【ギタリスト列伝・特別編】成田昭次のギター講座「成田昭次のRockon The Knight」#90

2025年8月9日に放送されたニッポン放送「KURE オキーフ Presents 成田昭次のRockon The Knight」では、パーソナリティの成田昭次が、間近に迫ったお盆休みを前に、自身の夏の思い出を披露。さらに、リスナーから寄せられた男闘呼組に関する驚きのエピソードや、ギターに関する専門的な質問に、自身の経験を交えながら真摯に答える姿が見られた。

お盆を前に語る、懐かしい夏の思い出

番組冒頭、成田は山の日から始まる3連休とお盆休みの話題に触れ、「これ何連休になるんですか。1週間、8連休ぐらいになりますよね」と、大型連休に思いを馳せた。自身の夏の思い出として、名古屋時代にバイクでツーリングへ出かけたエピソードを懐かしそうに語り始めた。

山の日なんか覚えがあるんですよね、昔名古屋時代にバイクでなんかツーリングつうか1人でツーリング行って帰り、雨がすごい降ってきて、で、山道走ってたんですよ」と振り返る成田。夏でも山の上の気温は低く、10度ほどの気温差があったという。急な雨に慌ててカッパを取り出したという当時の情景を鮮明に語った。

また、お盆については、親戚一同で集まって墓参りに行き、みんなで寝泊まりしたという微笑ましい記憶を披露。「うちはもういとこが僕と兄貴以外全員女子だったので、女の子だったので、なんかその思い出がやっぱりありますよね」と語り、いとこたちとピンク・レディーやキャンディーズの物まねをして遊んだという、賑やかな子ども時代の一コマを明かした。

ONAIR:Rockon Social Club『Summer of Love』

東京ドームホテルに飾られた男闘呼組のネームプレート

番組には、リスナーから驚きのエピソードが寄せられた。そのリスナーは、親友の誕生日を祝うため、「迎える年齢の階にあるレストランで食事をする」というユニークな習慣を続けているという。43歳の誕生日には、東京ドームホテルの43階にあるレストランを訪れた。

そこで彼女が目にしたのは、これまで東京ドームで公演を行ったアーティストたちのネームプレートだった。彼女が探したのは、もちろん「1989年」。すると、そこには「1989年8月28日 男闘呼組」と刻まれたプレートが飾られていたという。

この報告に、成田は「ええ、これ知らなかった!」と素直な驚きの声を上げた。リスナーが添えてくれた写真には、プリンス、デュラン・デュラン、吉田拓郎、レベッカといった錚々たるアーティストたちの名が並んでおり、その中に男闘呼組のプレートがあるのを見て、「すごい。こんなすごいメンバーの、そうそうたるアーティストの方の、レベッカさんととんねるずさんに挟まれてるんですね」と深く感銘を受けた様子。そして、「いやあ、行ってみたいですね。これ、みんなメンバー知らないんじゃないですかね。行きたいですね。ちょっとみんなで行きたいです」と語り、メンバーとの再訪を心待ちにする気持ちをのぞかせた。

習字の悩み

続いて、43歳から習字を習い始め、現在は準師範を目指しているという52歳のリスナーからのメールが紹介された。「何回書いても納得いかない字になったりする」という悩みに対し、その先生は「うまく書けないように見えるのは、見る目も育っているからだそう」とアドバイスしたという。

このエピソードに、成田は自身も字が上手い人に憧れがあったと告白。小学校の頃、親に頼んで習字教室に通い始めたものの、「てっきり筆でね、墨で書けると思った」ところ、最初は鉛筆での練習だったことに挫折し、一日でやめてしまったという苦い思い出を明かした。男闘呼組のメンバーの中では、岡本健一や高橋和也の字が上手いと語り、自身の字には少しコンプレックスがあるような様子を見せた。リスナーから送られてきた見事な書の写真には、「めちゃくちゃうまいですね」「こんな風に書きたいですね」と感嘆の声を漏らした。

【ギタリスト列伝・特別編】リスナーの質問に答える、成田昭次のギター哲学

この日の「ギタリスト列伝」は特別編として、リスナーから寄せられたギターに関する様々な質問に成田が答える形で進行した。

質問1:指弾きで爪がボロボロになる

アコースティックギターの指弾きで爪がボロボロになってしまう」という悩みに対し、成田は自身の経験を元にアドバイスを送った。彼はピック弾きが中心でありながらも、「右手のひとさし指の爪が半分、高さが違う」状態だと明かす。これは長年ギターの弦に爪が当たり、削れてしまった結果であり、「40年のこの歴史がですね、ひとさし指の爪にこう今でもですね、残ってるんですよ」と、自身のギタリストとしての歴史が刻まれた指先について語った。この経験から、爪が長い状態で指弾きをすると危ない可能性があると指摘し、爪を少し短くすることを優しく提案した。

質問2:ギターの「キュッキュッ」という音の正体

アコギを弾くときの『キュッキュッ』という音が好き」というリスナーからのメッセージには、「これでも意図的にやってるわけではないんですよね」と回答。この音は、指が弦の上を滑る際に鳴る「フィンガーノイズ」と呼ばれるもので、コードチェンジやスライド奏法※1の際に自然に発生する音だと解説した。特にギターの弦の中でも、低音側の「巻き弦※2がギザギザしているため、その上を指が移動するときに特徴的な音が鳴ると説明。成田自身も「特にアコースティックのフィンガーノイズって結構心地いいですよね。僕も好きなんですけど」と、その魅力に共感を示した。

※1)スライド奏法:指を押さえたまま、フレット上を滑らせて音程を変化させる演奏技法。
※2)巻き弦:芯線に細いワイヤーを巻き付けた弦。主にギターの4〜6弦(低音弦)で使われ、豊かで太い音を出す。

質問3:「ギターを歪ませる」とは?

ギターを『歪(ひず)ませる』とはどういうことか」という素人のリスナーからの率直な質問に対し、成田は非常に分かりやすい例を挙げて解説を試みた。「一番分かりやすいのニルヴァーナかな」と述べ、伝説的なロックバンド、Nirvana の代表曲『Smells Like Teen Spirit』を題材に説明した。

最初の1番、あのイントロ、ギターのチャカチャカ、チャカチャカって始まるじゃないですか。あれってクリーンな音なんですよ。あれ歪んでないんです。で、そっからバンドでドラム入って、オールインしたあとは、歪んだ音になってるんですよ」とギターが「歪んだ音」に変化していると解説した。これは、ギターの音をエフェクターやアンプで意図的に加工し、荒々しくパワフルなサウンドを作り出すことで、音に迫力や感情的な深みを与えるためのものである。

ギターっていろんなエフェクター※3があったりとかして、で、そこにクリーンな音にオーバードライブペダルとかディストーションペダルとかファズペダルとか色々あるんですけど、それを踏むことによっていきなりこう歪むんですよ。増幅させるってことですかね。歪みを」と技術的な仕組みを説明した。成田は、アンプの「ゲイン(音の増幅度合いを調整するつまみ)を上げることで、この歪みサウンドが生まれる仕組みにも触れた。

※3)エフェクター:ギターなどの電気楽器の音色を変化・加工するための音響機器。歪みを作り出す「オーバードライブ」や「ディストーション」など、様々な種類がある。

Rockon Social Clubの楽曲では「Go To Hellという曲はもうほとんど歪んでます。イントロのフレーズはもう歪んでるし」と自身のバンドでの実例も挙げた。

ONAIR:Rockon Social Club『GO TO HELL』

番組終盤で成田は、9月5日の東京ガーデンシアターから始まるRockon Social Clubのツアー「FOREVER CALLING -Still Rockin’-」について触れ、「もうすでに1カ月切ってます。うわあ、やばい。やばい。普通にやばい」と率直な心境を吐露した。

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