元男闘呼組・成田昭次インタビュー【後編】「最終的には自分に恥じてない自分でいたい」(週プレNEWS)

週プレNEWSは2026年2月21日、成田昭次の自叙伝『人生はとんとん―成田昭次自叙伝―』の刊行後のインタビュー後編を公開しました。音楽活動と並行したとんかつ店の修業、さまざまな職業から得たこと、男闘呼組の再始動に挑んだ思い、紅白歌合戦で受けた刺激と、自分に恥じない生き方を語っています。

とんかつ店の修業と、つながる経験

成田昭次は、りんごの皮も剥けないところから料理を始めた。料理長から、とんかつは経験を積んだ料理人にも難しいと教えられ、油の温度、肉の掃除と切り分け、衣のつけ方を学んだ。特に衣をつける工程に苦労したという。客に出す料理を音楽のためのつなぎとは考えられず、音楽も疎かにできないため、どちらも妥協しないと誓った。それでも、閉店後に一人で翌日の仕込みを終えると深夜になり、名古屋で会社員を続けるべきだったかと思う夜もあった。店の酒を飲み、前田耕陽に電話して上京の意味をこぼすこともあり、前田は真夜中でも長話に付き合ってくれた。

大工、材木屋、工場などでの経験は、今の生活にもつながっている。材木屋で働いたことで、ギターに使うスプルース、マホガニー、ローズウッドの特徴が分かり、楽器の見え方や楽しみ方が変わった。料理を学んだことで、スーパーや冷蔵庫の食材から献立を思いつけるようにもなった。「すべての経験がムダではなく、そのひとつひとつが生活に彩りを与えてくれています」と、今いる場所と、今すべきことに向き合う大切さを語る。

再始動への挑戦と、やらなかったことへの後悔

名古屋へ戻った時は、戒めとして、もうギターを弾いて音楽をしないと誓った。それでも57歳になって弾き続けていることから、一度好きになったものからは離れられないと感じている。人生の転換期は突然来ることもあり、逃げても解決せず、どこかでけじめをつける時が来るという。成田にとっては、男闘呼組の再始動がその機会だった。

名古屋で働き続ける選択もあり、人生の正解は分からず、幸せは本人の心が決める。再始動は無謀にも思える挑戦だったが、失敗しても自分が取り組んだ思いは残せると考える。成功したから語る結果論ではなく、できる限りのことをするべきで、「人生、やったことよりも、やらなかったことに後悔すると思うんで」と語った。

紅白で受けた刺激と、自分に恥じない生き方

歌、ギター、ライブや、一つの職を極める挑戦には終わりがない。順位や数字だけを基準にせず、自分にしかないものを追求したいという。前年の紅白歌合戦では、若い出演者の独自性から刺激を受けた。岡本健一がちゃんみなのダンサーと知り合いで、楽屋が近かったため本番前に会い、ちゃんみなは快く写真撮影に応じてくれた。堺正章、布施明ら先輩の人間性にも感銘を受けた。日本レコード大賞も含めて得た経験をどう届けるかを、次の挑戦と考えている。

刺激に気づけるよう、いつも心を開いておきたい。最後に目指すのは、自分で決めたルールを調子の良し悪しで崩さず、自分に恥じない自分でいることだ。迷った時は自叙伝を読み返し、初心に戻って挑戦を続け、その先の物語を紡いでいくと語った。

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