Real Soundは2024年9月5日、Rockon Social Clubの成田昭次さん、岡本健一さん、寺岡呼人さんへのインタビューを公開しました。ミニアルバム『SUMMER OF LOVE』の制作、全国ツアーで感じる6人の関係、7月13日のTBS系『音楽の日』で参加したhopeバンドについて語っています。
ツアーで感じる6人の関係
『SUMMER OF LOVE』は9月6日発売の6曲入りミニアルバム。宮本英夫は導入で、男闘呼組の4人に寺岡呼人と青山英樹が加わり、約1年半でシングル11曲とフルアルバム2枚を発表した活動の速さを紹介している。先行曲では、「ポイントちょーだい」の歌謡曲とファンクロックを合わせた社会風刺と、「Summer of Love」の1980年代洋楽ポップスを思わせるラブソングという違いに注目し、成田の作詞作曲や高橋の作詞も含む多彩さを評価した。取材は全30公演の『KURE 5-56 Presents Rockon Social Club Reloaded Tour 2024』の途中に行われた。岡本健一は、Reloadedという題に再構築の意味を感じ、過去とこれからが交わる時期と捉えている。年齢や性別の幅が広がった客席も、前年との違いだった。寺岡によれば、新作の曲は日替わりで少しずつ披露する構想だったが、結果的に全曲を演奏していた。

寺岡は、ツアーを重ねて6人の音の迫力が増したと感じている。取材日に見た映画『ロックよ、静かに流れよ』を通じ、男闘呼組の4人の友情が当時と変わらないことにも触れた。成田昭次は、前年に訪ねられなかった地元・名古屋で3日間演奏でき、成長を感じてもらえたのではないかと話す。6人で生まれる勢いに体力面で付いていくことを意識しつつ、客の反応から予想外の自分や仲間の姿が現れるのがライブの面白さだという。横並びのステージで高橋和也や岡本の歌う横顔、後方の前田耕陽の動きを見ると、35年前を思い出す癖もあり、この6人ならではの動きになると感じていた。

岡本と成田は、自由に動く4人を寺岡が全体を見ながらまとめてくれると捉えている。成田は、コードの間違いにもすぐ気付く耳のよさを挙げ、岡本は、その支えが自分たちの自由につながると話した。岡本が同じく個性的な6人組のカーリングシトーンズと比べると、寺岡はRockon Social Clubの方が体力的に活発だと応じる。多くが50代半ばでも本数の多いツアーを全力で続ける姿を、80歳でも活動するミック・ジャガーになぞらえ、ロックと年齢を切り離して考えていた。
『音楽の日』とhopeバンド
7月13日の『音楽の日』では、バンドとして「Summer of Love」を披露し、寺岡を中心とするhopeバンドにも成田と岡本が参加した。岡本には、演奏に向けて学ぶうちに曲のよさを発見し、初対面の歌手と音を合わせる楽しみがあった。中居正広が演奏に加わる出来事を含め、生放送ならではの展開から音楽が人に与える力を実感したという。成田は、初めてのことが多く精神的な負担も大きかったが、練習で曲の仕組みを知り、ゲスト歌手を後ろから見ながら学べた経験が、音楽を続ける意欲につながったと振り返る。

寺岡によれば、岡本は当初、hopeバンドの途中から加わるはずだったが、本番2日前のリハーサルで全編への参加が決まった。短い準備期間でも引き受け、伴奏する側にいながら画面を華やかにした姿を、寺岡は高く評価した。また、後輩の中居が司会をしていたことや、成田・岡本との関係が「TRAIN-TRAIN」での参加につながったと考え、その次が「夜空ノムコウ」だった巡り合わせにも触れた。岡本にとっては、男闘呼組が復活した2022年、Rockon Social Clubで出た2023年を経て、2024年にはhopeで希望を届けた、思い入れのある番組になっていた。
タイトルと客席の動きから作る曲
寺岡は、着想になりそうな言葉を普段からメモしている。「Summer of Love」は、おそらく前年のツアー中、次の夏に演奏する曲を考えた時に浮かんだ題だった。1960年代のヒッピー文化を示しながらラブソングにもなる点に惹かれたという。「ポイントちょーだい」も言葉のメモから始まった。メロディーができる前に、前者では手拍子、後者では左右に手を振る客席を思い描き、ライブの楽しみ方に違いを作った。特定の年代やジャンルより、6人が大きな会場で大勢と盛り上がる光景を重視している。

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異なる曲調を提案するたびに寺岡は反対される可能性も考えるが、メンバーには受け入れられている。岡本は、自分のこだわりだけで判断せず、自分たちのために作られた提案をまず試すことで、知らなかった感情や世界に出会えると話す。成田も、初めて取り組む曲調だからこそ、照れや中途半端さを捨てて真剣に歌うことが、聴き手へ届けるために必要だと考えている。「ポイントちょーだい」も「Summer of Love」も、自分の聴いてきた音楽とは馴染みの薄い面があるが、それを理由に退けなかった。

「Breaking News」は、岡本に似合う暗い色合いのミクスチャーを歌ってほしいという寺岡の発想から生まれた。一方、AIボイスを使うニュース部分は岡本のイメージとは異なり、前田が担った。この曲と先行2曲は、いずれもタイトルが先だった。寺岡は、よい演奏の土台ができても言葉が見つからなければ生かせないため、ほかの曲でも多くは題を先に考えるという。木崎賢治の本にあった、沢田研二の「TOKIO」という題を決めて糸井重里へ依頼した話も、その作り方をよいと思う理由に挙げた。

メンバーの曲と、希望を歌う終曲
成田は、物語を少しずつ進めるように、Aメロから言葉と旋律を一緒に作る。「GO-ROUND」は、高橋との二声を久しぶりに取り入れ、男闘呼組の「赤ちょうちんでくらせ」を思わせる曲を今のバンドで演奏すれば盛り上がるという発想だった。歌詞には、曲作りの期限に追われる時の実感も込めた。弾き語りのデモを寺岡へ送ると、早い時には昼に送ったものが夕方には編曲されて返る。その速さに刺激されて新しい案が浮かぶため、成田はこの共同作業を気に入っていた。

「HEAVY LOVE」の原型は、男闘呼組の再結成前に4人でスタジオで作っていた曲だった。再結成後は既存の男闘呼組の曲を優先したため保留され、高橋が改めて寺岡へ渡したことで完成へ進んだ。岡本と成田は、ツインリードで始まるなど、寺岡の編曲が予想できない変化をもたらしたと感じている。寺岡は、歌詞に登場する魂の数も、元は4人を表し、6人へ変わったことを明かした。

最後の「天照ラス」へ向かう曲順は、エグゼクティブ・プロデューサーの案で、寺岡の考えともほぼ一致していた。寺岡はライブの客席にも曲が浸透してきたと感じている。岡本は、自然災害や悲しい事件の中で希望を歌いたい気持ちを、「遥か未来の君へ」とも結び付けて語った。50歳を過ぎて次世代のことを考えるようになり、元気を失った同世代にも、年齢にかかわらず新しく始められると伝えたい。その思いはバンドを作った時からあり、曲と言葉に込められていると受け止めていた。

日本武道館へ向けた思い
9月12日・13日の日本武道館に向け、成田は、同じ曲順でも再現できないライブを日々よくし、観客が幸福を感じ、また見たいと思える場を作りたいと話した。寺岡は、発売前のツアーをやり切り、武道館を新作発売後のお披露目にしたいと考え、6人で演奏する幸せと、できれば一年中ライブをしたい思いを語った。岡本は、30公演のうちの1本でも、観客には一生に一度の機会かもしれないと考え、各曲に力を尽くす姿勢を示した。青山のドラムを特に高く評価し、高橋と寺岡のベース、ホーンも加わる生演奏を会場で感じてほしいと呼びかけた。




