岡本健一、舞台と音楽における「自由」を語る。成田昭次との制作秘話も明かされた(2023.11.16 放送)

2023年11月16日にニッポン放送で放送された『KURE オキーフpresents 成田昭次のRockon The Knight』では、パーソナリティの成田昭次に加え、ゲストとしてRockon Social Clubのメンバーでもある岡本健一が出演した。番組では、岡本が出演中の舞台に関するトークや、11月17日にリリースされるRockon Social Clubのセカンドアルバム『Don’t Worry Baby』の制作秘話が明かされた。さらに、舞台と音楽における表現の違いや、リスナーからの質問に答える形で、二人の表現者としての哲学が語られた。

岡本健一、成田昭次の「ほのぼの」した番組進行にツッコミ

番組は、成田の「こんばんは。成田昭次です。木曜日の夜9時になりました。ここから30分のお付き合いをよろしくお願いします」という、落ち着いたトーンの挨拶から始まった。これに対し、岡本はすぐさま「なんでそんなにほのぼのしてんの?」とツッコミを入れ、和やかな雰囲気でトークがスタートした。

二人は久しぶりの再会だと語り、成田が「しばらく会ってなかったですよね」と問いかけると、岡本は男闘呼組の野音ライブ以降、舞台の稽古に集中していたことを明かした。成田は「野音が終わってからは結構もうほら、舞台の稽古に集中してたじゃないですか」と、岡本の近況に触れた。

成田昭次、自身のラジオを毎週チェック「駄目出ししないと」

番組が進行する中で、岡本は成田に対し「昭次ちゃんとさ、ラジオ聴くよね」と質問。成田は「聴いてますよ。毎週聴いてます」と即答し、自身の番組を毎週欠かさずチェックしていることを明かした。その理由について、「やっぱりその振り返り、ちょっと駄目出ししないといけないじゃないですか?自分で」と語り、番組の質を向上させるために客観的な視点で聞き直し、反省点を見つけていると述べた。「ううん、でもやっぱり間とかね、その同じことを何回も繰り返して言ってる所もあったりして、それを自習にちょっと反省点として、同じことを繰り返さないようにっていうふうにはしてます」と、具体的な改善点を意識していることを打ち明けた。

一方、岡本は「聴かないもん、だって俺」と対照的なスタンスを示した。さらに、舞台における自身の姿勢について「でも、本番入っちゃったらもう反省しないもん」と語り、「もうお客さんが、お客さんと過ごしたらもうそれ、取り返しつかないんだもん、だって」と持論を展開。その考えは音楽ライブにも通じるものだとし、「ライブそうじゃない?」と成田に同意を求めた。

セカンドアルバム制作秘話、岡本健一が明かすLINEでのタイトル決定劇

話題は、11月17日にリリースされるRockon Social Clubのセカンドアルバム『Don’t Worry Baby』に移った。岡本は「俺ずっと舞台稽古中、稽古とか本番とかの行き帰りの車の中にセカンドアルバム、ずうっと聴いてんですよ」と、移動中にアルバムを愛聴していることを明かした。

アルバムタイトルの決定過程について、成田が「結構みんなで色々意見出し合って、LINE上で、グループLINE上で」と振り返ると、岡本は「全然さ、みんなで意見出し合ってって昭次言うけど、ほんの何十分かの時間しかないからね」と、メンバー間のLINEグループでのスピーディーなやり取りの実態を暴露した。

この岡本の発言を受け、成田はグループLINEの特性について「だから、分かんないですけど、株と同じで、逃しちゃったら」「逃がしたその瞬間に、やっぱどれだけ入って介入できるかっていうのがあるじゃないですか」と独特の表現で説明。「夜中に、ばあってみんなで繰り広げられてたりとか、朝早朝いきなり繰り広げられたりとかするじゃないですか。で、そこにやっぱ入っていけないと、なかなか付いていけないじゃないですか」と語り、岡本も「だから俺全然付いていかないもん」と笑いながら応じた。

また、アルバムタイトルにもなった楽曲「ドント・ウォーリー」にまつわるエピソードも披露された。この曲は、男闘呼組時代にメンバーの高橋和也が、皆で訪れたパラオでボートに乗っている時にひらめいたものだという。成田は「元々和也が10代の時にパラオで、みんなでパラオに行った時に、みんなでボートに乗ってる時にひらめいた曲なんですよね」と懐かしそうに語った。この楽曲は、アルバムの初回生産限定盤にボーナストラックとして収録される。

男闘呼組、パラオにて(1988年)

ONAIR:Rockon Social Club『Go to hell』

「決まってるからこそ自由になれる」岡本健一が語る舞台表現の神髄

番組では、リスナーから寄せられた「舞台の上で自由を感じられると以前お話しされていましたが、セリフも動きも決まっているのになぜ自由を感じられるのか」という質問が紹介された。

これに対し岡本は、「決まってるからこそ自由になれるんですね」と回答。セリフや動きといった制約があるからこそ、表現の幅が生まれると説明した。例えば「好きだ」という一つのセリフをとっても、「淡々と好きだってなってもいいし、ものすごい命がけで好きだってっていう時も、その感情が自由にできるっていう、なんか自由さ」があると語り、感情の込め方によって無限の表現が可能になると述べた。

さらに、舞台上でセリフを忘れてしまうといったハプニングについても言及。「そういう時がね、一番面白い」「予想もしないことが起こるから」と、アクシデントすらも楽しんでいる様子を見せた。これには成田も、男闘呼組時代に出演した舞台『スラブ・ボーイズ』でセリフを忘れた経験があると振り返った。

成田昭次、ライブでのギターソロは「全部アドリブ」

岡本の表現論に触発され、成田は自身の音楽表現、特にライブでのギターソロについて語った。「あれはもう考えたらできないんですよ」と述べ、男闘呼組の再始動後やRockon Social Clubのライブで披露するギターソロが「ほとんど全部アドリブ」であることを告白した。「レコーディング通りは絶対できないし、やりたくないし」と、ライブならではの即興性を重視している姿勢を明かした。

岡本が「でもさ、CD聴いてさ、この時のギターフレーズが聴きたいっていう人はどうするの?」と尋ねると、成田は「ちゃんとその、みんなが聴きたい決めのとこってあるじゃないですか、ソロでも」「そこはなんかね、やっぱ到達してる時が多いですよ」と答え、楽曲の核となる部分は大切にしつつ、その場の感情を乗せて演奏していることを示唆した。これに対し岡本は「分かった。もうCDと同じふうには演奏しないでください」と冗談を交えて返し、二人のギタリストとしての信頼関係を覗かせた。

番組終盤、岡本が成田の話し声について「このキーでしゃべってるからね、昭次」と、声のキーが高いことを指摘。「岡本健一です(高音)」と成田の口調を真似てみせると、スタジオは笑いに包まれた。成田自身は自覚がなかったようで、驚いた様子を見せた。

これに対し、成田も番組終了間際に「早いですよ(低音)」と岡本の低音ボイスを真似て反撃。岡本が「俺の声そんな…」と笑い崩れる場面もあり、二人が互いの声の特徴を真似し合う、仲の良さがうかがえるやり取りが繰り広げられた。

そこからメンバーの声質に関する話題に発展。前田耕陽は歌声と話し声のギャップが大きいこと、高橋和也の声は「ミッドレンジなんですよね。ちょうど一番いい帯域」「ラジオ向き」であることなど、それぞれのメンバーの特徴について語り合った。

アルバム『Don’t Worry Baby』収録曲と今後のライブへの展望

再びアルバム『Don’t Worry Baby』の話題に戻り、岡本は好きな収録曲として「ゲームチェンジャー」と「足長くないおじさん」を挙げた。「足長くないおじさん」については、ライブでバンジョーやマンドリンといった楽器を取り入れることにも意欲を見せた。

成田は、ツアーの合間を縫って制作されたアルバムであることに触れ、岡本も「やっぱプレイしないと分かんないですよね」と同調。12月から始まるツアーで楽曲を演奏することで、アルバムが本当の意味で完成するという展望を語り合った。

今後の活動告知

番組の最後には、今後の活動が告知された。まず、Rockon Social Clubのツアー『KURE 5-56 Present Rockon Social Club TOUR 2023 Don’t Worry Baby』が12月に東京、福岡、宮城、大阪の4都市で開催されることが発表された。

続いて、岡本自身のバンド「ADDICT OF THE TRIP MINDS」が11月26日に渋谷eggmanでライブを行うことを告知。成田は「聖地ですよね、eggmanは」と語り、eggmanが男闘呼組のデビュー記者会見の会場だったという思い出を明かした。

さらに、成田のバンド「NARITA THOMAS SIMPSON」のワンマンライブが11月25日にLINE CUBE SHIBUYAで開催されることも発表された。旧名の「成田商事」から改名した経緯について、岡本が「買収されるっていうのは、そういうことだ」と冗談めかす一幕もあった。

来週の放送でも引き続き岡本健一をゲストに迎え、セカンドアルバムについてさらに深く掘り下げていくことが告げられ、番組は幕を閉じた。

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