大人のおしゃれ手帖webの岡本健一×中嶋朋子対談は、長年の共演で育んだ信頼と、演技や生き方への姿勢を伝える。リーディング公演『マクベス』に向き合う岡本は、戯曲を読み直し、予言に戸惑う人物が夫人らに促されて変化し、人生を壊していく過程に新たな発見があったと語る。中嶋は初共演の稽古場で、うまく演じられないとこぼした際、岡本から演技の上手さを何で判断するのか問われ、考え方が変わったと振り返った。自由で柔軟な試みを率先する岡本を、立ち止まる時のよりどころにしているという。一方、岡本は、自分の演技を受け入れる中嶋の姿勢と、好きなことを楽しむ姿に信頼を寄せる。対談は、共演者への信頼と、年齢とともに好きなことや人との時間を選ぶ姿勢を、具体的なやり取りから伝えている。
大人のおしゃれ手帖webの岡本健一と中嶋朋子の対談では、2009年から14年間にわたりシェイクスピア劇で共演してきた二人が、リーディング公演『マクベス』と互いの演技について語る。岡本は以前にも『マクベス』を翻案した作品に出演したが、今回、自分が演じることを前提に戯曲を読み直して、新たな発見があったという。魔女に王を殺して王になれと言われ、迷い、動揺する人物が、マクベス夫人らに促されて変わっていく。その過程から、人や人生が破壊されていく姿を読み取った。中嶋は、かすかな野心を他者に引き出されて変化する物語と捉え、シェイクスピアが描く生きた人間は、現代の社会や自分たちにもつながると話した。
岡本は、中嶋のせりふを聞くと人間像が自然に浮かび、いつもおもしろいと感じるという。細かく話し合わなくても自分の演技を受け入れてくれる安心感があり、文字の世界を立体的でリアルなものにすることを本当に楽しんでいる人だと語った。
中嶋は初共演の稽古場で、うまくできないとこぼした際、岡本から何をもってうまいとするのか問い返された経験を振り返る。誰の基準で判断するのかと考え直し、演じる人間が生きていればよいと思えたという。中嶋にとって岡本は、自由で柔軟な発想を率先して試し、難しそうなシェイクスピアの文章にも、おもしろいからやってみようと稽古場の空気を動かす人。自分にも他人にも正直で、わかるまで話し合い、常に動き続ける姿に刺激を受け、立ち止まるたびに岡本ならどうするかと考えると明かした。
岡本は、中嶋が空中ブランコに挑戦する行動力と、自然を大切にする変わらなさにも触れる。年齢とともに自分と向き合う時間が増え、好きなことをし、好きな人に会いたいという思いも語った。中嶋が迷った時に自分を思い浮かべるという話には、連絡してくれれば自分ならどうするか答えると応じている。
記事には、新国立劇場「20の物語-週末を、劇場で-」のリーディング公演『マクベス』も紹介される。会場は新国立劇場 小劇場、日程は7月17日から19日と24日から26日。岡本は同劇場のシェイクスピア歴史劇シリーズを人間的でリアルだと評価し、中嶋は二人が互いに働きかけるスイッチを大切に演じたいと話している。


