男闘呼組、こんな夢も見られるのだから(1) 29年ぶりの再始動(日経クロストレンド)

日経クロストレンドの「男闘呼組、こんな夢も見られるのだから(1) 29年ぶりの再始動」は、菊地陽子さんによる4人へのインタビューです。『日経エンタテインメント!』2023年3月号の記事を再構成し、再始動ライブの感覚と、成田昭次さんとの交流が戻る過程を紹介しています。

男闘呼組は1988年に「DAYBREAK」でデビューし、1993年に活動を休止しました。2022年夏に『音楽の日2022』で再始動し、2023年8月までの期間限定で活動することになりました。東京ガーデンシアターでの復活ライブは即完売し、往年のファンだけでなく、若い世代や音楽家からも反響があったと記事は伝えています。4人は、2022年10月に再び同じステージに立った時の感覚を振り返りました。

高橋和也さんが東京ガーデンシアターへ初めて行ったのは、2021年のMISIAさんのライブでした。再始動公演の下見も兼ねていましたが、1日2公演を2日間行い、合計2万4000人を迎えると聞き、大きさに不安を感じたといいます。前田耕陽さんも、客席が埋まる姿を想像できませんでした。岡本健一さんを中心に進めた再始動では、最初に演奏を聴いたプロモーターとプロデューサーが、4人の演奏、人物像、楽曲に、観客を熱狂させられる力を見いだしたことが大きかったと高橋さんは捉えています。

成田さんは、普段はステージに立つ前に震えるほど緊張しても、男闘呼組ではリハーサルから楽しく、4人でいることの力を感じたと語っています。岡本さんが舞台袖で叫び、皆で肩を抱き合い、気合を入れて登場しました。高橋さんの高いテンションと、頼れる上司のように落ち着いた前田さんの存在が心強く、客席の笑顔に、29年前へ戻ったように感じたといいます。高橋さんには、現実とは思えない夢の中の感覚がありました。

歓声を出せずマスクを着けた観客も、目の輝きと拍手で強い思いを伝えていました。岡本さんは、大きな会場の隅々まで楽しめているか心配したと話しています。前田さんは、最後列まで同じエネルギーを届け、誰もつまらないと思わないライブにしたかったと語りました。岡本さんも、後ろの観客へ気持ちを飛ばそうとすると普段以上の力が出て、奥で楽しそうに跳ねる姿に感動したといいます。記事は、続く2023年4月からの全国18会場のツアーも紹介しています。

再始動へのきっかけとして、記事は2019年5月の映画『ロックよ、静かに流れよ』公開30周年の上映会を挙げています。それ以前、成田さんの連絡先が分からなくなっていた高橋さんは、昔世話になった人からメールアドレスを聞き、暮らしを問い詰めず、元気かどうかだけを尋ねました。1週間後に返信が届くと、岡本さんと前田さんへ知らせ、成田さんの了承を得て岡本さんにもアドレスを伝えました。成田さんは、古いアドレスの通知がなく気付かなかっただけで、メールはとてもうれしかったと語っています。

上映会では、岡本さんと長崎俊一監督がトークショーをしました。岡本さんは、30年ぶりに映画を見て何度も泣き、登壇後の大きな歓声から、当時の感覚を思い出したといいます。不良少年を演じた映画は、不器用な自分たちの生き方を肯定し、ありのままを出せるきっかけでした。成田さんにも、撮影は単なる出演経験ではなく、4人がその場所で生き、悩み、もがいた青春の記憶として残っています。映画の解説は、長野県松本市を舞台にした吉岡紗千子さん原作の実話と、4人の友情、バンドとライブへの夢を紹介し、映画から生まれた楽曲が再結成ライブでも演奏されたとしています。

岡本さんは上映会で、成田さんからの「僕にとってもこの映画は誇りです」という言葉を伝えました。高橋さんは、これが引退後の成田さんから公に出た久しぶりのメッセージだったと説明しています。岡本さんが後で送ったメールから、成田さんは劇場の熱量を感じ取ったといいます。当時、成田さんは朝4時に起き、夕方5時まで働いており、電話に出る時間が合いませんでした。高橋さんは、急に会おうと誘って距離が開くことを恐れ、慎重にやり取りしたと振り返ります。成田さんは会うのが嫌だったのではなく、長く離れたことと、自分の過去を含めて迷惑をかけたくない思いから、すぐ会う勇気がなかったと語っています。

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