成田昭次が語る「13年間の会社員生活」と「ヨガへの目覚め」。寺岡呼人と振り返る1988年デビュー組の軌跡と未来(2025.06.15放送)

FM COCOLOにて放送された『YOHITO’S MUSICHRONICLE』。DJを務める寺岡呼人が、自身のソロツアーや音楽への想いを語る中、今回はスペシャルゲストとして成田昭次が登場した。Rockon Social Club(以下、RSC)、そしてNARITA THOMAS SIMPSON(以下、NTS)のメンバーとして活動を共にする二人が、バンドの裏話からプライベートなライフスタイルまで、多岐にわたるトークを展開した。

番組冒頭、寺岡は自身のソロツアーがスタートしたことを報告し、大阪・名古屋公演を終えた心境や、東京公演への意気込みを語った。そして、「今日はスペシャルでございます」と切り出し、成田昭次を紹介した。

ONAIR:NARITA THOMAS SIMPSON『FANTASIA』

成田昭次、FM COCOLO初登場とラジオスタイルの違い

成田がスタジオに登場すると、寺岡は「ようこそ、FM COCOLOへ」と歓迎した。成田にとってFM COCOLOへの出演は今回が初めてとなる。成田は以前、堺正章がゲスト出演した際に同局を訪れており、その際に対談収録も行ったことから「すっかりこのラジオに来た気でいた」と明かした。しかし、自身の番組出演としては今回が初となる。

二人の話題はそれぞれのラジオスタイルの違いへと及んだ。寺岡の番組進行について成田は「喋りが上手いから、全然僕のラジオと違いますもんね」と称賛。これに対し寺岡は、成田の番組では「台本そのまま読むだけだから」と冗談交じりに指摘した。成田はこれを受け、「今日はゲストで来てるじゃないですか。だから呼人さんの番組だから、居心地がいいし、こんなにも考えなくてもいい」と、リラックスした様子で語った。また、寺岡の進行能力について「語彙力がすごい」と表現し、スタジオの笑いを誘った。

1968年生まれ、1988年デビューの共通点と「空白の期間」

寺岡と成田には二つの大きな共通点がある。一つは1968年生まれであること(寺岡は早生まれのため学年は一つ上)、もう一つは1988年にそれぞれJUN SKY WALKER(S)と男闘呼組としてデビューしたことだ。寺岡は「当時は一度も会うことがなかった」と振り返り、成田もそれに同意した。

当時のバンドブームについて成田は、「音楽で目指している人たちにとってはそうなんですけど、僕らは入り口が違った」と、アイドルとしての側面も持っていた男闘呼組の立ち位置について触れた。しかし、30年の時を経て同じステージに立った現在、成田は「高橋和也だって、前田耕陽だって、岡本健一にしたってそうですけど、やっぱりみんなで音出した瞬間に、バンド小僧に戻りますもんね」と、根底にある音楽への情熱は変わらないことを強調した。

成田は自身のキャリアにおける「空白の期間」についても言及した。彼は名古屋で13年間、エンターテインメント業界から離れ、一般職として働いていた時期がある。その間、書店などで寺岡の名前を見かけることがあったという。「JUN SKY WALKER(S)というバンドはもちろん知っていたし、ベーシストだったし。だけど、プロデューサーである寺岡呼人さんというのが、僕の中ですごいなと。『他のアーティストをプロデュースするんだ』という衝撃が結構大きかった」と、会社員時代に抱いていた寺岡への印象を語った。

一方、寺岡が成田と再会したのは2020年のことである。成田がLittle Black Dress(RYO)のライブに出演した際、寺岡が客席にいたことがきっかけだった。「あれで初めて『こんにちは』と」と寺岡が振り返ると、成田は「寒い時期だった」と当時の記憶を補足した。

成田昭次のルーツとアイドル

番組では事前に成田へのアンケートを実施しており、「衝撃を受けた音楽」としてSurvivorの『Eye Of The Tiger』が挙げられた。

ONAIR:Survivor『Eye Of The Tiger』

楽曲に関連して、中学・小学校時代のアイドルの話題となった。寺岡が中学時代のアイドルとして薬師丸ひろ子の名を挙げると、成田は「僕も映画『セーラー服と機関銃』を観に行ったりしていましたけど、僕のドンピシャは中森明菜さん」と告白した。デビュー後に歌番組で一緒になる機会は意外と少なかったとしつつも、「お会いする機会はなんとかあったんですけど、やっぱり嬉しかったですよね」と、当時の高揚感を語った。寺岡も一度だけ薬師丸ひろ子に会った経験があると明かし、成田はそれを「シルベスター・スタローンに会うようなもの」と表現した。

ONAIR:堺正章 & Rockon Social Club『プンスカピン!』

NARITA THOMAS SIMPSON初のベスト盤と「最初で最後」の意味

話題はNTSの活動へと移った。2025年6月27日にリリースされる初のベストアルバム『The Very Best of Fantasy』について、寺岡が詳細を紹介した。NTSとしての活動期間は実質2年ほどであり、寺岡は「1年半でもうベスト盤ですね」と活動のスピード感に言及した。

このアルバムのキャッチコピーには「最初で最後」という言葉が使われている。寺岡がその真意を尋ねると、成田は「今は配信の時代じゃないですか。物理的なCDとかDVDとかを、いつまで残せるのかなって思った意味での『最初で最後」と説明した。解散を示唆するものではなく、物理メディアとしてのリリース形態に対する考えであることを明らかにした。

アルバムには、2023年11月25日にLINE CUBE SHIBUYAで行われたデビューライブの映像などが再編集して収録されている。成田は当時のライブについて「正直、どんな感じだったんだろうなっていうぐらい、目まぐるしい感じだった」と振り返りつつ、「改めて見て、意外といいなと思った」と手応えを語った。

また、アルバムには新曲が2曲収録されており、そのうちの1曲『Long Rainy Day』は寺岡が作詞作曲を担当した。寺岡は「RSCとNTSの違いは何かなと考えた時、やっぱりこの3人(成田、寺岡、青山英樹)だからこその音楽性だと思った」と制作の意図を語った。特にドラムの青山英樹について成田は「ロックドラマーだから叩けるこの曲のニュアンスがある」と評し、寺岡も「昭次くんの色っぽさ、色気がすごく出せた」と自信を覗かせた。

制作の裏話として、寺岡はデモテープの仮歌にAI音声を使用していることを明かした。「最近は昭次くんのキーを出すのが大変で、AIにお願いして、それを昭次くんに歌い直してもらう」という現代的な制作手法がとられている。

ONAIR:NARITA THOMAS SIMPSON『Long Rainy Day』

プライベートな一面:読書とヨガ、そしてルーティン

番組後半では、音楽以外のプライベートな話題に触れた。「音楽以外で何をしている時が幸せか」という問いに対し、成田は「」と回答。「一回火がついちゃうと、次またどれを読もうかなとなる」と語り、最近はMick Jaggerなどの自伝を読んでいることを明かした。「表面からしか知らなかったRolling Stones以外の生い立ちとか、目から鱗が落ちまくり」と読書体験を熱く語った。

また、50代後半を迎えた現在の健康管理について、成田は最近「ヨガ」を始めたことを告白した。「人生の中で、誘いがなかったら自分でヨガをやってみたいと思ったことはない」としつつも、現在は実践しているという。寺岡が服装について尋ねると、成田は「先生は(レオタードなどを)履いてますけど、僕はこれ(普段着に近い格好)のままで」と答えた。

ライブ前のルーティンに関しても二人のスタンスは対照的だった。成田は「ライブ1ヶ月前からお酒を飲まないようにしたり、できるだけ早寝早起きをする」とストイックな管理を行っていることを明かした。これは名古屋での会社員時代に培った早起き生活の影響もあるという。一方、寺岡は「そういうルーティンはやらないようにしている」と回答。「それをすると縛られちゃう。野球選手がマウンドに上がる時にラインを右足で越えるとか、そういう願掛けをやるとそればかりやってしまうタイプなので、あえて決めない」と語り、成田は「たった今を大事にするんだ』ってことですよね」と寺岡の姿勢を解釈した。

成田昭次が選ぶ「最高のライブ」

「今までで最高のライブ」として成田が選んだのは、2015年に京セラドームで開催されたPaul McCartneyの公演だった。特にアコースティックギター1本で演奏された『Blackbird』に感銘を受けたという。「京セラドーム、約5万人以上。もうみんな、耳も身も心も満足するぐらいのボーカルと、なんとも言えないフィンガーピッキング」と、そのパフォーマンスの凄みを語った。寺岡も東京ドーム公演に参加しており、「ギター1本でやるかっこよさ、物足りない感じがしない」と同意した。

ONAIR:The Beatles『Blackbird』

新しい音楽への探求とツアーへの意気込み

番組の最後には、成田が最近お気に入りの楽曲としてテディ・スウィムズの『Bad Dreams』を紹介した。成田はここ1年ほどで、スマートフォンを使った音楽ストリーミングサービスを活用するようになったという。「普通の人から見たら『なんで今までそれが聴けなかったの?』という感じですけど」と自嘲しつつ、ロック以外のジャンル、特にR&Bなどを積極的に聴くようになった経緯を語った。「普段自分が率先して聴こうと思わない曲を、勉強のために聴いてみようかなと思った」とし、AIによるレコメンド機能などを通じて新しい音楽に出会っていることを明かした。

ONAIR:テディ・スウィムズ『Bad Dreams』

最後に、NTSのツアー『The Very Best of Fantasy NARITA THOMAS SIMPSON 夏越の大祓 2025』の告知が行われた。ツアーは6月30日のビルボードライブ横浜からスタートし、大阪では7月15日・16日にビルボードライブ大阪で開催される。寺岡は「ビルボードでの日本人最多公演記録を超えるかもしれない」という噂に触れたが、成田は「まだ超えてないから、あまり偉そうにはできない」と謙虚に応じた。

エンディングで寺岡は、「今日は成田昭次さんがゲストに来てくれました。ご自身の番組よりも自由に、楽しそうに、気楽な感じで、なかなかレアな成田昭次さんを聴けたんじゃないでしょうか」と締めくくった。

ONAIR:堺正章&Rockon Social Club『さらば恋人』

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!