2025年10月20日に放送されたDate fmのラジオ番組『SOUND GENIC』に、Rockon Social Clubのメンバーである岡本健一が出演した。番組では、自然発生的に結成されたというRockon Social Clubの成り立ちから、豪華アーティストが集結した最新コラボレーションアルバム『THE SHOW MAN』の制作秘話、そして自身の音楽的ルーツについて、深く語られる時間となった。
独眼竜政宗ゆかりの地・仙台での「お殿様になったような」思い出を語る
番組冒頭、パーソナリティから仙台での思い出を尋ねられた岡本は、16、7歳の頃に出演した大河ドラマ『独眼竜政宗』の撮影で訪れた際の鮮烈なエピソードを披露した。

「大河ドラマで独眼竜政宗っていうのがあって。自分は政宗に切られて殺されちゃう、あの小次郎っていう弟の役をやったんですよ」と、自身の役どころを説明。当時、仙台では視聴率が80%から90%に達したと聞き、「大河が始まると人がね、外歩かなくなるっていうのを(聞いた)」と、その熱狂ぶりを振り返った。
そんな中、自身が演じた小次郎のお墓参りをする機会があったという。
「田舎の方にあったんですけど、その畑のあぜ道のところをね、おばあちゃんたちが並んで頭下げてね。もう大名行列みたいな」と、地元のファンから熱烈な歓迎を受けたことを明かした。その光景に「なんかお殿様になったような、そんな気分になった記憶がね、すごいあるんですよ、仙台で」と語り、若き日の忘れられない思い出として、仙台との深い縁をうかがわせた。
岡本健一、音楽の道へ導いた成田昭次との出会い「これが原点」
番組中盤、自身の音楽的ルーツについて問われた岡本は、リスナーから「演奏する側」になることを決意させた決定的な瞬間が、成田昭次との出会いであったと明かした。

当初は「子供の頃聴いてた音楽、テレビから流れてくる歌謡曲ですよね。その頃だったらほんと沢田研二さんとか、もう西城秀樹さんとか」と、あくまで一人のリスナーであったと語る岡本。しかし、その後の人生を大きく変える出会いが訪れる。
「自分で今度やるようになるのは本当に、昭次と出会って」と切り出し、「昭次がギター弾いてて。で、昭次がマイケル・シェンカー(Michael Schenker)が大好きで」と、当時すでにギタリストとして腕を磨いていた成田の存在が大きかったことを告白した。
具体的なきっかけとして、成田がマイケル・シェンカーの名曲「Armed and Ready」のギターソロを練習していた時のエピソードを鮮明に語った。

「(成田が)ソロを弾いて練習してて。で、俺がバッキング。バッキングのサイドギター、バッキングやってくれつって。『簡単だから』つって。で、それで習って」
成田からの誘いが、岡本が初めてギターを手にする直接の動機になったという。この出来事を、岡本は「そこが最初ですかね、自分がギターとか音楽、自分がやるようになったのは」と振り返り、自身のミュージシャンとしてのキャリアの原点であったことを強調した。
その後はGuns N’ Roses(ガンズ・アンド・ローゼズ)やBon Jovi(ボン・ジョヴィ)といったアメリカのハードロックに傾倒するも、実際にアメリカを訪れたことで転機が訪れる。

「アメリカの大地と、太陽と、あれがあるからこういうのが生まれんだと思って」と、現地の風土と音楽の結びつきを肌で感じたという。特に、ギブソン社のレスポールというギターについて、「アメリカ人のあのでかいのが弾くとちっちゃく見えて。あの肉体とあの大地とあの大陸があるからハードロックが行くんだなと思って。一時、俺はアメリカンハードロックからもう全部、これはできないってので、ヨーロッパの方に行っちゃったんですね」と、体格的な違いからアメリカン・ハードロックの道を断念し、UKロックへと興味を移したユニークな経緯を語った。
Bauhaus(バウハウス)やThe Smiths(ザ・スミス)といったイギリスのバンドの「独特の、ちょっとダークなイメージ」「クラウディな」世界観に惹かれた後、再びアメリカから発生したグランジや、イギリスのブリストルサウンド、トリップホップなど、時代ごとの音楽ムーブメントを柔軟に吸収していったことを明かし、その幅広い音楽性が現在の活動にも繋がっていることをうかがわせた。
このエピソードは、後の男闘呼組結成、そして時を経てRockon Social Clubで再び同じステージに立つ二人の、運命的な始まりの瞬間を物語るものとなった。
Rockon Social Club誕生の舞台裏「気づいたらやってた」
話題は、岡本が現在精力的に活動するバンド、Rockon Social Clubの結成秘話へと移った。
「これなかなかね、なかなか浸透しないんですよね、まだ」と冗談めかしつつも、「デビューしてまだ2、3年目ぐらいなんで、Rockon Social Clubってのは今ちょっと広げたくてしょうがないんですよね」と、バンドへの熱い思いを口にした。
バンド結成のきっかけについて、岡本は「元々は呼人さんと、成田昭次が一緒にこうなんかやってたんだっけな?曲を作ってたんですよね」と、寺岡呼人と成田昭次が活動の中心であったことを明かした。

「なかなかいいのができたと。で、『ちょっとギター弾いてくんないか』みたいな。『いいよ』つって。で、『ベース弾いてくんないか、和也』みたいな。こうなんかやってとかつって」と、メンバーが自然に集まっていった過程を説明。さらにドラムの青山英樹が加わったことでサウンドが固まり、「とりあえずレコーディングしてみようよ久しぶりに、みたいなそんな感じでこうやってみたんですよね」と、当初は流動的なプロジェクトであったことを語った。
しかし、レコーディングを進めるうちに手応えを感じ、「面白くて、1週間ぐらいで撮っちゃって。じゃあこれこのまま行かねえかっていう話で、そのまま」と、一気にバンドとしての形が作られていったという。この自然発生的な流れを、岡本は「気づいたらやってたと、みたいな。自然にこうプロデュースされたみたいなね」と表現した。
男闘呼組の活動終了とほぼ同時にRockon Social Clubのツアーが始まるというタイムラグのない移行についても触れ、「本当、男闘呼組が終わってもまだロックオンが今度始まってる、こう同時にこうやってたみたいな感じ」と語り、音楽活動への絶え間ない情熱を示した。
50代からの新人バンド「50からなんじゃないか」
Rockon Social Clubは、メンバーの多くが50代以上という異色の「新人バンド」だ。岡本はこの点について、「50からなんじゃないかっていう」と、新たな挑戦への意欲を見せた。
「50代以上の男たちみんなもっと盛り上がろうぜみたいなのをこう日本全国にこう行けたらななんて思ってたら、でもそれ以上にやっぱ60代、70代のロックアーティストたちがさ、みんなすごいやってるから、全然かなわないんです」と、音楽業界の先輩たちの活躍に敬意を表しつつ、自身もその流れの中にいることへの自負をのぞかせた。
また、バンド活動を通じて新たなファン層が生まれていることにも言及。「また、新しい若い人たちとかもすごいファン層がすごい増えてて。そういうのも含めてね、あ、これいいな」と、世代を超えて音楽が届いていることへの喜びを語った。
ONAIR:Rockon Social Club『Still Rockinʼ』

豪華コラボアルバム『THE SHOW MAN』制作秘話と全国ツアーへの意気込み
最新アルバム『THE SHOW MAN』は、堺正章、NOKKO、デーモン閣下、MISIAといった錚々たるアーティストとのコラボレーションが実現した作品だ。

岡本はこのアルバムについて、「これすごいでしょう、これ。みんなの新曲みたいじゃないですか」と興奮気味に語り、「それを、呼人さんがちゃんと引き出すってかね、サウンド作りってかね、すごいんですよね」と、プロデューサーである寺岡呼人の手腕を称賛した。
制作については、「スケジュールがなかなか合わないから、とにかく演奏する」と、多忙なメンバーが集まれる時間でレコーディングを進めたという。
「(デーモン)閣下の歌声が入ってたりとかすると、また気持ちよくて」「(NOKKOさんの歌が)入ったら、おお、レベッカだ、とか」と、レコーディングの過程で他のアーティストの歌声が加わるたびに、大きな感動があったことを明かした。
また、俳優の段田安則がバンドに初参加したことにも触れ、「段田さんはもう俳優の中でも本当にレジェンドなんで、かつ声がいいんですよ。低い、こう響く。あれをこう入れることによってね、またちょっと世界が広がった」とその存在感を語り、亀梨和也についても「めちゃめちゃいい声で、いい曲を歌ってるしね」と絶賛した。
最後に、これから始まる全国ツアーについて言及。仙台では3日間にわたって公演が行われることになっており、会場となる仙台GIGSについて「僕初めてなんですよ。いや、すごい評判がよくて」と、期待を寄せた。

ライブの内容については、「ギターはトリプルギターになるわけですよ。トリプルギターにあとホーンセクション入ったりもするし、結構派手なね、大パーティーになる感じ」と、厚みのあるサウンドになることを予告。
さらに、「今回のこのアルバム『THE SHOW MAN』がメインになるんですけど、ゲストが来てくれたらいいけど、来れない時はもうロックオンのメンバーで歌がわりをして。ライブアレンジをするから、それもかなり面白いんじゃないかな」と語り、ライブでしか見られない特別なパフォーマンスになることをアピールし、番組を締めくくった。




 
			 
			 
			 
			 
			