婦人公論.jpが、男闘呼組の4人へのインタビュー前編を掲載しています。構成は上田恵子さん、撮影は初沢亜利さんです。再始動ライブで感じる客席の力、成田昭次さんとのメールの再開、仲間との再会、音で通じ合うバンドの関係を紹介しています。

男闘呼組は、2023年4月28日の大阪・フェスティバルホールから、21都市48公演の『男闘呼組2023 THE LAST LIVE』を始めました。その後は8月に日本武道館で4公演を予定し、男闘呼組の活動を終えても、寺岡呼人さんがプロデュースするRockon Social Clubとして続けると記事は伝えています。前編では4人が、復活の理由と今の手応えを語っています。

高橋和也さんは、30年近く活動していなかったバンドへのファンの反応が予想を超え、その熱さから、以前には出なかったほどの力を得ているといいます。岡本健一さんは、最初のライブは声を出せなかったものの、取材時点では歓声が認められ、客席に大きな力を感じていました。前田耕陽さんも、声を聞くことで頑張れ、客席と一つになる瞬間を作りやすくなったと話しています。岡本さんには、涙や笑いなど様々な感情が生まれ、再び生まれ変わった感覚がありました。
成田さんは、2022年10月15日の初日に、10代の曲を50代で演奏して成立するか、初めは分からなかったと振り返っています。今は懐かしさだけでなく、新しいものへ向かう実感があります。ステージに立った時は奇跡を見ているようで、一瞬で昔へ戻ったようにうれしかったといいます。リハーサルでは、言葉がなくても他のメンバーの気持ちが通じ、日ごとに良くなる3人が現在の姿を見せることに刺激を受けていました。次の練習が楽しみで仕方ないという思いを語っています。
3月に4人で出演した『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』では、昔の映像が活動を振り返るきっかけになりました。岡本さんは、後輩のSMAPの中居正広さんを今も10代のイメージで見ており、成長した姿に不思議さを感じたと話しています。中居さんが優しい先輩として受け止めていた関係にも触れています。高橋さんは、昔のファンが子どもと来ること、当時は女性の客席に入りにくかった男性も堂々と来られることを喜び、長い年月でバンドを格好良いと言える空気が生まれたと捉えています。

1988年にデビューし、東京ドーム公演も行った男闘呼組は、1993年に活動を休止しました。成田さんは2009年を最後に音楽から離れ、名古屋で一般企業に勤めていました。高橋さんには、成田さんの声とギターがあってこそのバンドだという思いがあり、復活を望んでも、現実には難しいと感じていました。2016年ごろ、古い共通の知人から成田さんのメールアドレスを聞き、所在も分からなかった相手への唯一の手掛かりを得たといいます。
高橋さんは、急に踏み込んで糸口を失いたくないため、「昭次、元気?」という短いメールを恐る恐る送りました。元気だという返事が届くと、岡本さんと前田さんへ知らせました。この時は再結成ではなく、また4人で会えるかもしれない小さな希望がうれしく、細いつながりもなくしたくなかったと語っています。岡本さんも連絡を再開しました。当時、岡本さんと前田さんは直接の連絡が疎遠でしたが、嫌いだったのではなく、仕事を見て元気だと感じ、ファンを介して挨拶を伝える関係でした。
2019年春の映画『ロックよ、静かに流れよ』の特別上映の頃、岡本さんは再結成をどう思うか尋ね、成田さんは仕事もあり難しいと答えました。同年9月4日、東京ドームのジャニー喜多川さんのお別れ会で、2人は26年ぶりに再会しました。その秋、名古屋へ舞台で来た前田さんと食事とカラオケを楽しみ、翌月には岡本さんとも同じ店で男闘呼組の歌を歌いました。歌声を確かめた岡本さんが4人でのスタジオ入りを誘い、成田さんも遊びならと応じました。

2020年8月、4人は27年ぶりに名古屋のスタジオへ集まりました。不安や緊張はありましたが、顔を合わせると盛り上がり、音を出した岡本さんは演奏できると確信し、ツアーも思い描いていました。高橋さんは、成田さんが元気で一緒に演奏すること自体に涙が出る思いだったといいます。4人は食事より先に音を確かめることを共通の意思とし、曲のリストを決め、耳で覚え、練習して来ました。

岡本さんは、前田さんとの初対面もスタジオで、最初から音でつながっていたと語っています。前田さんが普段、譜面を用意すると成田さんが説明する一方、4人は場所や音を短い言い方で示すだけでも同じ箇所を理解できる、独自の共通言語を持っていました。長くギターから離れた成田さんも、ベースを弾いていなかった高橋さんも、楽器を弾く感覚を取り戻していました。ボーカルをフレーズで交代する形も、ユニゾンよりハーモニーを生かす流れから生まれ、歌うキーの違いを生かして転調や幅を広げたと振り返っています。

