作品概要
『連続ドラマW 撃てない警官』は、安東能明による同名小説を原作とし、WOWOWのオリジナル枠「連続ドラマW」で2016年1月10日から2月7日まで全5話で放送された社会派サスペンスドラマです。主演は田辺誠一。警察組織内部のリアルな人間模様や出世争い、管理職と現場の対立などが描かれ、「正義」と「組織論理」の狭間で揺れる警察官の姿に焦点を当てています。
あらすじ
警視庁総務部企画課企画係の係長・柴崎令司(田辺誠一)は、逮捕経験のない現場とは無縁の“出世第一主義”エリート警察官。ある日、直属の部下・木戸巡査部長が射撃訓練後に拳銃自殺し、柴崎は責任を問われ、足立署警務課へ左遷されてしまう。
部下を射撃訓練に参加させるよう上司の中田(石黒賢)から電話で指示があったと主張するが、その時間の中田にはアリバイがあり、また指示書は何者かによって消失。冤罪を訴えながらも組織の構造と圧力に翻弄される中、柴崎は本庁復帰を目指して動き出すが、様々な組織的事件や内部の思惑、告発対象との駆け引きなど新たな問題に直面していく。
高橋和也の役どころ
高橋和也は「石岡稔」役で出演。石岡は警視庁施設課設備係係長という設定で、主人公・柴崎令司が責任を問われ追いつめられた際、本庁復帰のための「情報源」として利用される。
石岡は内部事情や裏情報に通じており、時に柴崎の協力者となる一方、柴崎の上司・中田にも情報を流すという二重性を持つポジション。
木戸巡査部長の自殺を巡る事件にも深く関わっており、物語の転換点で重要な役割を果たす。
キャスト
- 柴崎令司:田辺誠一
- 中田政則:石黒賢
- 柴崎雪乃(柴崎の妻):中越典子
- 石岡稔:高橋和也
- その他:加部亜門、陽月華、菅田俊、ともさかりえ、嶋田久作、山本學 ほか
作品の特徴・見どころ
- 「組織の論理」と「個人の正義」の狭間で葛藤する警察官のリアルな心理描写
- 出世欲と責任転嫁、内部密告といった警察組織独特の力学
- 組織に翻弄される管理職警官の“アンチヒーロー”像
- 実際の警察現場や組織描写に基づいた重厚な社会派ドラマ
放送データ
- 放送局:WOWOW
- 放送期間:2016年1月10日〜2月7日(全5話)
- 原作:安東能明「撃てない警官」
- 監督:長崎俊一
- 音楽:大友良英
『連続ドラマW 撃てない警官』は管理職・内部告発・組織論理といった現代警察組織の問題をリアルに描き出し、シリアスな人間ドラマを成立させている作品です。高橋和也が演じる「石岡稔」は、警察内部のパワーゲームや情報戦のキーパーソンとして、物語を大きく動かす存在となっています。