岡本健一

岡本健一(おかもと けんいち、1969年5月21日 – )は、日本の俳優、歌手、ミュージシャン。東京都新宿区出身、血液型O型。長男・岡本圭人はHey! Say! JUMPの元メンバー。

1988年にデビューした男闘呼組のメンバーとしてリズムギター・ボーカルを担当。活動休止後は俳優業に専念し、特に演劇分野で高い評価を得る。読売演劇大賞最優秀男優賞をはじめとする主要演劇賞を受賞し、2022年には紫綬褒章を受章。2022年に男闘呼組を29年ぶりに再結成させた発起人であり、現在は後継バンド「Rockon Social Club」で音楽活動を継続している。

2021年にジャニーズ事務所との専属契約を終了してエージェント契約に移行、2023年12月に完全独立し、現在は個人事務所で活動。実家の塗装会社の代表取締役も務める。

岡本健一
目次

来歴

芸能界入りと男闘呼組の結成

中学3年時に友人と訪れたジャニーズ事務所で芸能活動を開始。1985年にはテレビドラマ『サーティーン・ボーイ』で主演デビュー。

1984年、雑誌企画で成田昭次、高橋和也と共に撮影参加したことが後のグループ結成の始まりとなる。当初は「東京」という名前で活動を開始し、メンバーの変遷を経て、成田昭次、高橋和也、前田耕陽との4人で「男闘呼組」が結成された。グループ名は事務所の先輩・中村繁之によって命名された。

男闘呼組での活動(1988-1993)

1988年8月24日、「DAYBREAK」でレコードデビュー。オリコン1位を獲得し、同年の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。「TIME ZONE」「ロックよ、静かに流れよ」などがヒットし、本格的なロックサウンドを追求した異色のジャニーズグループとして人気を博した。

バンドの特徴として、成田と岡本によるツインギター、前田のキーボードが全面的にフィーチャーされた厚みのあるサウンド、メンバー全員のコーラスワークが挙げられる。デビュー当初はプロ作家による楽曲提供が中心だったが、活動が進むにつれてメンバーの自作曲が増加。岡本は「眠りにつく前に」などの楽曲制作に参加した。

1989年には東京ドーム公演を成功させ、NHK紅白歌合戦にも出場するなど人気は頂点に達したが、1993年6月30日、高橋和也の事務所解雇に伴い突然活動を休止した。

俳優への本格転身

男闘呼組の活動中から俳優業も並行し、1987年NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』伊達小次郎役、1996年『秀吉』仲蔵役などに出演。活動休止後は本格的に俳優業にシフトし、1990年代には『禁断の果実』(1994年)、『不機嫌な果実』(1997年)、『めぐり逢い』(1998年)など話題作で重要な役を担った。

1990年代半ば以降は舞台演劇を活動の主軸とし、蜷川幸雄や鵜山仁といった日本を代表する演出家の作品に多数出演。特にシェイクスピア作品では『ヘンリー六世』のリチャード三世役、『リチャード二世』のタイトルロールなど難易度の高い役柄に挑戦し続けている。

男闘呼組の再結成と解散

活動休止から29年後の2022年7月16日、TBS『音楽の日2022』で男闘呼組は電撃復活。再結成のきっかけは2019年のジャニー喜多川逝去後にメンバー間の交流が再開したことで、2020年8月に名古屋のスタジオで4人が6時間のセッションを行ったことが大きな推進力となった。この再結成は岡本自身が発案したもので、他のメンバーを驚かせたという。

2023年8月まで期間限定で活動し、『男闘呼組2023 THE LAST LIVE』全国ツアーを敢行。1993年に中止となった公演の開催地を多く含むツアーで、8月26日の日比谷野外大音楽堂公演をもって正式に解散した。

現在の活動

Rockon Social Club

男闘呼組解散後、メンバー4人にプロデューサーの寺岡呼人とドラマーの青山英樹を加えた6人編成のバンド「Rockon Social Club」を結成。2023年から本格活動を開始し、同年のNHK紅白歌合戦にも出場。音楽活動と並行して、18歳までの子どもからの相談を受け付ける「チャイルドライン」を支援する「DON’T WORRY」プロジェクトなどの社会貢献活動も展開している。

ADDICT OF THE TRIPMINDS

1990年代半ばに結成したオルタナティブロック・プロジェクト「ADDICT OF THE TRIPMINDS」を2021年に約27年ぶりに再始動。男闘呼組とは異なるダークでサイケデリックなロックを志向し、2023年には新作音源『PARADIGM SHIFT』をリリースした。

家族関係

長男・圭人は俳優でHey! Say! JUMPの元メンバー。2021年に舞台『Le Fils 息子』で初共演を果たした。岡本は圭人が9歳の時にイギリスの全寮制学校に留学させるなど、国際的な視野を持った教育方針を取っている。

ジャニーズ事務所時代の後輩である木村拓哉とは深い信頼関係で結ばれており、岡本が2021年にエージェント契約という異例の待遇を得た背景には、木村からの後押しがあったとされている。

音楽性

ジャズ、ハードロック、オルタナティブロックなど多様なジャンルから影響を受けた音楽性を持つ。作詞・作曲における内省的で詩的な世界観が特徴的で、演劇的な表現力が音楽にも反映されている。

主な受賞歴

  • 1988年:日本レコード大賞最優秀新人賞(男闘呼組として)
  • 2004年:第12回読売演劇大賞優秀男優賞(『タイタス・アンドロニカス』エアロン役)
  • 2009年:第17回読売演劇大賞優秀男優賞(『ヘンリー六世』リチャード三世役)
  • 2018年:第36回読売演劇大賞最優秀男優賞(『ヘンリー五世』『岸 リトラル』)
  • 2020年:第45回菊田一夫演劇賞(『海辺のカフカ』『終夜』)
  • 2021年:第55回紀伊國屋演劇賞個人賞(『リチャード二世』リチャード二世役)
  • 2021年:第71回芸術選奨文部科学大臣賞演劇部門(『リチャード二世』)
  • 2022年:紫綬褒章
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