松本清張サスペンス 疑惑

本作は2003年3月22日にテレビ日系「土曜ワイド劇場」枠で放送された、松本清張没後10周年の特別企画ドラマスペシャルです。原作は松本清張の中篇小説『疑惑』をベースに、竹山洋が脚本を手がけ、テレビドラマ用にアレンジされています。

作品のあらすじ

ある雨の夜――北陸地方の港町で、資産家・白河福太郎が運転する愛車が猛スピードで海に突入し、福太郎は死亡。助手席から脱出した後妻・鬼塚球磨子は救出されるものの、巨額の保険金受取人となっていたことから「保険金殺人」の疑いで逮捕される。
新聞記者・秋谷茂一(佐藤浩市)は連日のスクープ報道で球磨子を「北陸一の毒婦」と断罪し、警察もマスコミも世論も彼女を犯人と信じ込む。一方、国選弁護人の佐原直吉(中村嘉葎雄)は経験不足と見られながらも、逆転無罪を導くべく奔走。裁判に向けて、検察サイドと弁護サイドの綱引きが激化していきます。

高橋和也の役柄:沢木登(さわき のぼる)

高橋和也は、本作で警察側の捜査員「沢木登」を演じています。
「沢木登」は、

  • 山崎捜査係長(新田昌玄)直属の刑事
  • 福太郎殺害の捜査チームに配属され、現場検証や物的証拠の確認を担当
  • 球磨子から押収した靴型の遺留品や、ブレーキ痕の有無を厳密に調べ上げ、検察に報告書を提出
  • 秋谷記者と情報を交換しつつ、検事・宗方(小林稔侍)に捜査状況を逐一報告
    といった役割を担い、「警察の捜査線」をドラマにおいて象徴的に体現しています。

沢木の緻密な聞き込みと証拠収集により、事件当夜の車の速度や踏切痕の解析結果、証言間の食い違いが浮かび上がり、物語のサスペンスが高まります。一方で彼自身は球磨子の“動機”を直接追及する場面は少なく、あくまで冷静に“事実関係”を解明する“プロの刑事”像を演じています。

高橋和也が演じる「沢木登」は、物語を推進する内的エンジンとして、警察捜査のリアリティと緊張感を支える端役ながら重要なポジションです。俳優としてのクールな佇まいと緻密な捜査ぶりが印象に残るキャラクターと言えるでしょう。

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