『Le Fils 息子』(ル・フィス むすこ)は、フランスの劇作家フロリアン・ゼレール作、ラディスラス・ショラー演出の舞台作品。岡本健一と実子の岡本圭人が親子役で舞台初共演した日本初演作である。ゼレールが手がけた「家族三部作」(『Le Père 父』『Le Fils 息子』『La Mère 母』)の一つで、両親の離婚により心理的危機に直面する17歳の少年と、彼を救おうとする父親の葛藤を描く家族ドラマ。2018年にパリのシャンゼリゼ劇場で初演され、モリエール賞にて最優秀新人賞を受賞するなど高い評価を得た。世界13ヵ国以上で上演されている傑作である。日本初演は2021年8月30日から9月12日にかけて東京芸術劇場で開催され、岡本圭人が単独初主演を務め、実父岡本健一が親子初共演を実現した。

フロリアン・ゼレールによる家族三部作の第二部。2018年にパリのシャンゼリゼ劇場で初演された本作は、ラディスラス・ショラーの演出で上演され、フランス最高位の演劇賞であるモリエール賞で最優秀新人賞を受賞した。タイムズ紙、デイリーテレグラフ、ファイナンシャルタイムズなど主要な演劇紙で高く評価され、ロンドンのウエストエンドをはじめ世界各地で上演されている。
日本初演は2021年8月30日から9月12日にかけて東京芸術劇場のプレイハウスで開催された。本作は、2021年4月にHey! Say! JUMPを脱退し俳優専念を決めた岡本圭人にとって、ニューヨークの演劇学校アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツを卒業後の初舞台・初主演作となった。岡本圭人が息子のニコラ役を務め、実父の岡本健一が父親のピエール役で親子役を演じることで、舞台初共演を実現した。この親子共演が話題を呼び、公演は大きな注目を集めた。
初演後、東京の他、北九州芸術劇場、高知市文化プラザかるぽーと、石川県能登演劇堂、新潟県立近代美術館講堂、宮崎県立劇場、松本市芸術館、兵庫県立芸術文化センター等での地方公演が実施された。
あらすじ
17歳の少年ニコラは深刻な心理的危機に直面していた。両親の離婚により家族が離散してしまったことにショックを受け、日々の生活に対する興味を失っていた。学校に通わず嘘をついて生活していたところ、やがて高校を退学になってしまう。
新しい家族と暮らしていた父親ピエールは、元妻で母親のアンヌからニコラの状態が深刻であることを知り、何とか彼を救いたいと考える。ニコラは生活環境を変えることが自分を救う唯一の道だと思い詰め、父親と再婚相手、そして年の離れた異母弟との新しい家での暮らしを始める。
新しい環境の中で、ニコラは父ピエールと向き合うことになる。愛によって息子を救おうとする父と、父への思いを抱きながらも反発する息子。二人の間には深い葛藤が揺れ動く。悩み、迷い、傷つきながら、自分を再発見していく絶望した若者の姿が描かれる。舞台上では現実と幻想、複数の時間軸が混在し、同じ場面が異なる視点から反復されることで、登場人物たちの内面的な混乱と揺れ動く心情が表現される。
登場人物
- ニコラ役:岡本圭人
 - ピエール役:岡本健一
 - アンヌ役:若村麻由美
 - ピエールの再婚相手役:伊勢佳世
 - その他:浜田信也、木山廉彬
 
スタッフ
- 作:フロリアン・ゼレール
 - 翻訳:齋藤敦子
 - 演出:ラディスラス・ショラー
 - 企画制作:東京芸術劇場
 
日程
- 東京公演:2021年8月30日(月) – 2021年9月12日(日)
 - 9月17日 (金)~19日 (日)北九州芸術劇場 中劇場
 - 9月22日 (水)~23日 (木・祝)高知市文化プラザ かるぽーと 大ホール
 - 9月26日 (日)能登演劇堂
 - 9月29日 (水)~30日 (木)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
 - 10月3日 (日)メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
 - 10月9日 (土)~10日 (日) まつもと市民芸術館 主ホール
 - 10月14日 (木)~10月17日 (日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
 
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