2025年7月26日に放送されたニッポン放送「KURE オキーフ Presents 成田昭次のRockon The Knight」では、ギタリストでありボーカリストの成田昭次が、盟友でありNARITA THOMAS SIMPSONやRockon Social Clubで共に活動するドラマー、青山英樹をゲストに迎えた。3週にわたる青山とのトークセッションの最終回となったこの日、成田は自身の過去、現在、そして未来の音楽活動について率直な言葉で語り、特に男闘呼組時代との現在の自分との違いについて印象深い言葉を残した。

成田昭次、吉川晃司の伝説に驚嘆「ゲランじゃないみたい」
番組序盤、リスナーから寄せられた「吉川晃司さんのライブに参加した際、代名詞であるシンバルキックはどうでしたか?」という質問をきっかけに、話題は日本のロックレジェンドへと及んだ。サポートドラマーとしてその現場にいた青山は、「シンバルの位置が、2mぐらい上に設置されてるんですよ。あれをきっかさんジャンプして蹴ってるんですけど」と、その身体能力の高さを証言。

吉川晃司と直接の面識はないという成田だが、青山の語るその光景に「間近で見たんですよね」「ど迫力ですよ、もう」と興味津々な様子を見せた。さらに青山が「リハーサルスタジオでもサンドバッグを持ってこられてて、演奏中もずっとこう、ボクシングみたいな感じでパンチをずっとされてましたね」と、吉川のストイックな一面を明かすと、成田は「すごい、もうね」「ストイックですよね」「かっこいいですよね」と感嘆。その常人離れしたエピソードに対し、「ゲランじゃないみたいな」と、彼らしい独特の表現で驚きを示し、偉大なアーティストへの敬意をにじませた。
成田昭次、盟友・青山英樹との出会いを懐かしむ
話題はLittle Black Dressへと移り、成田は青山との出会いを振り返った。「僕もね、5年前にその、久しぶりにそのライブをビルボード横浜でした時も、そうでしたよね。Little Black Dressのあの、サポートでされて、そこで出会ったんですよね」と、復帰のきっかけとなった重要な瞬間を懐かしんだ。
青山が参加したLittle Black Dressの最新アルバム『アバンギャルド』から楽曲「メッチャいいじゃん!」が紹介されると、成田は以前の楽曲「ちょーかわいい」を引き合いに出し、「ちょーかわいいって曲もありましたよね」「ちょーかわいい、ちょーかわいいっていう、あれでね、出会いましたもんね」と、二人が出会った頃の思い出の楽曲を振り返った。「今度は『メッチャいいじゃん!』ですね」「これ聞きたいですね」と、盟友が参加した新しいサウンドに純粋な期待を寄せた。
ONAIR:Little Black Dress『メッチャいいじゃん!』
青山英樹の音楽人生、横浜関内 7th AVENUE からスタート
番組冒頭、成田昭次は青山英樹について「本当にね、僕ギラギラですけどね、キラキラですもんね」と表現し、3週連続の出演への感謝を示した。リスナーからのメールで青山英樹の初ライブについて質問が寄せられると、成田昭次は興味深そうに詳細を聞き出していく。
青山英樹が14歳の時に初めてライブを行った横浜関内のセブンスアベニューでの体験について、成田昭次は「14歳っていうことは、約20年以上前」と計算しながら、その若さでのライブデビューに驚きを見せた。青山英樹がスタジオの貼り紙でメンバー募集に応募し、20歳前後のメンバーと組んだエピソードに対し、成田昭次は「6歳、7歳ぐらい違う人たちと」と年齢差を確認しながら、その勇気に感心していた。
特に印象的だったのは、青山英樹の祖母が初ライブを見に来てくれたという話で、成田昭次は「いや、素敵。うれしい。うわあ、素敵な、おばあさまですね」と心から感動した様子を見せた。「そこが青山英樹のドラム人生の始まりスタート」と総括し、その瞬間から現在までの軌跡に思いを馳せていた。
成田昭次の意外なカラオケ十八番「女性アーティストの曲が多い」
青山がドラゴンボールのテーマソングを完璧に歌いこなしたの動画がRSC APPに公開されたという話題から、カラオケでの選曲について話が及ぶと、成田の意外な音楽の好みが明らかになった。青山がオレンジレンジを挙げる一方で、「男闘呼組の曲とか歌ったりしますけど、キーが高くて歌えないんですよね、もう」「成田さんのパートとか」と、男闘呼組楽曲の高音の難しさを語った。
これに対し成田は「男闘呼組キー高いですか」と確認しつつ、自身については「僕、でも僕古いんですよね、やっぱ昭和なんで。僕結構女性アーティストが多いですよ」と告白。具体的にはアン・ルイスの「六本木心中」、レベッカのNOKKOの「フレンズ」、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」、大黒摩季の楽曲などを挙げ、青山を「すごいですね。女性なんですね」と驚かせた。ロックギタリストとしてのイメージとは異なる選曲に、彼の音楽的ルーツの幅広さが垣間見えた。
成田昭次、ドラムの職人技に感嘆
話題がドラムのテクニカルな側面に及ぶと、成田は青山がNARITA THOMAS SIMPSONとRockon Social Clubでピッチ(皮の張りの強さ)を使い分けているという説明に深い関心を示した。「ナリトマ(NARITA THOMAS SIMPSON)は低め」「ロックオン(Rockon Social Club)とか激しいなとちょっと上げたり」という青山の説明に対し、成田は「じゃ、その、やっぱジャンルによって結構その、バンドによって変えてる」と理解を示した。
チューニングキーについて「何か所あるんでしたっけ、あれって」と質問し、「10か所ぐらいあるんですよ」という回答に「なかなかすごいなあと、職人技ですよね」と感嘆の声を上げた。
「やっと素の自分に」―男闘呼組時代と現在のギャップを語る成田昭次
リスナーからジェネレーションギャップについての質問が寄せられると、成田は青山英樹との18歳という年齢差について言及しながらも、「なんかそんなにね」「音楽的なことではあんまないですかね」とギャップをあまり感じていないことを明かした。「聞いてる音楽もほらな、結構あの英樹くんは僕ら80年代の音楽をね、だ、結構早熟だったからじゃないですか」と分析し、青山の音楽的嗜好の幅広さを評価した。
成田は青山について「いい意味で古風な感じがするんですよね、僕」「すごい落ち着いてるし」「すごくなんか落ち着いてるし、あんまり取り乱したりしないですよね」と人柄を絶賛。「現場でアタフタしてるとこ見たことないし、で、なんかいつも冷静じゃないですか」「怒ったとこ見たことない」と、プロフェッショナルとしての青山英樹への深い信頼を表現した。
番組のハイライトとも言える瞬間は、青山から昔の男闘呼組時代と現在のギャップについて指摘された時に訪れた。青山は「僕はむしろ成田さんのその昔と今が違いすぎて、のジェネレーションギャップ、ジェネレーションギャップというか、成田さんのギャップがすごすぎて」と切り出し、「やっぱ、その昔の男闘呼組の映像やらもうギターぶん投げてたり、なんかもうけんかだなんだって言ってるのが、あれがものすごいギャップを感じて」と、現在の穏やかな成田からは想像もつかない過去の姿への驚きを口にした。
この指摘に対し、成田は静かに、しかしはっきりとこう答えた。
「35年の時を経て、ようやく、あの、素の自分に戻ってこれたんですよ。これが本当の素なんですよ。これ、これが生まれ持ってのあの成田の姿で、あん時はもう本当なんか、憑依して」
青山が「こちらが素なんですか」と確認すると、成田は「これが本当の素なんですよ」と重ねて答え、「何かがね、何かが取り憑いてたんだろうなっていう」と当時を振り返った。
若い時については「でもやっぱり無理、無理してた、無茶というよりもちょっと無理してたのかなっていう」と分析し、「無理がたたって、で、今化けの皮が剥がれて、これが、あの、正真正銘の、ええ、成田昭次なんですけど」と現在の心境を表現した。ロックシーンの最前線を駆け抜けた男が語るこの言葉は、彼の人生観と音楽への真摯な姿勢を深く感じさせるものだった。
番組終盤、青山英樹のディナーショー開催についてリスナーから要望が寄せられると、成田は積極的にアイデアを提案した。「ちょっとホテルの最上階でディナーショーやってほしいですよね」「なんとかの間とかあるじゃないですか」「崎陽軒を食べさせて」と具体的な会場を想像し、青山の「移動式ドラム」というアイデアに相づちを打ちながら、「去年のあの武道館でもね」と過去の経験を踏まえて応援の言葉を送った。
ONAIR:NARITA THOMAS SIMPSON『Snow White』

今後の活動への意気込み――成田昭次が語る「3人が6人に」
番組の最後に、成田は8月1日の横浜BUNTAIでのNARITA THOMAS SIMPSONライブについて「会場にミニ来られないお客さんのためにもですね、配信をですね、配信が決定しました」と配信決定を発表。続く9月からのRockon Social Clubツアーについても「いよいよ、ね、3人が6人になります」「わっちゃわちゃしますよ」と編成の変化に期待を込めた。

青山英樹の3週連続出演に対し、成田は「3週も登場していただいて」「めちゃくちゃ楽しかったです」と感謝を表し、「本州もね、知られざる、あ、英樹をね、ま、かいま見ることがね、できたので、皆さんね、もう満足度高いと思うんですけど」。
今回の放送では、男闘呼組時代から現在まで、長い年月を経て辿り着いた成田昭次の心境の変化が最も印象的だった。「憑依してた」という表現で語られた過去と、「素の自分」として受け入れている現在の姿は、多くの経験を積み重ねた音楽家の人生観を深く感じさせるものだった。18歳の年齢差を感じさせない青山英樹との自然な会話の中で、成田の温かい人柄と後進への深い愛情が番組全体を通じて感じられる30分間となった。
