『Deep Emotion』は、1998年12月23日にインディーズよりリリースされたINORGANICの1stアルバム。
概要
INORGANICは、1997年に元男闘呼組の成田昭次を中心に、同グループのサポートドラマーだった平山牧伸、そして高橋和也の親戚であるベーシスト・樋渡尚崇によって結成された3人組バンド。70〜80年代のハードロックに影響を受けたサウンドを追求し、ライブ活動を中心に精力的に展開していった。
本作『Deep Emotion』は、INORGANICにとって初のアルバム作品であり、渋谷エッグマンでの1stライブ(1998年4月)以降、月に2〜3本のペースでライブを重ねた集大成として制作された。リリース直後にタワーレコードで行われたインストア・イベントでは1500枚が即日完売を記録し、インディーズチャートで1位を獲得するなど注目を集めた。
収録曲
Do You Wanna? (4:44)
詞・曲:成田昭次
孤独の…魂 (3:12)
詞・曲:成田昭次
シュビィドゥビィシュビィドゥワァ (3:46)
作詞:小竹正人 作曲:成田昭次
愚鈍 (5:05)
作詞:小竹正人 作曲:成田昭次
変わり行く我が友よ! (5:17)
作詞:小竹正人 作曲:成田昭次
Best of My Love (2:52)
作詞:成田昭次 作曲:樋渡尚崇
Again (3:17)
作詞:成田昭次 作曲:平山牧伸
名義:INORGANIC(成田昭次)
レーベル:Haysay Factory(HSF-01)
℗ 1998 Haysay Factory
Released on: 1998年12月23日
アルバム制作について(メンバー談話より)
レコーディングはライブで培ってきたグルーヴ感を重視し、ヘッドフォンに頼らず現場で発せられる生の音をそのまま閉じ込めた“Goodな感じ”を目指した。メンバー全員が、今の自分たちの音を正直に、嘘なく表現することを心がけ、各自がその場で最大限のパフォーマンスを発揮することで、スタジオでの再現性ではなく、リアルな息づかいを音源に封じ込めている。
成田は、「現場でのアイデアも充分に引き出して、全ての力を上手く取り入れたいね!!!」と語り、平山は「コンセプトは『ポップ・キャッチ・ロック』です。」とコメント。樋渡は「BASS PLAYも幅が広がって、より楽しくなってきているので期待大です。」と述べている。
また、CDジャケットに使用された指輪についてもファンの間で話題となり、「ナチュラル・シンプル」という文字が刻まれたそのデザインがバンドの姿勢とリンクしていると成田本人が語っている。
なお、アルバムのパッケージデザインも成田昭次自身が手掛けており、ビジュアル面にもその美学と意図が反映されている。
70〜80年代のハードロックをベースとしつつ、メロディアスでキャッチーな構成、そして直情的な歌詞と演奏が融合したスタイルは、当時のJ-ROCKシーンにおいても異彩を放っていた。
メジャーシーンから離れた環境で成田昭次が新たに見せたバンドアプローチの姿勢は、彼の音楽的再出発として現在でも語り継がれる一作である。
(※メンバーの平山牧伸は現在、元男闘呼組メンバーの高橋和也と共に「MOUNTAIN MAN」というバンドでも活動している)
クレジット
Produced by INORGANIC
Vocal and Guitar
SHOJI NARITA
Bass and Chorus
NAOTAKA HIWATARI
Drums and Chorus
MAKINOBU HIRAYAMA
Recorded & Mixed by: YUTAKA YOSHIKAWA / MASAHIRO KUWANAGA
Assistant Engineer: KAORI KURODA (GREEN BRID)
Mastered by: KAZUHIRO YAMAGATA (CD DESIGN)
Recorded and Mixed at: STUDIO GREEN BIRD
Management: YUKIKO OHHASHI (HEYSAY FACTORY)
Art Direction & Design: YOSHIKO TOKUTAKE
Design: SHOJI NARITA
Photography: KUNIAKI IMURA / MAKI ORIMOTO / TOMOYUKI ORIMOTO
Creative Coordinate: SAYOKO IMAI (GREEN BIRD)
Special Thanks to:
STUDIO GREEN BIRD
FUN PROJECT
ALL OF OUR FANS & CREW & FRIENDS
Supervisor: NAOYOSHI KAWAI (T-SING)
Co-Producer: SHIGEAKI SHIMAZAKI (ISLAND)
Executive Producer: NORIO SEKIGUCHI (FIS)