TOKYOプラスティック少年/見えない虚像(シングル)

「TOKYOプラスティック少年」(トウキョウプラスティックしょうねん)は、男闘呼組の10枚目のシングル。1993年8月21日にBMGビクター内のレーベル「ariola」から発売された。

TOKYOプラスティック少年/見えない虚像(シングル)

アーティスト:男闘呼組
発売日:1993年8月21日
形態:8cmCD
レーベル:BMGビクター/ariola
品番:BVDR-189

本作は男闘呼組にとって特異な位置を占む作品である。グループが1993年6月30日に活動を休止した後、約2か月を経てリリースされたため、プロモーション活動が一切行われなかった。作詞・作曲は高橋和也が「ヤズカ」名義で手掛けており、同メンバーの最後の楽曲制作となった。

楽曲は従来の男闘呼組のハードロック路線から大きく転換し、硬質な打ち込みビートとアコースティック・ギターをバックにラップ風の歌詞を乗せる実験的なアプローチを採用。1990年代初頭のダンスミュージック・ヒップホップの影響を受けた先駆的な作品として位置づけられる。

A面曲は同年7月1日発売のオムニバス・アルバム『TOKYO 〜都制50周年記念アルバム〜』に先行収録され、シングル版では冒頭部分を大幅にカットした編集版が収録された。

収録曲

  1. TOKYOプラスティック少年
     作詞・作曲:ヤズカ 編曲:男闘呼組・ゲーリー・チョビ
  2. 見えない虚像
     作詞・作曲:岡本健一 編曲:男闘呼組

制作

「TOKYOプラスティック少年」は硬質な打ち込みビートとアコースティックギターを基調とした革新的なアレンジが特徴。歌詞は「チキュウデ ウマレタンジャナイ」で始まる抽象的・SF的な内容で、カタカナ表記を多用した散文的な構成となっている。都市文明への批評的視点を「プラスティック」というキーワードで表現し、人工的な現代社会への問題提起を含んでいる。

カップリング曲の「見えない虚像」は、メンバーの岡本健一が作詞・作曲を手掛けたナンバー。こちらはバンドサウンドを前面に出した楽曲となっている。

関連作品・バージョン違い

収録作品

『TOKYO 〜都制50周年記念アルバム〜』
1993年にリリースされたコンピレーション・アルバムで、「TOKYOプラスティック少年」のオリジナル・バージョンが収録されている。シングル化されるにあたり、イントロが30秒以上カットされている。

『HIT COLLECTION』(1999年)
男闘呼組のシングル楽曲を集めたコンピレーション・アルバムに収録。リマスタリング処理が施され音質が向上している。

『ジャニーズ A GO GO』

本作と同時発売された男闘呼組の事実上最後のオリジナル・アルバム。カップリング曲の「見えない虚像」が収録されている。また、同アルバムに収録されている「ジャニーズ A GO GO」は、「TOKYOプラスティック少年」のメロディーに高橋和也自身が新たな歌詞をつけたもので、歌詞とアレンジが異なるバージョンとなっている。

補足

高橋和也の息子である耕太郎と海斗による音楽ユニット「Tokyo Plastic Boy」の名称は、本楽曲から直接命名されたものである。同ユニットは2022年の男闘呼組復活コンサート「男闘呼組1988」でオープニングアクトを務め、世代を超えた音楽的継承を実現した。また、高橋和也のソロアルバム『MOUNTAIN MAN』(2022年)収録曲「似ているらしい」にゲスト参加するなど、現在も活動を継続している。

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