『犬も歩けば棒に当たる』は、日本のミュージシャン・成田昭次によるソロミニアルバム。2022年6月15日にTOKYO RECORDSより配信リリースされた。全6曲を収録し、自身にとって約13年ぶりとなる新作となる。
本作には、先行配信された「どんでん返しのラストシーン」「パズル」をはじめ、ロック調の楽曲からバラードまで幅広い楽曲が収録されており、成田自身の歩んできた人生と向き合うようなテーマが随所に込められている。
背景
アルバムのリリースに先立ち、2022年4月1日にBillboard Live YOKOHAMA、4月5日にBillboard Live OSAKAにてライブ『犬も歩けば棒に当たる』を開催。男闘呼組時代の楽曲や、過去に所属していたバンド「What’s」の楽曲などと共に、新アルバム収録曲が披露された。
「パズル」は成田が寺岡呼人と一緒に食事した際の会話をもとに制作された楽曲で、元男闘呼組の4人による歌唱版は、2023年に結成されたRockon Social Club名義で正式に再録・配信されている。
「どんでん返しのラストシーン」は、成田がかつて在籍していたバンド「What’s」時代の楽曲「Help Me Please」のリメイク作品であり、歌詞を一新し、新たに荒木真樹彦が編曲を担当して再構築された。普遍的なポップスとしての社会的メッセージも内包しており、現代への問いかけとも取れる内容が特徴である。
アルバムタイトル「犬も歩けば棒に当たる」は、災難にも幸運にも解釈される日本のことわざに由来し、成田は「今の自分にぴったりだと感じた」と語っている。この表現は、かつて自身が作詞作曲した男闘呼組楽曲「HUMANITY」にも登場し、成田の創作世界に通底するメッセージの一つとなっている。
収録曲
- パズル – 4:37
作詞・作曲・編曲：寺岡呼人
（先行配信：2022年4月8日） - どんでん返しのラストシーン – 3:57
作詞・作曲：成田昭次
（先行配信：2022年4月8日） - That’s It !! – 4:21
- Boom Boom Boom – 3:33
- Honey – 3:02
- after rain – 5:56
本作では、寺岡呼人が提供したUKロック調の「パズル」と、成田自身によるストレートなロックナンバーやミディアムバラードがバランスよく配置されている。特に「after rain」は、早逝した兄への思いを綴った楽曲で、ギターソロに成田の想いが込められており、観客の涙を誘う場面も多かった。
バンドマンとしての原点に立ち返るようなアンサンブルと、生々しい感情を映し出した歌詞が、年齢を重ねた今だからこそ成し得た表現となっている。
クレジット
Electric Guitar SOLO by Shoji Narita (#1)
Electric Guitar by Shoji Narita (#2, #3, #5, #6)
Recording by Yohito Teraoka (#1)
Vocal & Guitar Recording by Hirokazu Kobayashi (Rhythmedia) (#2, #3, #5, #6)
Vocal Recording by Hirokazu Kobayashi (Rhythmedia) (#4)
Mixed by Masahiro Kawaguchi (#1 – #6)
All Instrument by Yohito Teraoka (#1) / Makihiko Araki (#2 – #6)
Guitar Tech by Katsumi “Kappa” Iimuro (#2, #3, #5, #6)
Mastered by Hiroshi Kawasaki (FLAIR MASTERING WORKS)
Executive Creative Producer: Hiroto Tanigawa (Rhythmedia / TOKYO RECORDS)
Senior Music Director: Toshiya Kamada
Promotion Planner: Yoshimasa “Yoshie” Sekiya (VANESSA INC.)
Recording Coordinator: Masashi Ochi (TOKYO RECORDS)
Illustration: mais
Photo & Design: SANTIN AKI
