男闘呼組ファンクラブ会報 第10号(1990年)

岡本健一と高橋一也の『ペール・ギュント』 男闘呼組ファンクラブ会報 第10号

男闘呼組ファンクラブ会報の第10号(1990年)は、岡本健一さんと高橋一也さんがダブルキャストで主役を演じた、蜷川幸雄演出の舞台『ペール・ギュント』の報告と、2人の楽屋でのインタビューを載せています。

岡本健一さんのペール

岡本版の『ペール・ギュント』は、6月5日から28日まで、約1か月、青山劇場で上演されました。会報は、何者にも支配されることを嫌うペールを、困難からするりと身をかわす、しなやかなペールとして演じたと書き、特に、中年にさしかかり、女も金も思いのままに生きていたころのペールを「まさにハマリ役」と評しています。一也さんのペールが永遠の不良少年なら、健一さんのペールは強くしなやかなドンファンで、出番が後になったことへの周りの心配も「大成功」で答えたと書いています。

楽屋のインタビューで、岡本さんは、前の舞台で初日の前夜に眠れないと言ったのは「ウソさ」と笑い、2回目だからやりやすいわけではなく、新たな気持ちでやっていると話しています。出番が後だったからこそ、客席で高橋さんのペールを見て、役を練ることができたそうです。外見はペールと違っても、内面はそっくりで、演じるなら役に惚れて陶酔しないとできない、ペールの人生は幸せとは言えないと話しています。舞台の間は、劇場ではタバコと酒をやめ、食生活に気を使い、合間にストレッチをしているそうです。舞台の魅力は、キャストとスタッフ全員の気迫とエネルギーのぶつかり合いで、同じことを毎日やっていても、ひとつひとつが一生に一度の時間、映像にも残らない、やり直しのきかない緊張感だと話しています。

高橋一也さんのペール

初舞台で、ダブルキャストのトップを切った一也さん。20歳の青年から老人まで、人の一生を演じる大役でした。会報は、一也さんのペールを、自分自身に正直に生きる、不良少年のまま年老いてゆくペールで、計算された緻密な芝居というより、瞬発力で走る一発勝負型と書いています。

一也さんは、プレッシャーはたいしたことはなく、初日の前もぐっすり眠れたと話しています。長丁場はつらく、瞬発力の芝居をするタイプの自分には、いい試練だったそうです。作りものの世界に入りこめたのは楽しかったと話し、ペールは「どーしよーもナイ人」で、母のもとに帰る場面は「戻ってこれてよかったぁ」という気持ちだったそうです。自分では分からないが、顔つきが変わったと人から言われるそうです。また舞台に挑戦するかは、飽きっぽい性格なので分からない、バンドの方が楽だと話し、やりとげた後に泣いたかと聞かれると、「泣くわけないじゃん、俺が!!」と答えています。

出典・元記事

男闘呼組ファンクラブ会報 第10号(1990年):舞台『ペール・ギュント』の報告と、岡本健一・高橋一也のインタビュー。
詳しい内容は、男闘呼組ファンクラブ会報 第10号の誌面をご覧ください。


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