関容子「私の出逢ったひと」岡本健一

春陽堂書店の関容子「私の出逢ったひと」第32・33回は、俳優・岡本健一の舞台上の印象と、取材や観劇を通じて知った素顔を描く前後編。2024年末の『グレイクリスマス』稽古場での初インタビューでは、関の不安を解く親しい語りかけから、羞恥心を乗り越えた俳優観、奈良岡朋子との共演、岡本圭人の育児や母への回想へと話が進む。後編は2011年の『恋人』終演後の募金・握手にさかのぼり、素顔を知ることが観劇の楽しさを変えた経験を綴る。交流は花篭ホールのトークやライブ、観劇後の会食へ広がった。年齢や肩書きを越えて人に向き合う岡本の姿と、舞台と客席をつなぐ関のまなざしを、俳優と観客の交流を含む具体的なエピソードから伝える連載である。

前編:初取材で変わった印象と、俳優としての姿勢

春陽堂書店の関容子「私の出逢ったひと」第32回は、岡本健一への初インタビューから、その俳優観と素顔を描く。2024年末、『グレイクリスマス』稽古中の岡本は、関の著書にあった会食の話を持ち出して親しく話しかけ、舞台の気難しい役から関が抱いていた不安を解いた。『蜘蛛女のキス』で共演した村井國夫を励ました回想や、ドラマ主演時の羞恥心を乗り越えた話、奈良岡朋子との共演を通じ、関は肩書きや年齢にとらわれない接し方を捉える。年明けの取材では、岡本圭人の育児に専念するため仕事を抑えたこと、早逝した母への悔いも語られた。帰りのタクシーで関の話に耳を傾ける姿まで、舞台の印象とは異なる人柄を伝えるエッセイになっている。

後編:観客としての出会いと、トーク・会食へ広がる交流

春陽堂書店の関容子「私の出逢ったひと」第33回は、岡本健一との交流を観劇、トーク、会食の場から綴る。出発点は2011年5月、紀伊國屋ホールの『恋人』終演後に、震災支援の募金をして握手した経験だった。俳優の素顔を知ることで、関はその後の舞台を身近な人を見守るように観るようになる。交流は歌舞伎座・花篭ホールのトークや品川の教会ライブへ広がり、『みんな鳥になって』の観劇後には友人たちと岡本を囲む会食も実現した。関は、俳優を拍手で迎える光景に勘三郎との思い出を重ね、岡本の会計時の心遣いも記す。『グレイクリスマス』『マクベス』の後にも会食は続き、観客の生の感想を喜ぶ岡本と、それを届ける関の関係が描かれる。


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