岡本健一が語った“日本で上演する意味”とは。牧山純子が舞台『みんな鳥になって』の衝撃をレポート ― 8/2放送『牧山純子サウンドマリーナ』より

ヴァイオリニストの牧山純子がパーソナリティを務めるラジオ番組「牧山純子サウンドマリーナ」。2025年8月2日の放送では、俳優・岡本健一が出演する舞台『みんな鳥になって』を観劇した際の深い感銘をレポート。観劇後に岡本本人から直接聞いたという、作品に込められた「日本で上演する意味」とは。フランスの作曲家を特集した音楽の時間と共に、この日の放送を振り返る。

芸術の繋がり:金子國義からHYDEへ

番組はリスナーから寄せられた一通の手紙の紹介から始まった。それは、以前番組にゲスト出演した画家・金子國義の息子である金子おさむの出演回を聞いたというリスナーからの感想だった。手紙の主は、1999年から金子國義のもとにおり、おさむとも親交が深いという福田氏。「牧山様の進行が大変お上手で、普段私なんぞに見せぬおさむさん像が垣間見えて声を出して笑わせてもらいました」とその喜びを綴り、番組への感謝を伝えた。

この心温まる手紙を受け、牧山は、番組ディレクターがおさむ氏に放送の録音を送ったところ、彼が大変喜んでいたという後日談を披露。分野は違えど、アートを通じて人と人とが繋がっていく様子が垣間見えた。

このエピソードにちなみ、牧山は金子國義と縁の深い一曲を選んだ。金子國義がジャケットアートを手がけたことでも知られる、アーティストHYDEのソロアルバム『FAITH』(2006年)に収録されている楽曲だ。以前の放送でおさむ氏がリクエストした『SEASON’S CALL』に続き、今回は同アルバムからもう一つのシングル曲がオンエアされた。

ONAIR:HYDE『COUNTDOWN』

牧山純子、舞台『みんな鳥になって』を観劇。岡本健一が語った「上演する意味」

本当に考えさせられる内容」「言葉にするのは難しい作品」と、その衝撃を表現した牧山。舞台が扱う戦争、人種差別、宗教差別といった重いテーマに触れ、私たちがいかに「平和ボケ、幸せボケしているか」を痛感させられたという。

さらに牧山は、観劇後に岡本健一と直接言葉を交わした際の、彼の印象的な言葉を紹介した。

健一さんからいただいたお言葉で、この作品はとてもとても深いです。でもシンプルなことだとも思います、と。戦争被害をなくす、人種差別、宗教差別をなくすにしても、今現在も紛争が続いている時、日本で上演する意味があると思っている、というようなことをいただきました

この岡本の言葉から、作品に真摯に向き合う彼の姿勢と、現代社会にこの物語を届けることへの強い使命感が伝わってくる。牧山も「健一さんも本当その通りだと思います」と深く共感を示した。

この舞台は、東京公演の千穐楽を終え、現在は地方公演の真っ最中だという。岡本が「地方公演もやり尽くしてきます」と力強く語っていたことも明かし、彼のプロフェッショナルな一面を伝えた。このエピソードは、岡本健一という俳優が、単に役を演じるだけでなく、作品が持つメッセージを社会に届ける媒介者としての役割を深く自覚していることを示していた。

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