「『あいつら全員裸なんですよ』―先輩・野村義男が暴露した男闘呼組の過去と、Rockon Social Clubが見据える未来」(2025.11.13 放送)

2025年11月13日に放送されたNHK「SONGS」に、Rockon Social Clubが6人揃って登場した。2023年に期間限定の活動を終え、多くのファンに惜しまれながら解散した伝説のバンド「男闘呼組」。その中心メンバーである成田昭次高橋和也岡本健一前田耕陽が、プロデューサーの寺岡呼人、ドラマーの青山英樹と共に結成したのがRockon Social Clubだ。

2023年6月8日の放送では「男闘呼組」として出演し、29年ぶりの再始動の軌跡を語った彼ら。今回は「Rockon Social Club」として、豪華ゲストを迎えながらバンドの新たな魅力と、50代を迎えた今だからこそ走り続ける理由を赤裸々に語り尽くした。番組では、彼らとゆかりの深い堺正章野村義男MISIA段田安則が登場し、その素顔と音楽への情熱を証言。さらに放送後には『第76回NHK紅白歌合戦』への特別企画での出場も決定し、男闘呼組の歴史から新バンドの未来まで、彼らの現在地を浮き彫りにした放送となった。

VTRで振り返る、男闘呼組からRockon Social Clubへの道

番組は、男闘呼組の結成からRockon Social Clubの誕生までをまとめたVTRから始まった。1985年に活動を開始し、1988年に「DAYBREAK」で鮮烈なデビューを飾った男闘呼組。端正なルックスと骨太なロックサウンドで一世を風靡し、デビューからわずか4ヶ月で紅白歌合戦に出場するなど、その人気は社会現象となった。

しかし、人気絶頂の1993年、バンドは突然の活動休止を発表。VTRでは、当時の高橋一也が「これからもっと本当に真剣にやってくつもりですから、末永く応援してください」とファンに語りかける映像が流れ、その直後の休止がファンに与えた衝撃の大きさを物語った。

そして29年の時を経て、2022年に奇跡の復活。全国ツアーでファンとの再会を果たした彼らは、その活動の最後に男闘呼組としての解散を選択した。高橋は解散ライブで「これで男闘呼組の活動の全てが終わります。でも、この今、この瞬間のことをずっと胸に刻み込んでいこうと思っています」と語った。

だが、物語はそこで終わらなかった。「お客さんが僕らの音楽を聴いてくれて、喜んでる表情とかそういうのを見たときに、あ、これ終わっちゃうのほんと悲しいなっていう気持ちにはなりますよね」という高橋の言葉に象徴されるように、音楽への情熱は尽きることがなかった。そして、寺岡呼人、青山英樹という新たな仲間を迎え、6人組バンド「Rockon Social Club」として再スタートを切ったのだった。

「あいつら全員裸なんですよ」先輩・野村義男が明かす男闘呼組の“ヤバい”素顔

番組では、男闘補組のメンバーをデビュー前から知る大先輩、野村義男がVTRで登場。同じ事務所の先輩として、そしてバンドマンとして、彼らの異質な存在感を語った。

野村は「事務所的に歌って踊る子たちばっかりの中、でバンドがまた来たっていうのはすごい嬉しかったですね、僕はね。僕たちの励みにもなったし」と、後輩バンドの登場を喜んでいたことを明かした。しかし、その第一印象は「悪そうでしたからね、あいつらね。そこは僕らとは全然違うところです」というもの。それでも「敬語もきちっと使える、人間的な部分で言ったらいい人たちが集まってる」と、彼らの根底にある礼儀正しさを評価した。

ギタリストである成田昭次にとって、野村はギターの師匠のような存在。その野村が、忘れられない「嫌な思いをした」というエピソードを暴露した。

大阪だったと思うんですけど、僕も大阪で仕事してたんです。そのときに、『今日大阪で男闘呼組ライブで、間に合いそうだから、ちょっとギター弾いてよ』って。『いや、全然いいよ、全然いいよ』とかつって行ったんですよ。で、ギター用意されてて、ステージバーンって出てったら、あいつら全員裸なんですよ。僕はシャツかTシャツ着てて、着てる自分が恥ずかしくて。弾いててもなんかすごい嫌だなと思って。ここにはなじめないと思った

この衝撃的な告白に、スタジオは大爆笑。大泉洋から「ちょっと怒ってらっしゃいましたね」と指摘されると、高橋は「全然悪気なかったんですけどね。大体アンコールになっちゃうと、みんな脱いじゃってましたから」と弁明。前田耕陽から「こないだのロックオン、裸になってたよね?」とツッコミが入ると、高橋は「こないだもやっちゃったんですよ。もうこのね、50代超えてんだから、やめればいいんだけど、もうなんかもうロックのね、こう、血が騒ぐっていうか」と苦笑いを見せた。

MISIAが目撃したレコーディング秘話「やっぱ和也たちの声がいりますね」

続いてVTRに登場したのは、2023年のNHKラグビーテーマソング「傷だらけの王者」でコラボレーションしたMISIA。彼女はRockon Social Clubの音楽的な魅力と、メンバーたちの「学生同士みたいな」関係性について語った。

楽曲制作は「ちょっとロックな感じでいきましょう」という話からスタート。MISIAは「ギター、成田昭次さんにお願いしたい」とオファーし、さらにコーラスも依頼した。すると、レコーディング中に成田から「やっぱ和也たちの声がいりますね」という提案があったという。

和也さんとか1時間半ぐらい遠いとこにいらっしゃったと思うんですけど、『じゃあ、行くよ』みたいな感じで来てくださって。で、声を入れてみたら、ああ、なんか、すごくこう1人1人の声は違うんですけど、合わさると『はっ、この声』みたいな

MISIAは、彼らの歌声が加わることで「私にはやっぱりない力強さと、いい意味で男臭さというか、なんか仲間感がすごい倍増されて、ロックオンさんならではなのかな」と感じたことを明かした。また、紅白歌合戦の舞台裏では、成田がおしゃれ番長である岡本に「今日の服どっちがいいかな?」と相談している姿を目撃したといい、「そんなこと相談なさるんだな」と、メンバーの微笑ましい一面を語った。

「4人だけだと絶対続かない」― 新たな力学が生んだ“最高の仲”

男闘呼組の活動を終え、なぜすぐに新しいバンドを始めたのか。その答えは、彼らの尽きることのない音楽への情熱と、長年の活動で培われた独特の関係性の中にあった。新バンド結成にあたり、まず直面したのは「男闘呼組」というあまりにも強力な名前を超えるバンド名をどうするか、という問題だった。

番組でその経緯を問われると、高橋は「最初、男闘呼組が終わってから、なんか色々ありましたよね。『新・男闘呼組』とか、『男闘呼組Z』とか、もうこのインパクトにかなうにはもう、思い切って『おやじ組』にするか」という衝撃的な候補があったことを暴露。スタジオが笑いに包まれる中、最終的に「僕らもある年代ですよね。もう50代超えてきてるし。そういう意味ではまあ、大人の社交場みたいな、ロックミュージシャンのなんか社交場みたいな」というコンセプトから「Rockon Social Club」に決定したことが語られた。これには司会の大泉も「いや、Rockon Social Clubでよかったんじゃないかなって気がしないでもない」と安堵の表情を見せた。

このように新たな看板を掲げて再出発した彼らだが、その裏には切実な理由があった。1年間のツアーで約52万人を動員した男闘呼組。高橋は「燃え尽きたというか。もう起き上がれないぐらい体力使い果たして、消耗しちゃって」と、活動終了直後は2週間ほど誰とも連絡を取れない状態だったことを告白した。

しかし、メンバーの中には「これからもやっていきたい」という思いが強く残っていた。その中で、成田は男闘呼組と並行して寺岡、青山と共に「成田商事(現:NARITA THOMAS SIMPSON)」として活動していた経緯があり、「せっかくね、こうしてまた30年ぶりにみんなと会えて、このメンバーも加えて音楽を続けたいなっていう気持ちがすごくあった」と、新たなバンド結成への思いを語った。

岡本はさらに踏み込み、「あと、俺たち4人だけだと絶対続かないっていうのが。今でも感じますよね。4人だけだと、意見が合わないんですよ。全く合わない」と断言。これにはメンバーも苦笑いで同意し、「ほんとに呼人さんと英樹がいないと、僕らダメなんですよ」と、新メンバーの重要性を強調した。

その言葉の背景には、男闘呼組時代から続く彼ら特有の関係性がある。音楽的な方向性や意見が2対2に分かれることが多く、若さゆえに誰も譲らず、それが衝突に繋がることも少なくなかった。前回のSONGS出演時にも、岡本が俳優業に専念したい時期に高橋と意見がぶつかったエピソードが生々しく語られており、4人の強烈な個性が時に軋轢を生んできたことがうかがえる。

そこに、プロデューサーであり客観的な視点を持つ寺岡が加わることで、バンド内に新たな力学が生まれた。番組内で冗談めかして語られた「呼人さんが中3で、僕が中2で、で、和也と健一が中1、中2としては中3の先輩には逆らえない。」と前田が解説すると、大泉は「傍から見ててもなんか中1の態度がでかい気がする」と絶妙なツッコミを入れ、スタジオは笑いに包まれた。、まさにこの新しい関係性を象徴している。かつては譲れなかった4人の個性が、年長者でありプロデューサーでもある寺岡という“まとめ役”を得たことで、初めて健全な形でぶつかり合い、昇華されるようになったのだ。彼らが口を揃えて「今が一番仲がいい」と語るのは、この絶妙なバランスが生まれたからに他ならない。

ドラムの青山英樹は、父である故・青山純さんが男闘呼組のレコーディングに参加していたという深い縁がある。「親子2代」での共演となり、世代を超えた音楽の繋がりがバンドにさらなる深みを与えている。

ONAIR:男闘呼組メドレー(TIME ZONEDAYBREAK

堺正章と奏でるグループサウンズ「一番いい湯加減。ショーマンの群れだね」

番組には、スペシャルゲストとして堺正章が登場。Rockon Social Clubがリスペクトを捧げるグループサウンズ「ザ・スパイダース」の元メンバーである堺と、コラボ楽曲「プンスカピン!」を披露した。

堺はRockon Social Clubの魅力を「一番いい湯加減。ちょっとこう、最初は熱いけど、入ってみると、あ、ちょうどよかったねっていう感じ」と独特の表現で語った。さらに、「グループっていうのは不思議なもんでね、何十年冷凍にしても、お湯かけたらすぐ元に戻る」と、バンドならではの絆に言及。「50の半ば来てますけど、ステージを本当に情熱的にやっていこうとする姿っていうのは、やっぱり僕は素敵なものを感じますよ。その辺が素晴らしいショーマンで、あるなっていう、SHOW MANの群れだなっていう感じがしますね」と絶賛した。

この日のために用意されたお揃いの衣装について、高橋は男闘呼組時代に揃いの衣装を「もう着れねえよ」と拒否した過去を明かしつつ、「やってみたらね、結構いいじゃん。やっぱグループだよな」と、心境の変化を語った。

ONAIR:堺正章 & Rockon Social Club『プンスカピン!』

段田安則、SONGSで歌手デビュー「草野球やってるおっさんが大リーグのバッターボックスに」

続いてのゲストは、俳優の段田安則。音楽番組への出演はこれが初めてだという。共演のきっかけは、なんとプロデューサーが劇場の駐車場で段田をスカウトしたことだったという。

段田は「僕も聞きたいぐらいなんですけど」と戸惑いを見せつつ、「訳の分からない状態で座っております」と語り、スタジオを和ませた。段田安則(滝川一益)は大河ドラマ「真田丸」で大泉洋(真田信幸)や高橋和也(宇喜多秀家)、岡本健一(毛利勝永)と共演しており、奇しくもSONGSのスタジオに「真田丸」キャストが集結する形となった。

男闘呼組の解散ライブにも足を運んだという段田は、「あ、こいつらかっこいいなって、正直思ったんですよ。まさかそこに自分が呼んでいただけるなんて、夢々思いませんでした」と、今回の共演への驚きを語った。

50代からの新たな挑戦について、段田は「もうどっちみち、この歌詞にもありますけど、僕が歌うこれ、もうすぐ死ぬのでね」とブラックジョークを交えながら、「1回ぐらいこれ、僕にとっては結構な挑戦ではあるんですよ。草野球やってるおっさんがですね、大リーグの試合のバッターボックスに立たされたみたいなもんです」と、その心境を表現。「せっかくバッターボックス立ってもいいよって言ってくれたら、もう恥かこうが何しようがいいやっていう気持ちに、年齢的になりましたですね」と、新たな一歩を踏み出す決意を語った。

ONAIR:段田安則 & Rockon Social Club「B・A・N」

「想像全て超えてく」― 50代からの挑戦はまだ始まったばかり

豪華ゲストとの共演を通じ、Rockon Social Clubの持つ無限の可能性が示された。今後の活動について岡本は「想像全て超えてくんですよね。段田さんと一緒にやるのもそうですし、呼人さんが出してくる曲にしてもそうですし」と語り、予測不能な未来への期待を口にした。

大先輩である野村義男もVTRで「この年齢でも始めていいんだっていう勇気に変わると思うんですよ。そこは責任取ってもらわないといけないですね」と、彼らの活動が同世代に与える影響の大きさに言及した。

番組の最後、恒例の締めの挨拶では、メンバーの言葉が揃わずバラバラになるという、実に彼ららしい一幕も。男闘呼組時代から変わらない自由な空気感と、50代を迎えてさらに深まった音楽への情熱。Rockon Social Clubの物語は、まだ始まったばかりだ。

【追記】放送後のビッグニュース! Rockon Social Club、『第76回NHK紅白歌合戦』出場決定

この「SONGS」の放送後、Rockon Social Clubにとってさらなる大きなニュースが発表された。2025年12月31日に放送される『第76回NHK紅白歌合戦』に、<放送100年 紅白特別企画>として出演することが決定したのだ。

今回の「SONGS」でも熱い共演を繰り広げた大先輩、堺正章と共に紅白のステージに立つ。男闘呼組としての活動休止から約30年、彼らが再び紅白の舞台に戻ってくる。男闘呼組の解散から始まった新たな物語は、年末の大舞台へと続いていく。

▶︎番組名:「第76回NHK紅白歌合戦
▶︎放送局:NHK総合・BS4K・BS8K・ラジオ第1
▶︎放送日時:2025年12月31日(水)19:20~23:45 ※中断ニュースあり

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