岡本健一

岡本健一(おかもと けんいち、1969年5月21日 – )は、日本の俳優、歌手、ギタリスト。男闘呼組・Rockon Social Club・ADDICT OF THE TRIP MINDSのメンバー。

東京都出身。血液型O型。明治大学付属中野高校定時制中退。1984年8月にジャニーズ事務所に入所し、2021年10月31日まで専属契約、その後2023年12月5日までエージェント契約を締結していた。Hey! Say! JUMP元メンバーの岡本圭人は長男。

来歴

ジャニーズ事務所入所

中学3年生の夏休みに東京・原宿で「ジャニーズ事務所の者」を名乗る偽スカウトマンからスカウトされるが、その後約束を忘れてしまう。海で友人にその話をしたところ、友人と一緒に自転車で事務所を訪れることとなった。事務所の応対者からは「スカウトはやっていない」と言われたものの、顔写真を撮影され連絡先を書かされた。

しばらくしてジャニー喜多川より電話があり、「ユー、明日なにやってんの」と誘われ、ジャニーと面会。「ユーがフラフラしてるから悪い人に声かけられるんだよ」と説教されつつも、写真を撮影され雑誌に掲載される。夏休み明けに学校へ行くと校門に人だかりができており、「雑誌に出てたってことでみんなが顔を見に来た。世界が変わった」という。

15歳でジャニーズ事務所に入所し、ダンスレッスンを受けるが、ジャニーズ系音楽よりもロックなどの別の音楽ジャンルに関心があった。後に男闘呼組のメンバーとなる成田昭次にギターを習ったことがきっかけでギターに傾倒。ダンスレッスンをサボる口実として音楽スタジオを借り、本格的にギターの練習を始めた。

男闘呼組結成と音楽への目覚め

入所後、後に男闘呼組のメンバーとなる成田昭次と出会う。この出会いが岡本の音楽人生における最大の転機となった。成田がマイケル・シェンカーの「Armed and Ready」を練習している際、「簡単だから」とバッキングギターを勧められたことが、岡本がギターを手にする直接のきっかけとなった。本人は「昭次と出会って、自分で音楽をやるようになった。これが原点」と述懐している。

1984年12月、成田昭次、高橋和也とともに「東京」として活動を開始。その後「東京男組」を経て「男闘呼組」と改名。前田耕陽が正式加入し、成田昭次(リードギター・ボーカル)、高橋和也(ベース・ボーカル)、岡本健一(リズムギター・ボーカル)、前田耕陽(キーボード・ボーカル)の4人編成となった。

岡本と成田は、ジャニーズ事務所の先輩である野村義男に師事してギターを学んだ。その後、岡本は後輩のSMAP木村拓哉にギターを教え、ギターをプレゼントしたことでも知られる。

男闘呼組でのデビューと活動

1985年、TBSドラマ「サーティーン・ボーイ」で俳優デビュー。

1988年8月24日、男闘呼組のメンバーとしてシングル「DAYBREAK」でレコードデビュー。同曲は初動売上18.5万枚でオリコンチャート初登場1位を記録し、第30回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。バンドは1988年と1989年の2年連続でNHK紅白歌合戦に出場した。

男闘呼組では、リズムギター(結成当初はサイドギターと名乗っていた)とボーカルを担当。高橋和也、成田昭次とのスイッチボーカルによる楽曲が特徴で、3人でスイッチボーカルを行うバンドは極めて稀とされた。

俳優への本格転身

男闘呼組の活動中から俳優業も並行し、1987年NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』伊達小次郎役、1996年『秀吉』仲蔵役などに出演。活動休止後は本格的に俳優業にシフトし、1990年代には『禁断の果実』(1994年)、『不機嫌な果実』(1997年)、『めぐり逢い』(1998年)など話題作で重要な役を担った。

1993年6月30日、高橋和也のジャニーズ事務所解雇に伴い、男闘呼組は活動を休止。岡本はジャニーズ事務所に残り、俳優業を中心に活動を開始した。同年には舞台『スラブ・ボーイズ』にメンバー4人全員で出演したが、これが35年間にわたって4人が演技で共演する最後の機会となった。

男闘呼組活動休止後、シェイクスピア劇を中心とした舞台で活躍。1989年に蜷川幸雄演出の『唐版 滝の白糸』で初舞台を踏んで以来、数々の舞台作品に出演。

新国立劇場で2009年から上演されたシェイクスピア歴史劇シリーズにすべて出演し、『タイタス・アンドロニカス』で第12回読売演劇大賞優秀男優賞、『ヘンリー六世』で第17回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。2018年度には第26回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した。

2020年、主演舞台『リチャード二世』で第55回紀伊國屋演劇賞個人賞、第28回読売演劇大賞作品賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2019年度には第45回菊田一夫演劇賞を受賞した。

2022年4月、学問や芸術分野で功績を残した人に贈られる紫綬褒章を受章。ジャニーズ事務所所属タレントとしては初の受章となった。

森光子・奈良岡朋子との出会い

10代の頃に『放浪記』を観劇し、森光子の楽屋を訪ねた際、日夏京子役の奈良岡朋子と出会う。奈良岡に「あなた何やってる人?」と訊かれ、男闘呼組というバンドと舞台もやっていると答えたところ興味を持たれ、岡本の出演する芝居を観に来てくれるようになった。

岡本が「劇団民藝に入りたい」と相談したところ、奈良岡から「それは無理よ、あなたと同じ世代の子がいっぱいいるんだから。そっちが大事なの。あなたに役を取られちゃうでしょ」と諭され、「じゃあ何とか共演できる役者になるように頑張ります」と決意を新たにした。

その後、芝居の話をしながら交流を深め、40歳の時に初めて奈良岡から『ラヴ・レターズ』で共演の声がかかった。この経験を通じて、奈良岡から「練習不足だからああなるのよ。台詞が言えなくなるのは役をちゃんとやってないからよ。泣きゃいいってもんじゃないわよ」と厳しい指導を受け、「本物の舞台役者になりたい」という思いを強くした。

演出家としての活動

演出家としても活動しており、2011年『恋人』、2012年『地獄のオルフェウス』、2022年『破戒』などを手がけた。新国立劇場演劇研修所の講師として研修生の指導にも情熱を傾け、2024年には第18期生公演『ロミオとジュリエット』で上演台本・音楽・演出を担当した。

家族との共演

長男の岡本圭人とは、2021年の舞台『Le Fils 息子』で初共演。父子役として共演し、2024年には再演で再び共演を果たした。岡本は圭人の成長について「子どもの成長は早い」と感慨深く語っている。圭人は父について「一番の俳優」と評している。

ADDICT OF THE TRIP MINDSでの活動

男闘呼組活動休止前の1991年、岡本健一とMotom(ドラム)が共にオーガナイズしていたワンナイトROCKイベント『club ADDICT』で意気投合し、バンド「ADDICT OF THE TRIP MINDS」を結成。男闘呼組5枚目のアルバム三部作では、岡本作詞・作曲の楽曲でレコーディングに参加した。

1993年、カルメン・マキ&OZのベーシスト・川上シゲが正式加入。1994年にメジャーレーベルから1stアルバム『ADDICT OF THE TRIP MINDS』をリリースしたが、1995年に解散。

2020年、岡本とMotomがカルメン・マキ&OZでプレイする川上の姿を見て再結成を決意。2021年にギタリスト・田中志門を迎え、同年12月5日に渋谷VISION Tokyoで27年ぶりのライブを開催。このライブには成田昭次がゲストギターとして参加し、男闘呼組5-1収録の「あの娘は言う」を演奏した。

男闘呼組再結成とRockon Social Club

2019年5月、映画「ロックよ、静かに流れよ」の公開30周年記念上映会に参加し、当時消息不明とされていた成田昭次のコメントを発表。これが再結成のきっかけとなった。岡本は知人を介して様々な方に声をかけ、成田を探し出したという。

2021年11月1日、ジャニーズ事務所との専属契約を終了し、エージェント契約に移行(2023年12月5日まで)。

2022年7月16日、TBS系『音楽の日2022』で約29年ぶりに男闘呼組としての活動再開を発表。デビュー35周年を迎える2023年8月末までの期間限定での活動となった。2023年8月26日、日比谷野外音楽堂での「男闘呼組 2023 THE LAST LIVE -ENCORE-」をもって期間限定の活動を終了した。

2023年1月、男闘呼組メンバー4人に寺岡呼人(プロデューサー・ギター・ベース)と青山英樹(ドラム)を加えた6人編成のバンド「Rockon Social Club」を結成。岡本はRSC結成の発起人の一人となった。結成のきっかけについて、岡本は「寺岡さんと昭次が作った曲があって、レコーディングに参加したら手応えがあった。レコーディングから2、3ヶ月後にはライブを行うなど、勢いのままバンド活動が本格化した」と語っている。

2023年12月31日、Rockon Social Clubとして第74回NHK紅白歌合戦に出演し、MISIAのステージでNHKラグビーテーマソング「傷だらけの王者」を歌唱。男闘呼組として出場した第40回(1989年)以来34年ぶりの紅白出場となった。

2025年11月5日、Rockon Social Clubのコラボレーションアルバム『THE SHOW MAN』をリリース。堺正章、NOKKO(レベッカ)、野村義男、大友康平、亀梨和也、段田安則、氣志團、デーモン閣下、MISIAなど豪華アーティストが参加した。同アルバムは2025年に第67回日本レコード大賞企画賞を受賞した。

成田昭次との関係

岡本にとって成田昭次は音楽的な原点であり、最も重要なパートナーである。前述のとおり、成田からギターを習ったことが岡本のミュージシャンとしてのキャリアの始まりとなった。​

初対面時のエピソードとして、岡本が「岡本健一です、よろしくお願いします」と挨拶したところ、成田が名古屋弁で「なんじゃおめぇ」「お前行けて!邪魔やって!」と絡んできたことを明かしており、当時の成田を「怖かった」と振り返っている。

男闘呼組時代の地方公演では、岡本と成田がツインルームで同室になることが多く、二人は「一緒だったよね」と互いに確認している。岡本は成田との関係について「全然そんな意識もしたことないですよね」と語り、自然体で過ごせる関係性であったことを明かした。

また、岡本と成田は「喧嘩したことない」と口を揃えて語っており、「そもそもなんか手出したりしないよね、お互いが」と良好な関係を保っていた。

Rockon Social Clubにおいても、成田は岡本にとって重要な存在である。高橋和也は「昭次は、ずっとシンギングパートナーです。ふたりの声の相性って特別なものがあると思うし、初めて出会ったところからそれは始まってるんですよね。運命的な出会いだったんだなって改めて思います」と語っている。

2021年12月5日、岡本のバンドADDICT OF THE TRIP MINDSの27年ぶり復活ライブに、成田がゲストギターとして参加。この時、成田が弾いたギターは、かつて成田が岡本に17万円で売ったものを岡本が貸し出したという逸話がある。

男闘呼組再結成のきっかけも、岡本が成田に会いたくて他のメンバーと共に会いに行ったことから始まった。岡本は成田について「昭次の声とギターがあってこその男闘呼組」と語り、バンドにおける成田の重要性を強調している。

音楽性

ジャズ、ハードロック、オルタナティブロックなど多様なジャンルから影響を受けた音楽性を持つ。作詞・作曲における内省的で詩的な世界観が特徴的で、演劇的な表現力が音楽にも反映されている。

岡本は演劇と音楽の両立について長年葛藤してきたが、現在は男闘呼組の再結成、Rockon Social Club、ADDICT OF THE TRIP MINDSと複数のバンド活動を展開しながら、舞台俳優としても第一線で活躍している。

「音楽も芝居もやることで中途半端になる」という指摘を受けた経験から、2000年から2020年頃まで音楽から距離を置いていた時期もあったが、2019年の『ロックよ、静かに流れよ』公開30周年記念上映会での弾き語りをきっかけに、再び音楽への情熱を取り戻した。

舞台という場所に惹かれ続けている」理由として、「テレビではなく、生の空間で観客と共有できる瞬間」への強い思いを語っている。

人物

  • 音楽の嗜好は、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)、デュラン・デュラン(Duran Duran)、ピンク・フロイド(Pink Floyd)、ラブ・アンド・ロケッツ(Love And Rockets)、グレイトフル・デッド(Grateful Dead)、チェット・ベイカー(Chet Baker)、トム・ウェイツ(Tom Waits)など幅広い。
  • ギターの師匠は野村義男成田昭次。後に木村拓哉にギターを教え、黒のエレキギターをプレゼントしたことでも知られる。このギターが木村がギターを始めるきっかけとなった。
  • 1993年に長男・岡本圭人が誕生。圭人は後にHey! Say! JUMPのメンバーとなり、2021年には舞台『Le Fils 息子』で親子初共演を果たした。岡本は息子の成長について「子どもの成長は早い」と感慨深く語っている。
  • 新国立劇場演劇研修所の講師として後進の指導にも力を入れている。研修生との信頼関係について「人間的な分とか性格というよりも、作品に対して挑んでく姿勢、思いの強さ、技術」を重視していると語る。
  • 2022年の紫綬褒章受章に際しては、憲法9条を引用し平和の大切さについて言及。「国際平和を希求するこの日本で、演劇という果てしなく自由な世界に導いていただいた」と感謝の意を表明した。

主な受賞歴

  • 1988年:日本レコード大賞最優秀新人賞(男闘呼組として)
  • 2004年:第12回読売演劇大賞優秀男優賞(『タイタス・アンドロニカス』エアロン役)
  • 2009年:第17回読売演劇大賞優秀男優賞(『ヘンリー六世』リチャード三世役)
  • 2018年:第36回読売演劇大賞最優秀男優賞(『ヘンリー五世』『岸 リトラル』)
  • 2020年:第45回菊田一夫演劇賞(『海辺のカフカ』『終夜』)
  • 2021年:第55回紀伊國屋演劇賞個人賞(『リチャード二世』リチャード二世役)
  • 2021年:第71回芸術選奨文部科学大臣賞演劇部門(『リチャード二世』)
  • 2022年:紫綬褒章

舞台作品

2025
『みんな鳥になって』
2026
劇団民藝公演「グレイクリスマス」2026
2026.02.04 劇団民藝「グレイクリスマス」 @ 神奈川・多摩市民館たま・あさお市民劇場、川崎市民劇場なかはら
2026.02.05 劇団民藝「グレイクリスマス」 @ 神奈川・多摩市民館たま・あさお市民劇場、川崎市民劇場なかはら

ラジオ

ドラマ

ライブ


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