で一緒にいる時間が長く、すごいパワーをもらった。久しぶりの大きなホールで、来てくれた客のパワーもすごかった。思いや気持ちが一気に伝わってきて、成田は「たまんなかったです」と振り返った。


健一の大きな音、和也の屋台骨、耕陽のまなざし
Little Black Dressは、当日は岡山にいて行けなかったが、前の日にライブの映像を見たという。成田のシャウトに驚いたと話すと、成田は、男闘呼組の定番だったと答えた。ギターの音の厚みが昔の音源と全然違うという話には、岡本健一との違いを挙げた。



僕と健一は、結構本当タイプ違うんですよ
違うタイプなのに、合わさるととても良いブレンドになる。岡本は、とにかく音が大きくないとだめなタイプ。成田は、程よい大きさでいい。すると岡本が、成田のアンプの所へ来るのだという。



俺のアンプのとこに来て、『ちょっと昭次、ちょっと音小さいよ』
成田は、これぐらいで十分だと答える。岡本の所へ行くと、音がとても大きい。それもまた、とても気持ちよかったという。成田は、高橋を「男闘呼組の屋台骨」と表した。そして後ろには前田耕陽がいた。



(耕陽が)『うん、うん』つって、頼れる上司みたいな感じで見守ってくれてる
Little Black Dressが、前田は最初から涙を見せていたと話すと、成田は、みんな感極まったと答えた。
リスナーの便りは、成田が読んだ。10月15日は会場で、16日はライブビューイングで見たという人は、小学生のころはライブに行けず、録画したビデオテープを擦り切れるほど見ていた。もう一通は、男性のファンの多さがうれしかったという便り。成田も、岡本と「結構いるな」と話していたと明かした。
追加公演は、12月15日の名古屋、17日・18日の大阪、26日・27日の東京で、どの日も第1章と第2章の2公演。成田は、高橋の言葉を紹介した。回を重ねるごとに、みんなの顔が昔の男闘呼組の顔に戻っている。そして、高橋は「俺らこれ29年ぶりにやってんだぜ!」と言ったという。
再始動の1回目に選んだ『CROSS TO YOU』と、12弦のダブルネック
とっておきの曲を聞かれ、成田は、ライブでほとんど演奏していなかった曲を選んだ。再始動の1回目のライブだったので、ぜひこの曲を、と届けた。
ONAIR:男闘呼組『CROSS TO YOU』


リスナーからは、12弦のギターがとてもかっこよかったという声が届いた。成田が弾いたのは、ネックが2本のダブルネックのギター。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが『天国への階段』で弾いたことで有名になったギターだという。上のネックは12弦で、弦が1本ずつオクターブで張ってあり、下は普通のエレキの6弦。
※12弦ギターは、ふつうのギターの倍の12本の弦を張ったギター。低い4組の弦には1オクターブ高い弦を足すので、2本のギターで同じ演奏をしているような音になる。ダブルネックは、ネックが2本あるギター。オクターブは、ドから次のドまでのような、8度の音の幅。
重さは5、6キロあったかもしれない。ネックのほうが重いので、左手で常に支えていないと下がってくる。成田は「筋トレ、やりながらこうギター弾くみたいな」と笑った。どの曲で弾いたかは、まだ公演が残っているので明かさなかった。響きが違い、重ねて弾いたような、コーラスのような音になる。成田も、弾くのは初めてだったという。
12弦の話は、男闘呼組のグループLINEで、ボスから来た。メンバー全員が「これいいじゃん」と乗り気になり、誰が弾くのかという話になった。



『誰が弾くんだ』っつって。『俺か?』みたいな
岡本ではないのかと盛り上がった末に、1曲のためだけに使うことになった。アコースティックの12弦も、弾くと気持ちがいい。成田は、アンサンブルの中のアルペジオに合うと話した。
※アルペジオは、和音の音を、一つずつ順に弾いていく弾き方。
セットリストは、まず岡本が一気に作り、皆の意見を交えて仕上げた。リハーサルで演奏したのに、今回はできなかった曲もある。高橋は「男闘呼組の曲って100曲以上あるんだぜ」と言い、選ぶのが大変だったという。
岡山のレインボーフェスタ
Little Black Dressは、男闘呼組の公演と同じ15日・16日、地元の岡山のレインボーフェスタ2022に出ていた。どんなフェスか知っているかと聞かれた成田は、資料を見ながら、日本や世界の開催地を挙げ、「カンニングですね」と笑われた。性的マイノリティの人たちを支える催しで、Little Black Dressは、上京してから出会った人たちのことや、パレードで感じたことを話した。成田は、こう答えた。



僕あんまり、そういうの昔から感じたことなくて
周りにも、そういう友人がたくさんいて、普通に当たり前のことだったという。成田がドラァグクイーンになったら、という冗談には、男装したら似合いそうなLittle Black Dressを「宝塚的」と返していた。曲は、翌日から日本武道館で25周年の公演を開くMISIAの曲だった。
ONAIR:MISIA『SUPER RAINBOW』
『City Pop Night』の招待と、土方隆行
Little Black Dressは、10月28日にブルーノート東京で3回目の『City Pop Night』を開く。成田は、毎回のフライヤーのイラストがかわいいと話し、それを描いているのが番組のリスナーだと聞いて驚いた。この日、番組からの招待企画が決まり、1回目と2回目の公演に2名ずつを招くことになった。
雰囲気を味わってもらうために、2月18日の公演から1曲を流した。キーボードは、成田商事のリハーサルにもいた Devin Kinoshita だった。成田は「ライブ盤出したらいいじゃないですか」と勧めた。
ONAIR:Little Black Dress『恋のブギ・ウギ・トレイン (Live at Blue Note Tokyo)』
今回のギターは土方隆行。成田は「土方さん!」と声を上げ、昔、アルバムを1枚プロデュースしてもらったことがあると話した。土方の特集をやりたいという話にもなった。


『ボストンバッグ』に詰めた夢と、上京の記憶
成田商事のミニアルバム『ボストンバッグ』は、10月26日に配信される。ミュージックビデオも公開中で、「展開が早いですからね」という成田に、Little Black Dressは「優良企業」と応じた。11月からは、Zepp Nagoya、Zepp Osaka、豊洲PITの2日間を回るツアーが始まる。9月の初めての成田商事のライブから、アルバムができて、そのアルバムのツアーになる。


なぜ「ボストンバッグ」という言葉なのか。前に届いていた質問に、成田は言葉を探しながら答えた。



いろんな、そう、夢を詰め込んで
これからの自分の未来を背負って、と話したところで、成田は照れて笑った。自分も名古屋から上京してきたので、その時の気持ちがもう一度よみがえってきたという。懐かしいのに、新しいサウンドでもある。



呼人さんと、ヒデキくんのと僕のね、この3人が集まった成田商事
ホワイトとブラックの部分もあり、いろいろな要素が入り組んだ曲に仕上がった。アルバムにも、バラエティ豊かなサウンドが詰まっているという。曲は、公式の紹介では、兄弟の愛や葛藤を題材に寺岡が書き下ろしたもので、ミュージックビデオは10月14日に公開された。
Little Black Dressは、昔の空港の荷物のタグのような、「成田」と書いたグッズを提案した。成田は「ラゲッジタグ」と受け、ヒットするかもしれないと笑った。
ONAIR:成田商事『ボストンバッグ』


MISIA の25周年へ
最後に、二人はお互いの告知を伝え、忙しい日々に体を大事にと声をかけ合った。Little Black Dressは、翌日から始まる MISIA の25周年の公演を楽しみにしていた。上京して初めて見た MISIA の公演では、前座を務めながら、生まれて初めてライブで泣いたという。成田は「心に突き刺さりますよね」と応じ、知らない人にも伝わってくると話した。『音楽の日』で、ひまわりの中で歌われた『希望のうた』の光景には「すごい光景でしたね」。公演を見に行くかと聞かれ、成田は「僕も行きます」と答えた。翌週も生放送で届けると伝えて、番組は終わった。
ONAIR:MISIA『希望のうた』







