2023年6月17日のTOKYO FM『KURE 5-56 Presents ROCKON TIMES』は、成田昭次・高橋和也・岡本健一の3人。上半期を振り返ると、正月明けの『1988』の録音から、全国のライブと番組の開始まで、半年に収まりきらない話が続いた。1日9曲のギターに戸惑う岡本へ、成田が求めたのは本人の音と息吹。高橋は、新しいバンドが生まれたことで先の希望が見えたと語った。初フェスへの期待、前田耕陽からのメッセージ、3人でのスタジオライブの希望を挟み、最後は成田の「おやすみなさい」を聴きたいという便りに応えた。

「50代の新人バンドですから」初フェスへ腰は低く
近況を尋ねる成田の声に、岡本は「昭次、テンション高いね?」。成田には理由があった。いい声の高橋がいるので、皆が同じトーンでは誰か分からなくなるという。高橋は男闘呼組の全国ツアー『2023 THE LAST LIVE』に触れ、神奈川県民ホール、市川市文化会館の公演を経たところだと話した。

最初の便りは、Rockon Social Club初のフェス出演を祝うもの。北海道でも会場を熱く盛り上げてほしいというメッセージに、3人で礼を言った。『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2023 in EZO』は、一緒に出る顔ぶれも楽しみだという。岡本にも、見たい人ばかり。早めに行けばよいのかと考えると、高橋は自分たちにもリハーサルがあるのでは、と応じた。

成田は「俺たち新人だからね」。一番早い時間か、朝3時からのリハーサルか、と想像が進む。「50代の新人バンドですから」と高橋が言うと、岡本は、けんかをしないようにと念を押した。
健一ほんとに?『なんだおめえら』とか言わない?



言わないですよ



言わない!



一番、米つきバッタですよ
腰を低くして挨拶する新人、という冗談に3人で笑う。フェスは8月11・12日に開かれ、Rockon Social Clubは12日土曜日に出演する。3人が初フェスを盛り上げる曲として選んだのは、『Rolling Thunder Baby』だった。
成田には、もうバンドの代名詞になっている曲という実感がある。岡本も初めて聴く人が盛り上がれるのではないかと考え、成田はリフだけでもいけるのでは、と話した。高橋も大好きな曲だと応じて、オンエアへ。
※リフは、曲の中で繰り返す短い音の並び。成田が出したギターのリフからこの曲を広げた経緯は、6月3日の岡本・寺岡の回でも話している。
ONAIR:Rockon Social Club『Rolling Thunder Baby』
正月の挨拶をしないうちに、半年が過ぎた
曲明けの名乗りでは、岡本が成田の口調をまねた。「俺の真似、俺の真似」と成田。今夜のテーマは、少し早めの2023年上半期トップニュースだった。岡本には、年末からあまりに早かったという感覚がある。正月の挨拶を誰にもしていないような気分のまま、半年が過ぎてしまったという。
高橋は、前年末にも『男闘呼組 1988』の追加公演が名古屋、大阪であったと振り返る。成田が挙げた締めくくりは、東京ガーデンシアターでの2日間。さらに『日本レコード大賞』の特別賞を受け、年明けすぐ、アルバム『1988』の録音へ入った。


成田は年末からデモを作り、メンバーにそれとなく聴かせていた。「サブリミナル効果で」と冗談めかしたのは、何気なく耳に入れておき、聴く側に、これは何だろうと思ってもらうような始まりのこと。正月明けの録音は、一人につき歌の日と楽器の日の2日間。高橋によれば、1日9曲だった。
その年に録った音が3月には店頭に並び、放送でも流れ、アナログ盤までできる。成田は「すごい展開ですよね」と、速さを振り返った。
高橋の歌が入ったら、モノクロがカラーになった
岡本が先に聴いたのは、成田の歌が入った音だった。その後、高橋の歌入れが終わったと聞いて再び聴くと、別世界になっていたという。成田も、その変わり方を「モノクロがカラーに」と言う。いきなり5Gになった、いや4Kか、と、知らない言葉をうかつに使うと間違えるかもしれないと自分で付け加えた。
高橋にとっても、強く気合の入る録音だった。



メンバーが揃ってレコーディングをするのは93年の『ロクデナシ』以来だったので、その興奮度ってすごい。めちゃくちゃ気合がはいってた
『ロクデナシ』から長い時間を経て、またメンバーの歌と演奏を録る。その全てに立ち会った成田は、高橋と岡本を後ろから見ていて面白かったと話す。寺岡呼人がビデオを回した風景は、特典映像のダイジェストにもなったという。成田が見つけたのは、「10代のころから癖がかわってない」というところだった。
※『1988』のCD発売時の店舗別特典には、URLやQRコードからスペシャルムービーを見られるステッカーがあり、映像は全6種類と案内されていた。


「昭次弾いてよ」でも、録りたいのは岡本の音
岡本は、ギターを1日9曲と聞いた時には焦ったという。「できるわけないって思ったもんね。やっちゃったけど」。『1988』では、その場で試しながら、どんなリフやフレーズにするか考えた。
成田に弾けるのなら、そのまま弾いてほしい。岡本がそう頼んでも、成田には、代わりにはできない理由があった。



それじゃ意味ないじゃん。健一の音を録りたいんだからさ。健一の息吹を、魂を吹き込みたいわけだから
岡本も即興でフレーズを考え、こういう感じでよいのでは、と弾く。それを成田が「それいただき!」と受け取る。曲を形にする過程を、成田は楽しんで見ていた。


成田には、初期の男闘呼組のような録音を、今の50代になった自分たちでやっている感覚があった。大人になった分、けんかも争いもなく、皆が真摯に音楽へ向き合う、面白い録音だったという。
5月13日の成田・岡本の回でも、寺岡と好きな洋楽の話をしながら成田がリフを弾く作り方を話している。今回は、曲の出発点に続いて、岡本がその場で考えたフレーズを録る時の思いを聞いた。


立って録る高橋と、ライブで手が届かなかった二人
高橋について成田が感心したのは、ずっと立ってベースを録ったこと。録音では座ることもあるが、高橋はライブと同じ姿勢だった。本人は、最近は座るとベースにも歌にも力が入らないという。成田は、結局ライブで演奏するのだから正しい、と受け止めた。
一方、座って録った成田と岡本は、ライブで立って同じフレーズを弾こうとすると、録音の時のようには手が届かず、再現に苦労したという。



俺と昭次、座ってやったから、ライブで弾けないじゃんって



再現できないじゃん、これって。手が届かないじゃん!
そういう曲もある、と岡本。成田は、試練を何とか乗り越え、今はライブで再現していると話した。


高橋が助かっているのは、プロデューサーがいて、自分たちは演奏する側に徹せること。岡本も、自由にやりすぎた時には寺岡が締めてくれると説明した。冷静に「もう一回お願いします」と声が掛かる。その役割があることで、気持ちの面でも演奏に集中できるという。
「ここから先の希望ができた」終わる前に始まったバンド
アルバム『1988』を作ったことで、全てが動き出した、と高橋は感じていた。3月には『Rockon Social Club Secret Party』で全国5か所のZeppを回った。


岡本は、本来なら男闘呼組を終わらせる活動で、その年を締めくくるはずだったと話す。ところが、新しいバンドはもう始まっている。成田も、終わりがあれば始まりがあるとはいえ、まだ終わっていないうちに次が始まる面白さを感じていた。



僕はやっぱり男闘呼組が幕を閉じるのと同時に、ロックオンが誕生したことでここから先の希望ができた、未来がみえた。そこが自分としてはすごくうれしかった
6月3日には、岡本が寺岡へ、新しい道しるべを作ってくれたと感謝している。今回は高橋からも、男闘呼組の先に続く音楽ができた喜びが語られた。
前田からのニュース、満席の単独ライブと60キロ台
この場にいない前田耕陽からも、上半期のニュースが届いた。岡本がメッセージを読み、成田は「ラスボスの耕陽先生から」と迎えた。仕事で印象に残ったのは、東京ガーデンシアターの単独ライブだった。



突然のレコーディングから東京ガーデンシアターでの単独ライブ。なんだか時間の流れが速すぎて、なにをやっているのかもわからないまま時がすぎていった感じがありました。にもかかわらず満席のお客様の前でライブができたことがかなり印象的なことですかね
私生活では、体重が15年ぶりに60キロ台へ。ライブで体を動かし、健康的に減量できているのかもしれないというメッセージだった。高橋も、汗をたくさんかき、代謝がよくなって調子がよいと話す。
成田がトレーナーから聞いたのは、一度のステージが、プロ野球で一回から九回までフル出場する試合二つ分ほど、という説明。岡本は、どこの守備位置なのかと尋ねた。成田にはそこまでは分からないが、MCはベンチに座る時間だとたとえた。
高橋は、初めはいろいろな所が痛かったものの、体が慣れていくという。岡本には、それまで痛まなかった新しい場所が痛くなることもある。今のところは続けられている、と言い合う3人。成田には、横から見るメンバーが始めたころより若返って見えていた。岡本は成田こそ一番だと返し、高橋も、顔が生き生きしてくると話した。
今の演奏が、若いころの曲に追いついた
再始動を発表した2022年7月16日の『音楽の日』からの姿を思い返すと、今はいい意味で別人だという成田。岡本は、あの演奏の時のように高橋ももうベースの弦を二本切らないと話し、高橋も、あんなに無駄な力は入れないと答えた。太い弦を二回切るほどの気合があったから今がある、と岡本は振り返った。


話題は、6月8日に出演したNHK『SONGS』へ。高橋は久しぶりのテレビ出演に、臨場感が伝わるという評判があったと話し、成田は「NHK30年ぶりで」と振り返って、カメラワークも褒めた。昔の映像に出た16、17歳くらいの自分たちは「生意気でかわいいね」と岡本。とりわけ前田のかわいさには驚いたという。


そのころの曲を今も公演で演奏している。成田が挙げたのは『STAND OUT!!』で、岡本は、衰えず、むしろ今の方がよいと話した。



やっと今演奏があの曲に追いついた。当時はませてたんでしょうね。背伸びして。曲が大人びてる分だけさ
35年くらい先を行っていたのか、と岡本。そこまで先は見られなかった、と成田が返した。
会話を聞き逃さない寺岡の歌詞と、また集まるラジオ
上半期の大きな出来事は、今こうして3人で担当している『ROCKON TIMES』の開始でもあった。成田は、メンバーが集まってラジオをするのは『WILD NIGHT』や『男闘呼DE NIGHT』以来だと話した。岡本はスポンサーが付くことに触れ、呉工業の商品と新商品を挙げた。成田は、地球のさびを落とす勢いだと話す。
※昔の番組の正式名は『WILD KNIGHTS 男闘呼組』。文化放送で1987年10月から1990年3月まで放送された。今回の「WILD NIGHT」は、その番組を振り返った呼び方。
3人で曲を選ぶ時、岡本は、寺岡呼人の歌詞がどれも自分たちにぴったりだという不思議さを話した。高橋も、歌っていて無理がないという。成田には、その理由が分かる。



それは呼人さんが俺たちに寄り添ってくれているし、俺たちの会話をアンテナ張って聞き逃さないでいてくれるから無理がない。そこがプロデューサーなんですよ
選んだのは『ヨッテタカッテ』。岡本から曲紹介を促され、成田が紹介した。
ONAIR:Rockon Social Club『ヨッテタカッテ』
5-56くんを連れて買い物、スタジオライブもやりたい
番組のプレゼントは、5-56くんのミニぬいぐるみとステッカーをセットにして20人へ。成田が、5・5・6でこころとも読めると話し、高橋はかわいいと応じた。岡本によれば、成田は今も自分のかばんに付けているという。成田も、買い物の時にいつも連れ歩いていると話した。住所と氏名を書き、番組のホームページから応募するよう、高橋が案内した。


『遥か未来の君へ』が流れる中、高橋はツイッターの反応を読む。3人では絶対に時間が足りない、1時間半スペシャルはどうか、30分が一瞬で終わりそう、といった投稿だった。成田は、年に二回ほど、区切りで長い特番ができればと考えた。
ONAIR:Rockon Social Club『遥か未来の君へ』
岡本には「スタジオライブ」をやりたいという希望もあった。前週に弾き語りのリクエストが来ていた、と高橋。成田が「昔のアコギーズみたいな」と応じ、高橋もスタジオライブを懐かしがる。この日は楽器を持っていなかったので、来週以降にやろうと話した。翌週も同じ3人で担当する。
「おやすみなさい」が聴けたら、安眠できそう
最後の便りは、メンバーの「おやすみなさい」が聴けたら嬉しいというもの。特に成田のファンなので、その声で安眠できそうだという希望だった。成田は、番組が終わるのは夜9時半くらいでは、と考える。岡本は録音しておくのではないかと返した。
眠る時間について高橋は、その時刻にはもう寝ているという。成田も、名古屋にいたころは朝4時起きだったので、そのくらいには寝ていたと話した。高橋が成田にリクエストだと伝えるが、本人は次週の案内へ進んでしまう。岡本が、おやすみが聴きたいのだと促した。



いいんですか……おやすみなさい



なんでハスキーで低いんだよ?
成田は、子どもを寝かしつけるように優しく言うつもりだった。録れた、と岡本が確認し、最後は3人で名乗って「おやすみなさーい」。











