「50代の新人バンドです」高橋和也と寺岡呼人、ふわっと始まった Rockon Social Club と初ワンマンの夜(2023.5.6放送)

2023年5月6日、TOKYO FMで『KURE 5-56 Presents ROCKON TIMES』が始まった。Rockon Social Clubのメンバーが交代で出演する番組の第1回は、高橋和也が進行役を務め、プロデューサーの寺岡呼人を迎えた。この日は、Rockon Social Club が東京ガーデンシアターで初めてのワンマンライブを開いた日で、番組はその前に収録された。二人は、はっきりした計画のないまま「ふわーっと」形になったバンドの始まり、男闘呼組の復活のライブから生まれた音、1日に9曲を歌った録音と高橋の「役作り」、男闘呼組と寺岡のJUN SKY WALKER(S)がそろってデビューした1988年の思い出を語り合った。Zepp のツアーで「50代の新人バンドです」と客席を笑わせた高橋は、男闘呼組と並行する今の日々を「30年ぶりに来たビッグウェーブだぜ」と表した。成田昭次と作ったリフから生まれた『Rolling Thunder Baby』の話と、5月20日の大阪の公演の告知もあった。

「今週から始まりました」第1回と、バンドの成り立ち

番組は、高橋の「ゴールデンウィークまっただ中、今週から始まりました」という挨拶で始まった。成田昭次、岡本健一、前田耕陽と、Rockon Social Club のメンバーがリレーの形で届ける番組で、記念すべき第1回の進行役は高橋だった。

高橋は、バンドの成り立ちから話した。93年に男闘呼組が活動を休止し、27年がたって、オリジナルのメンバー全員が名古屋のスタジオで久しぶりに音を出した。全員が「これはいける」と手応えをつかみ、ツアーを始めることになった。4人がそろって演奏したのは、2020年8月4日のことだった。その男闘呼組と並行して、成田と、プロデューサーの寺岡を中心に立ち上げたのが、Rockon Social Club だという。

和也

では僕らがRockon Social Club、今どんな音を鳴らしてるのか、まずは1曲名刺代わりに聴いてください

『Foxy Lady』は、2023年3月1日に出た1stアルバム『1988』の2曲目で、詞と曲は寺岡が書いた。

ONAIR:Rockon Social Club『Foxy Lady』

「ふわーっと」形になったプロジェクト

呉工業の提供の案内の後、高橋は、Rockon Social Club のプロデューサーとして寺岡を紹介した。寺岡は挨拶もそこそこに、「和也くん、声が」と笑い出し、「声が良すぎる」とこぼした。「ずるいですか?」と聞く高橋に、寺岡は「ずるいっすねー」。高橋は、この日の声が「ちょっといい感じにしゃがれてまして」と答えた。

Rockon Social Clubはどんなバンドなのかと聞かれると、寺岡は、こう切り出した。

呼人

これねー、僕らのプロジェクトってなんか、ふわーっと、ふわーっとみんながふわーっと始めてません?

寺岡によると、「気づいたら形になってるっていう、不思議な」バンドだった。高橋も「こういう経験なかなかないですよね」と応じた。寺岡と成田昭次がデモテープを作り出した時から、すでにふわっとしていたが、ほかのメンバーはもっとふわっとしていて、「俺たちメンバーなのかな? 何なのかな?」という様子だったという。

※デモテープは、正式に録音する前に、曲の形が分かるように作る試しの録音のこと。

高橋によると、最初は寺岡と成田の二人の名前に「フレンズ」を添えた触れ込みで、ほかのメンバーは「フレンズって、俺たちも入ってんだよな?」と思っていた。「クエスチョンマークだったところからスタートした」と高橋は笑った。 発表の時の名前は、Yohito Teraoka & Shoji Narita with Best Friends だった。

Rockon Social Club 発表当時のサイト画面

復活のライブで見た「令和に鳴らす」バンドサウンド

全部「ふわ」だと高橋に笑われながら、寺岡は、男闘呼組 1988の10月の4公演を全部見たことを挙げた。

呼人

あれが大きかったのかなと思うんですよね

ふわっとしてはいても、あの時に見たライブの「進化版というか、令和に鳴らすグルーヴ、バンドサウンドみたいなのはあったような気がする」という。「焼き直しじゃない」けれども、「みんなが生き生きしてるような」姿が想像できる感じが、なんとなくあった。

※グルーヴは、聴く人の体が自然に動き出すような、演奏の「ノリ」のこと。

一方で、バラードやアカペラの曲は、「これ結構却下されるかもな」と思いながら作ったという。高橋は、若いころの男闘呼組はアカペラもバラードもやっていたと応じ、寺岡のデモテープを初めて聴いた時の気持ちを話した。

和也

だから僕ら呼人さんのデモテープ聴いた時に、『これは俺たちのデビューした頃の音楽だよ』っていう

「いい意味で進化した男闘呼組」でありながら、「初期の頃のあの男闘呼組の持ってたポップスとハードロックが融合してる」。新しい音楽が作れそうだと感じたという。

「50代の新人バンドです」Zepp から初めてのワンマンへ

ふわっとしたまま録音をし、すぐにライブになった。全国の Zepp を回るツアーの直前にアルバムが出るという進み方で、寺岡は「お客さんもね、ついて来れないぐらいのスピード」だったと振り返った。それでも「ライブはすごい盛り上がりましたよね」。このツアーは、2023年3月4日の福岡から4月8日の羽田までの『Rockon Social Club Secret Party』だった。

和也

ま、僕はね、ま、洒落で『50代の新人バンドです』って言って、まあ、あの、皆を笑わせたんですけども

初めて客の前に立つ Rockon Social Club に、どんな反応が来るのか、まだ想像もつかなかった。自分たちの気分は盛り上がっていて、それを「お客さんががっちり受け止めて」くれたと高橋は話す。寺岡も、ツアーを重ねるうちに「グルーヴがこういい感じになって一体感もね、進化していきましたよね」と続けた。

この放送は収録で、放送の時間には、二人は東京ガーデンシアターの本番を終えているはずだった。寺岡が「初ワンマンですよね」と言い、高橋は、ライブの「余韻冷めやらぬ中」で聴いている人も多いだろうと話した。

1日9曲の録音と、高橋和也の「役作り」

録音でとても面白かったことがある、と寺岡は話した。録音の時間がほとんどなく、1人が1日で9曲を歌い、楽器も9曲分を1日で録った。そんな中で目立ったのが、高橋の個性だったという。

呼人

個性。めちゃくちゃ強烈でしたよ

男闘呼組のライブで見る高橋には、破天荒なイメージがあった。ところが Rockon Social Club では、「ロックオンの中ではこんな感じで行くぞ」と、「役作りをしてきてるようなイメージ」があった。アドリブに見える歌や叫ぶような声も、ここでこう言うと決めているように見えたという。

※アドリブは、楽譜や台本にない演奏や歌を、その場で自由に入れること。

その疑問に、高橋は「普段基本的に俳優ですから」と答えた。役柄を演じるのが仕事で、「Rockon Social Clubでの高橋和也」を「演じ切る」感覚がある。寺岡は、それが「他のロックバンドにはない最大の、ある意味持ち味」だと受け止めた。

呼人

僕ら絶対演じられませんもん、そういう風に

ふだん、歌の録音の前と後は普通に話しているのに、録音が始まると「ワオッ!」と声が出る。寺岡は「最高でしたね」と笑った。

1988年、同じ年にデビューした二人

Rockon Social Club には、共通のキーワードがある。アルバムの題の「1988」だ。男闘呼組がデビューしたのが1988年で、寺岡が JUN SKY WALKER(S) でデビューしたのも1988年だった。JUN SKY WALKER(S) のデビューは5月、男闘呼組は8月24日だった。

和也

僕ら同期なんですよね

呼人

同期なんですよ

ただし年は、寺岡が中学3年の時に高橋は中学1年。1988年に19歳だった高橋と、ほぼ二十歳だった寺岡は、世の中がバブルだったとしても、「あんまり恩恵は受けてなかった」と寺岡は振り返った。

高橋にとって1988年は、レコードでのデビューの年だった。それがとてもうれしくて、周りに言いふらしていたという。

和也

みんなに『俺デビューするんだ、俺デビューするんだ』って、すごい熱く言いふらしてたみたいですね

寺岡は「それ動画残ってないのかな」と笑った。話は、当時のアイドルと雑誌に移る。寺岡の世代なら『PATi・PATi』、高橋は『明星』や『duet』。寺岡が驚くのは、高橋が当時のカメラマンや編集の人の名前を全部覚えていることだ。高橋によると、デビューの前から何年も、毎月、毎週のように付き合ってきた人たちだった。ロケも厳しかった。

和也

であちこちロケ行って、厳しい山の上に登ったりとか、河口湖の中泳がされたりとか、真冬の富士山に登ったりとか、なんかそういうね、結構過酷なロケをやらされるんですよ、当時のアイドルは

寺岡は、それがあるから、30年たった今の「唯一無二のね、グループになってんだと思うなあ」と話した。

7つのリフから「合格した」『Rolling Thunder Baby』

続いてアルバム『1988』からかける曲は、寺岡が紹介した。ふわっとしていた時期に、まず成田と「リフだけ作ろうか」という話になり、昔の MTV のような映像を見ながら、「なんかこんな感じのなんかない?」と、2小節ほどのリフを7つほど作った。

※リフは、曲の土台として何度も繰り返される、短いフレーズ。ギターで弾くことが多い。

呼人

その中から合格した、リフの曲でございます

この曲は、成田が考えた2小節ほどのギターのリフを寺岡が選んで、広げた曲だ。

ONAIR:Rockon Social Club『Rolling Thunder Baby』

男闘呼組と並行した、初めての単独ライブ

曲の後、高橋は、この日に東京ガーデンシアターで『KURE 5-56 Presents Rockon Social Club 1988』が開かれたと伝えた。Rockon Social Club の初めての単独ライブで、収録の時点では、どんなライブになるかはまだ分からないが、「かなり熱いライブになったんじゃないか」と話した。公演は、男闘呼組の東京ガーデンシアターの公演(5月4日・5日)の翌日だった。

寺岡が気にしていたのは、リハーサルだった。4人と、ドラムの青山英樹を入れた5人は、男闘呼組のツアーと並行して Rockon Social Club のライブの準備をしていた。このころ男闘呼組は、ツアー『男闘呼組 2023 THE LAST LIVE』の最中だった。

高橋によると、男闘呼組の曲と Rockon Social Club の曲を同時に練習していると、「なかなかね、混乱するんですよ」。男闘呼組のコンサートで歌う曲を Rockon Social Club でも歌うが、版が違う。寺岡は「バージョンが違うからだんだんごちゃごちゃになってくるんだ」と笑い、高橋は「かなりメンバーにとってはハードな日々」だと答えた。

それでも、30年ぶりの再結成と新しいバンドのコンサートで、とても充実しているという。会社員なら部下に任せる年の50代で、自分たちが現場に立てることを、寺岡は「ありがたいですよね」と話した。

和也

いやあ、もう30年ぶりに来たビッグウェーブだぜ、みたいな

呼人

じゃあ、あのデビューを自慢してた高橋和也少年にちょっとね、『お前30年経ってもビッグウェーブ来るぞ』って言ってやりたいですね

和也

『30年後もお前やってるよ』って

5月20日、誕生日の Zepp Namba

高橋は、この月にもう1本、スペシャルライブがあると告知した。5月20日の大阪の Zepp Namba の公演で、その日は高橋の誕生日、翌21日は岡本健一の誕生日だという。

和也

僕ら1日違いなんです

寺岡は「イエイ。おめでとうございます」「すごーい!」と声を上げた。この公演は、東京ガーデンシアターの公演が売り切れたことを受けた追加の公演だった。

2人ずつ回る番組と、30年ぶりのグループの番組

「こんな感じですよ、第1回目」と高橋が言うと、寺岡は「あっという間の時間だったんじゃないですかねー」。これからは、Rockon Social Club の6人のメンバーが、2人1組などの形で回していく。寺岡は「時々ゲストも呼んでくださいよ」と頼み、新しい曲もできるといいと言ってから、「自分で自分の首を締めておりますけれども」と笑った。

ONAIR:Rockon Social Club『遥か未来の君へ』

最後は高橋が一人で締めた。翌週は成田昭次と岡本健一の2人で、その後も毎回違う組み合わせで届ける。高橋は、一人ずつ番組をすることはあっても、グループで番組を持つのは久しぶりだと話した。

和也

ま、こうやってね、グループで番組を持つっていうのは本当に、そうですね、30年ぶりぐらいなんでしょうかね

番組への要望やリクエストは TOKYO FM のホームページのメッセージフォームで、番組の Twitter は「@rockontimes_tfm」、ハッシュタグは「#rockontimes」と案内して、高橋は「Rockon Social Clubの高橋和也でした」と結んだ。

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