2025年8月10日放送のZIP-FM「SHACHIHOKO PARADISE」にて、成田昭次が自身の気になったもの・影響を受けたものを紹介するコーナー「CULTURE PARADISE」で、1988年公開の映画『ロックよ、静かに流れよ』について詳しく語った。

番組では、成田昭次が同映画のストーリーから撮影当時のエピソード、現在に至るまでの影響について幅広く言及。男闘呼組デビュー直前の撮影であったことや、映画の登場人物と実際のメンバー関係の重なりについても触れた。
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今月は…
1988年に公開された映画「ロックよ、静かに流れよ」を紹介しました!
お届けした1曲は、映画の主題歌にもなっている…
ロックよ静かに流れよ ~Crossin’ Heart~ / 男闘呼組
#シャチダイス #zipfm
映画のストーリーを詳細に紹介
成田昭次は「今回は映画、『ロックよ、静かに流れよ』。1988年公開を紹介します」と切り出し、「88年か、何年前、もう30、40年前ぐらいですかね」とコメント。アンジェリカも「私も間違えなく小学生でした。覚えてますでもポスターも」と応じた。
映画のストーリーについて、成田昭次は以下のように説明した。
両親の離婚がきっかけで、母と妹とともに東京から長野県の松本市へ引っ越してきた俊介。転校早々、ミネさ、トンダから喧嘩を売られるが、そんな関係もいつしか友情に変わっていった。ある日、仲間のトモが他校の生徒に絡まれていたところ、俊介、ミネさ、トンダの3人が助けたこと。4人が『CRIME』というバンドのファンということで4人の友情が深まっていく
4人は『Midnight Angel』というバンドを組み練習に励むが、デビューを目前にしてミネさがオートバイ事故で帰らぬ人になってしまう。俊介、トンダ、トモは3人でバンドを続けるか悩むが、新聞社のホールを借りミネさの家の前で、魂のロックを歌う追悼コンサートを開催する。その後3人はミネさの思い出を胸に『Midnight Angel』でサクセスしていく。
と物語の全貌を紹介した。

『ロックよ、静かに流れよ』は1988年に公開された青春映画で、のちに男闘呼組として活動することになる4人が主演を務めた。片岡俊介役を岡本健一、大峰武(ミネさ)役を成田昭次、戸田努(トンダ)役を高橋一也(現:高橋和也)、友成拓也(トモ)役を前田耕陽が演じている。長野県松本市を舞台にした実話を原作とし、第10回ヨコハマ映画祭の作品賞、監督賞、新人賞を総なめにした作品でもある。
2ヶ月の合宿撮影「ライフスタイルに近い」
撮影について成田昭次は「男闘呼組でデビュー、これ直前だったんですかね。デビューが8月で、多分その前の年の冬ぐらいから撮影してた」と時期を振り返った。
撮影期間について「トータル2ヶ月弱ぐらい」「長野県その現地の松本市へもう合宿、ほぼ合宿でした」と説明。
撮影当時の状況について、成田昭次は特に印象的なコメントを残している。
「撮影してるっていう感じじゃなかったんですよ。もうライフスタイルに近い」
アンジェリカが「もうなんか現実を演じてるっていう言い方おかしいんですけど」と応じると、成田昭次は「だから、なんかね、本当にどのシーンもすごく、なんか印象残ってるし。だから本当なんかもう人生の一部みたいに感じてるんじゃないですかね」と語った。
この感覚は、男闘呼組復活時の2023年のインタビューでも語られており、成田昭次は「撮影の時の、俳優としての思い出だけじゃなくて、4人がその場所で生きて、悩んで、もがいて、闘った思い出が、自分の中に熱として残っている。映画じゃなくて、自分たちのギラギラした青春の1ページのような感覚がある」と表現している。

映画と現実の重なり「もうだからリアル」
映画の設定と実際の体験の類似点について詳しく説明した。
「本当同じようにバンドを目指して、楽器を手にして、憧れの…これ多分その原作は本、小説なんですけど、その中に出てくる映画の中ではこの『CRIME』っていうバンドなんですけど、実際は多分『ザ・モッズ』っていうバンド。そのバンドを憧れに抱いてたこの4人の友情の話なんですけど」
映画中のバンド「CRIME」のモデルが実在のバンド「ザ・モッズ」であることを明かした上で、「そのバンドを憧れてに抱いてたこの4人の友情の話なんですけど」と説明した。
特に印象的だったのは、映画の主人公俊介(岡本健一)の設定と自身の体験を重ね合わせた発言である。
「東京から引っ越してきた俊介っていう子が、長野県の松本に急に都会から引っ越してきて、本当は東京にいたかったんだけど、なんでこう引っ越さなきゃいけないんだっていう思いでね。でも松本っていうところで、もう思いがけない、まさかこんなに一緒にバンドをやるなんて想像もできなかったっていう」
続けて自身の体験について「だから僕も実際名古屋から出てきて、東京行って、和也と健一と耕陽に会って。もう本当にリアルなんですよね」と映画と現実の重なりを強調した。
この映画が男闘呼組結成に与えた影響については、岡本健一も2019年の映画30周年記念上映会で「男闘呼組っていうのは、この映画をやったことによって男闘呼組ができたというか。長崎監督とやって、『ああ、こうやって生きていいんだ』っていうのを解放されて『ああ、俺らはずっとこの路線でいこう』と、この映画で決まりましたね」と語っており、映画がバンドのアイデンティティ形成に決定的な役割を果たしたことが窺える。

印象的なシーンとキャラクターについて語る
具体的なシーンについて、成田昭次は「バッティングセンターで初めて俊介(岡本健一)とミネさ(成田昭次)が仲良くなるシーンとかも好きだし」と言及した。
自身が演じたミネさというキャラクターについては、特徴的なエピソードを紹介した。
「僕がミネさっていう役をやってたんですけど、ミネさはハムスターを飼ってて、ずっとハムスターを学生服のポケット入れてるんですよ」
アンジェリカが「連れてるんですか」「可愛いキャラクター」とコメントすると、成田昭次は「なんかそういうこと、あったなと思うし。面白かったですね」と振り返った。
撮影中のハムスターとの関係について、アンジェリカが「そのハムスターっていうのは、撮影中そういうキャラクターだからポケット連れてるというだけで、撮影が終わってしまったらそのハムスターは、やっぱこうペットのタレント会社みたいなところから」と質問すると、成田昭次は「でも僕結構ね、一緒にいましたよ」と回答。
「ハムスターはね、小学生の頃から飼ってたから、愛着がやっぱ好きだったし」と、実際に愛着を持って接していたことを明かした。
共通の思い出として映画を位置づけ
映画に対する現在の思いについて、成田昭次は以下のように語った。
「映画で撮影してたなっていうだけで終わらないっていうぐらい未だにみんな、メンバーこの映画好きだし、ずっと昔から応援してくださってる男闘呼組のファンの皆さんも、やっぱこの映画に思い入れがあるって方が結構多くて」
この映画への思い入れは、男闘呼組復活のきっかけとしても重要な役割を果たしている。2019年5月に開催された映画30周年記念上映会では、岡本健一が壇上で成田昭次からのメッセージ「僕にとってもこの映画は誇りです」を代読し、会場を沸かせた。高橋和也は後のインタビューで「それが公的に昭次が発した久しぶりのメッセージだった。引退して人前に出なくなってからもファンのみんなは、『昭次くんの歌が聴きたい』『もう1度ステージに立ってほしい』って思ってて、僕らもその声は知ってたし、応えてあげたかったけど、10年ぐらい連絡が取れなくて…。それが上映会の1年ちょっと前から、細くだけどつながるようになったことで、改めて昭次からのコメントを発表できたんだよね」と振り返っており、映画が復活への重要な足がかりとなったことが分かる。
番組中にはリスナーからのメッセージも紹介された。ジュエルさんからは「映画 ロックよ、静かに流れよ えー!嬉しいー!これこそ、絶叫だよ!」という反応があり、成田昭次は「絶叫ですか」と笑いながら応じた。
また、ともさんからは「去年のロックオン松本LIVEの時に聖地巡りしたよー!今もまだ残ってる場所、感動でした」というメッセージが寄せられた。
撮影地への現在の思いを語る
聖地巡りの話題について、成田昭次は具体的なエピソードを紹介した。
「確かに2年前に、男闘呼組のツアーで…ロックオンだったかな(※)。その、実際映画で撮影した楽器屋さんがあるんですよ。で、そこでバイトでお金をためてみんなで楽器を買いに行くシーンってのがあったんですけど、まだその楽器屋さんがあったんですよ」
(※)1年前の2024.08.04 Rockon Social Club Reloaded Tour 2024 @ まつもと公演で再訪

アンジェリカが「嬉しいですね、そういうのもまだ」とコメントすると、成田昭次は「みんなで行ったんですよ」と、メンバー全員で実際に訪れたことを明かした。

この体験を踏まえ、成田昭次は映画への現在の思いを次のように表現した。
「それぐらいずっと生涯、やっぱ心の中にずっとい続ける作品だと思ってます」
現在の視点から映画を見返すことについて、アンジェリカが「今だからこそ見るとまた、なんか前もこれちょこちょこ映画の話ってすると思うけど、こう目線がちょっと変わってくるじゃないですか、年を取ると」とコメントすると、成田昭次は「そうですよね」と同意し、「でも本当に今見ても自分たちのことね、自分で言うのもなんなんですけど、改めて」と語った。
実際に岡本健一も2019年の上映会で「今回、自分も30年ぶりくらいにスクリーンで観たんですけど。いい映画ですよ。久しぶりに映画を観て泣いてしまいましたね」と語っており、年月を経ても色褪せない作品への愛着が感じられる。
番組終了時に映画への愛着を再確認
コーナーの終了時、成田昭次は「ちょっとね、もっと語りたかったんですけど、時間来ちゃったんで」と名残惜しそうにコメント。最後に「じゃあせっかくなので曲を、映画の主題歌をお届けします」として、映画の主題歌を紹介した。
ONAIR:男闘呼組『ロックよ静かに流れよ ~Crossin’ Heart~』
