『男闘呼組 二枚目』(おとこぐみ にまいめ)は、男闘呼組の2枚目のオリジナル・アルバム。1989年6月28日にBMGビクターから発売された。

男闘呼組 二枚目(アルバム)
アーティスト:男闘呼組
発売日:1989年6月28日
形態:LPレコード・カセットテープ・CD
レーベル:BMGビクター / RCA
品番:RHL-8602 (LP) / RHT-8602 (CT) / R32H-1081 (CD)
前作『男闘呼組』から約9ヶ月ぶりにリリースされたセカンド・アルバム。メンバー4人全員が作詞を手がけ、成田昭次による作曲作品も2曲収録されるなど、バンドとしての主体性をより強く打ち出した作品となっている。サウンド面では、デビューシングルから楽曲提供を行ってきた作曲家の馬飼野康二が「Mark Davis」名義で全10曲中8曲の作曲と全曲の編曲を担当し、アルバム全体の統一感を高めている。
前作以降にリリースされたシングル「秋」「TIME ZONE」は収録が見送られ、すべて新曲で構成されている。この構成により、ハードロックからメロウなバラードまで多彩な楽曲を揃えつつも、アルバムとしてのトータル性が重視された。オリコンチャートでは週間2位を記録し、1989年度の年間アルバムチャートでも48位に入るヒットとなった。
収録曲
全編曲:Mark Davis 作曲:馬飼野康二(特記以外)
- Burn it
作詞:高柳恋 - 熱くささやかな叫び
作詞:岡本健一 - 追憶の挽歌
作詞:安藤芳彦 - YO-YO
作詞:高橋一也 - FOREVER
作詞:前田耕陽 - 翼なき疾走
作詞:大津あきら - 赤ちょうちんでくらせ
作詞:高橋一也 - - M -
作詞・作曲:成田昭次 - GIMME A BREAK
作詞・作曲:成田昭次 - RESISTANCE
作詞:大津あきら
制作
本作は、前作の歌謡ロック路線からさらに踏み込み、ハードロックやポップ・ロックの色合いを強めた作品となっている。[4] 全体のサウンドプロデュースをMark Davis(馬飼野康二)が手がけたことで、骨太なバンドサウンドに統一され、一部では「ボン・ジョヴィ化が進む」とも評された。
メンバー4人全員が作詞に初挑戦しており、それぞれの個性が歌詞に反映されている。特に高橋一也が手がけた「YO-YO」や「赤ちょうちんでくらせ」では、若者の視点から社会や日常を切り取った独特の言葉選びがみられる。成田昭次作詞作曲の「- M -」や「GIMME A BREAK」では、内省的な葛藤や苛立ちが表現されており、アーティストとしての自我の芽生えを感じさせる。
後年の活動との関連
本作に参加したメンバー(成田昭次、高橋一也、岡本健一、前田耕陽)は、男闘呼組の活動休止後、時を経て再集結し、Rockon Social Club や NARITA THOMAS SIMPSON といったバンド・ユニットを結成し、音楽活動を継続している 。『男闘呼組 二枚目』に収録された楽曲の中には、これらの後年の活動と関連を持つものがある。
- 「GIMME A BREAK」(作詞・作曲:成田昭次):成田が自身のバンド NARITA THOMAS SIMPSON のライブでこの曲を演奏しており、彼にとって思い入れの深い楽曲であることがうかがえる 。
- 「FOREVER」(作詞:前田耕陽):男闘呼組の解散時(2023年)のラストツアー『LAST FOREVER』において、この楽曲が重要な意味合いを持って演奏された。アルバムタイトルにも含まれる “FOREVER” という言葉と、前田による歌詞が相まって、バンドの歴史の中で特別な位置を占める曲となった。
これらの楽曲、特にメンバー自身が作詞・作曲に関わったものが、数十年後も演奏されたり語られたりしている事実は、本作がバンドの音楽的成長を示すだけでなく、メンバー個々のアーティストとしての軌跡においても重要な作品であることを物語っている。