1994年10月31日、ニッポン放送「中居正広のオールナイトニッポン」の最終回が放送された。番組は中居正広がパーソナリティを務め、この日は1年間の放送を締めくくる特別な回となった。番組冒頭では、前日にナムコ・ワンダーエッグで開催されたハロウィンパーティーの模様が録音で流され、その後、スタジオにゲストとして岡本健一(男闘呼組)、木村拓哉(SMAP)、香取慎吾(SMAP)が順次登場した。ここでは特に、岡本健一の発言や成田昭次からの電報、そしてSMAPメンバーとのやり取りを中心に、放送内容を詳細にレポートする。

岡本健一の登場と成田昭次からの電報
番組前半、中居は「呼んでないのに来た人」として、最初のゲストである岡本健一を紹介した。岡本はスタジオに入るとすぐに、中居が前日のハロウィンイベントに参加しなかったことについて「来た人に失礼だよ」と指摘し、ナムコ・ワンダーエッグのアトラクションについての会話を展開した。
トークの序盤、番組終了に際して届いた一通の電報が読み上げられた。差出人は成田昭次(男闘呼組)であった。
中居が代読した電報の内容は以下の通りである。
お祝い
オールナイトニッポン最終回を迎え、お疲れさまでした。
本当は駆けつけてお祝いをした方がいいのかもしれないけれど、
今ちょっと12月にやるライブリハーサルをしているので行けません。
もし良かったら俺のライブにも電報を下さい。
12月7日水曜日、19時から、渋谷ON AIR EAST。(成田昭次 FIRST LIVE “WUDDAYACALLIT” 東名阪公演)P.S.本当は来てくれた方がいいけどね。
成田昭次
この電報に対し、岡本は「ふぅ~ん。わざわざ電報なんて送っちゃって」と反応した。中居が「昭次君はなんかあったのかな?」と真意を測りかねていると、岡本は即座に「いやライブがあるっつってるじゃん。それを宣伝したいって言って、で、わざわざ電報を送った」と解説した。中居が「違う違う」と否定しようとするも、岡本は「ちゃんと自分のやってる事を皆に知らせたい為にこう電報を送ってる訳よ。関係ない。自分のライブを宣伝したいから」と断言し、スタジオの笑いを誘った。

中居が「昭次君とはもう会ったりとかはしないんですか?」と尋ねると、岡本は「会うよ。舞台見に来たりとかしてたからね」と、成田が26日に終了した自身の舞台を観劇しに来ていたことを明かし、メンバー間の交流が続いている事実を伝えた。
その後、話題はお互いの髪型へと移行した。中居が岡本の髪型を「志村けんみたいなの、止めた方がいいと思います」と指摘すると、岡本は中居やSMAP、光GENJIの世代が髪を茶色く染める傾向について言及。「そんなに外人になりたいのかよ」と笑いを交えて突っ込みを入れた。中居がかつての「花組おとこ組」時代に岡本も茶髪にしていたことを指摘して反論する場面も見られた。
ONAIR:男闘呼組『インディアンの丘で』

岡本健一の音楽活動と事務所についての考え
CM明け、リスナーからの「もし事務所が潰れて芸能生活が終わるとしたらどうするか」という質問ハガキに対し、中居は「パン屋を開く」と回答した。これに対し岡本は「パン屋を始めるったって、いろんな教科が要る訳だよ」と現実的な視点を投げかけた。
中居から「岡本君はどうするんですか? ジャニーズ事務所の岡本健一じゃないんですか?」と所属について問われると、岡本は笑いながら「俺はちゃんと自分でやってるよ」と回答。中居が困惑しながら「フェイドアウト?」と尋ねると、岡本は「フェイドアウトしてたら、未だココにいないだろう」と否定し、籍は事務所にあるとしつつも、音楽活動に関しては独自のアプローチをとっていることを説明した。
岡本は、男闘呼組の活動終了後、またその3年前から並行して「ADDICT OF THE TRIP MINDS」というバンドで活動していることに言及した。中居が「二股掛けてたの?」と驚くと、岡本は「裏の方、裏の世界で、アンダーグラウンドの所で活動してた」と語り、自分のお金で活動を行っていたため、もし事務所がなくなったとしても中居のようにパン屋にならなくて済む、とジョークを交えて自身のスタンスを表明した。
岡本が持参したADDICT OF THE TRIP MINDSのアルバム(8月25日発売)について、中居は「顔に文字とか書いて」とジャケット写真に触れ、収録曲のタイトル「一人にしないで」「心の中の銃」「偽り感じて」などを読み上げた。岡本は自身の音楽について「まだ中居には早いかもしれないけど、ちょっと先に行ってる人はねぇ、もう分かってるんだよ」と述べ、SMAPを聴いている層にもこういった音楽を提供し、評価は聴き手の自由に委ねたいという意向を示した。
ONAIR:ADDICT OF THE TRIP MINDS『特別な人』
香取慎吾の登場と「モテるためのアドバイス」
続いて、SMAPの香取慎吾がスタジオに登場した。岡本から「何のために(頑張るの)?」と問われた香取は、「ジャニーズ事務所」と回答。さらに、もし事務所がなくなったらどうするかという話題に対し、香取は「僕は図鑑をセールスしたいな。自分で本も書いて」と独特の展望を語り、岡本を笑わせた。
リスナーからの「どうすれば人並みにもてるようになるのか」という相談に対し、岡本は「モテる様になる為に努力するんじゃなくて、先ず自分のしたい事で有ったりとか、自分のやるべき事で有ったりとかを、意識を集中していけば、どんどんこう自分が磨かれて行ってね」とアドバイスを送った。
一方、香取は「今のスターの人の事をマネしてみたりとか」と提案。具体例として「ミック・ジャガー」「ジョン・ボン・ジョヴィ」「アクセル・ローズ(ガンズ・アンド・ローゼズ)」の名前を挙げ、アクセル・ローズの奇声を真似してスタジオを盛り上げた。
岡本は自身の経験として、15歳くらいの頃にクラブやディスコに行き、音楽が目や耳に入ってくる環境に身を置いていたことが影響していると語った。これに対し中居と香取は「15歳でディスコはダメですよ」「大人発言」と反応した。
木村拓哉の登場と週刊誌報道への言及
番組後半、ドラマ「若者のすべて」の収録中だという木村拓哉が到着した。
リスナーからの「SMAPがドラマとバラエティに分かれたら、SM班とAP班どっちがいいか」というハガキに対し、岡本は「SM」をサド・マゾの文脈で解釈し、トークを展開した。岡本は木村に対し「お前はね、Mだな」と断定する場面もあったが、木村自身は「Sでしょう」と反論した。
その後、話題は週刊誌報道のあり方へと及んだ。当時、一部週刊誌で報じられていた木村と飯島直子に関する噂について、木村は「僕は別に役作りで飯島直子とはHしない」と明確に否定。その記事の元ネタとなった番組の存在や、ディレクターが謹慎処分になった経緯などに触れ、「たかが活字のせいで人間のそういう物を変えるってのは(ひどい)」と憤りを露わにした。以前、同様の雑誌に載った際に「もしそういうことがあったら自分の口から言う」と掲載させていたにもかかわらず、今回の記事が出たことでファンが混乱している状況を説明した。
これに対し岡本は「そういう記事を見れば、俺が週刊誌に出たのだって判るだろ? どういうものかっていうの」「どれだけ嘘の世界で人を引き付けるようにするかって」と、メディアの裏側について言及。「もしダメになっちゃったとしたら、それまで」「そういうのは開拓して行かないと。一人一人、対人間として話さないとダメだよ」とアドバイスを送った。最終的に岡本は「読まなきゃいいんだよ、あんな物。今更もう信じてる奴居ないと思うよ」と締めくくった。

番組終盤のトークと岡本健一の退出
番組終了まで残り1時間を切り、3人のゲストとのフリートークが続いた。岡本は木村が出演しているドラマでやつれていることに触れ、それが役作りであることを確認した。また、香取が「図鑑」を作りたいと話していた件について、岡本は「慎吾とか絵上手いじゃん? だから絵描いてそれを本にすればいい訳じゃん」と具体的な助言を行っていたことを明かした。
ADDICT OF THE TRIP MINDSのアルバムジャケットが鏡仕様になっていることについて、岡本は「心の鏡」「角度によって自分が歪んで見えたり、凄く美しく見えたりする」とその意図を説明した。
岡本が帰宅する時間となり、中居が宣伝を促すと、岡本はバンドのCDが大きなレコード店やHMVなどで扱われていること、翌年1月半ばくらいにライブを行う可能性があることを告知した。中居が「1月1日武道館でボクなんかとセッションしません?」と提案すると、岡本は即座に「しません」と返答し、そのままスタジオを後にした。去り際、香取は「飯島直子、好きなんですよボク」と発言し、木村に「もう振らないでね、オレに」と釘を刺される一幕もあった。
中居正広、最後のひとり語り
ゲストが去った後の残り約40分、中居は一人でリスナーからの質問に答えた。「なぜ番組が終わるのか」という問いに対し、中居は正直な気持ちを吐露した。バラエティだけでなく、苦手意識のあるドラマや歌など、様々なジャンルに挑戦したいという意志が強くなったこと、また、オールナイトニッポンという歴史ある番組に対して、ネタがない状態で臨むことへの申し訳なさなどを理由として挙げた。そして、11月から4年ぶりとなる連続ドラマの収録が始まることを明かした。
また、「現在付き合っている彼女はいるか」という質問には「いません」と回答しつつ、過去に4年間(16歳から21歳頃まで)交際していた女性がいたことを告白した。遠距離ですれ違いが多く、相手に辛い思いをさせたこと、現在は良き友人関係にあることなどを赤裸々に語り、「中途半端な気持ちで恋愛はしたくない」と自身の恋愛観を述べた。
「幸せとは何か」という問いには、「求めるより与える方に回ったらどうか。人が喜んでいる顔を見るのが自分の喜び」と語り、SMAPのメンバーと一緒にいる時の安心感や、グループを存続させたいという強い思いを口にした。最後に、番組スタッフやマネジメント、見えないところで支えてくれている全ての人々への感謝を述べ、1年間の放送に幕を下ろした。



