ガンズ・アンド・ローゼズの中野サンプラザ公演(1988年)

Guns N’ Roses – Nakano Sunplaza – Tokyo, Japan – December 7, 1988

1988年12月7日、ガンズ・アンド・ローゼズが中野サンプラザで開いた来日公演。岡本健一、高橋和也、成田昭次が観覧した。

Guns N’ Roses – Nakano Sunplaza – Tokyo, Japan – December 7, 1988

観覧の記憶

高橋と岡本は約1時間遅れの開演を待ち、暗い中に革ジャン姿のメンバーが現れたことを覚えている。岡本の目には、スラッシュのくわえるたばこの火が小さな赤い光に見えた。客席に投げられたたばこまで欲しくなるほどだったという。1

成田は、スラッシュの生々しいギターの音に人生でいちばんの衝撃を受けた。2自分たちがデビューした1988年に見たこの公演を、衝撃的で、あの時のガンズを生で見られたのはすごく良かったとも振り返っている。3この公演は「和也と健一と俺の3人で」見に行った。ガンズを初めて聴いたのは岡本の車の中で、その年の初来日の公演だった。4席はたまたまスラッシュの側で、PA よりも、スラッシュのアンプから出る生の音が直撃したという。スラッシュは、レスポールを低い位置で構えて、たばこをくわえ、ジャック・ダニエルを飲みながら弾いていた。成田は、それからスラッシュを崇拝するようになり、「そっからレスポール人生が始まりましたね、僕の」と話している。5

誘われた時、成田はガンズを知らず、岡本の車で CD かカセットを何度か聴かせてもらった時は、それほどぴんとこなかった。席は前から20列目くらいのいい席だった。そのころの音楽は、ボン・ジョヴィのようなグラムロックや、エドワード・ヴァン・ヘイレンをはじめとするテクニカルでトリッキーなギターのバンドが多かったが、ガンズの音にはクラシカルな要素が多く含まれていて、新鮮だったという。スラッシュは、へそが見えるくらいの低い位置でレスポールを弾き、マジシャンがかぶるようなハットに、顔が見えないほどの長いソバージュで、マールボロをくわえ、アンプの所にはジャック・ダニエルの瓶を置いて、ワウを踏みながら10分くらいギターソロを弾いた。成田は、マーシャルのアンプから直接出る音に「洗礼」を浴び、そこからレスポールにも、音作りやスタイルにもはまって、「スラッシュ命」だったと話している。6

初めてライブ盤を聴いた時は、アクセル・ローズのボーカルのインパクトが強く、スラッシュのギターには、その時はあまり衝撃を受けなかったと成田は振り返っている。前田耕陽は、仕事で来られなかったのではないかと成田は話している。席は前から20列目ぐらいの右側、ステージの上手で、マーシャルの3段積みのアンプが3台ぐらい並んでいた。1曲目から、カーリーヘアにマジシャンの帽子、くわえたばこ、上半身裸に革パン一丁で現れたスラッシュに、そこから一気に「スラッシュワールド」だったという。ライブが終わるとすっかりとりこになり、すぐにレスポールを見に行った。初来日の公演は、7月の予定が延期になって12月になり、12月4日の東京の NHK ホールから始まった。


  1. 2023年5月20日放送の『ROCKON TIMES』。 ↩︎
  2. 成田昭次『人生はとんとん―成田昭次自叙伝―』4章。 ↩︎
  3. 「ひとりでは何もできない」Rockon Social Club成田昭次が語る会社とバンド、「やらないよりは、やって恥をかくほうがいい」多感な時期の一番のヒーローと「目指したい」存在(双葉社THE CHANGE、2025年12月24日。リレー連載の第15回) — 成田昭次の、1988年のこの公演の思い出。 ↩︎
  4. 2024年8月31日放送の『成田昭次のRockon The Knight』 — 成田昭次の、ギタリスト列伝のスラッシュの回の、この公演の記憶(岡本健一の車で聴いたライブ盤とアクセル・ローズのボーカル、3人で行ったことと前田耕陽、上手の席とアンプ、スラッシュの姿、ライブの後のレスポール)。 ↩︎
  5. 2022年12月1日放送の『TOKYO MUSIC SHOW』。 ↩︎
  6. 2024年4月6日放送の『成田昭次のRockon The Knight』 — 成田昭次の、この公演の観覧の記憶(ガンズを知らなかったこと、席、そのころの音楽、スラッシュの姿と音)。 ↩︎

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