GQ JAPANは2026年11月5日、連載「愛車の履歴書」第92回の後編を公開しました。高橋和也が、子どもたちとの暮らしに合わせたミニバンの乗り継ぎを振り返り、気になっていたマクラーレン750Sスパイダー、日産リーフ、テスラ・モデルYを試乗しています。
家族が増えて選んだミニバン
前編で語った紫のプレジデントは、高橋和也の大のお気に入りだったが、家族の人数が増えるにつれて車選びも変わった。高橋は「最終的には子ども6人の8人家族になります」と説明する。一度は新車に乗ってみようとホンダのセダン、トルネオを選んだものの、本人には退屈に感じられた。父が乗っていた初代トヨタ・エスティマとの交換を頼み、「ミニバンの使い勝手のよさに目覚めてしまったんですね」と振り返る。記事は初代エスティマを、1990年に登場し、床下中央のエンジンと卵のような丸いデザインで人気を得た、ミニバンのさきがけと説明している。
エスティマを使っていた高橋は、2000年代に入ってしばらくしたころだったかと断りつつ、事務所が社有車を入れ替える際、古い日産エルグランドを譲ってくれたと話す。重厚な乗り心地と安定性に感心し、「最高のクルマじゃないか」と感じたという。記事によれば、高橋が乗ったのは2002〜2010年に生産された後輪駆動の2代目だ。筆者は、前輪駆動を基本とする大型ミニバンが増えたことと対比し、最後の贅沢なミニバンと考えることもできると評する。
子どもたちが独立して家族の人数が減ると、高橋は少し小さい日産セレナに乗り換えた。取材では「そろそろ自分だけの愛車にしてもいいかな」と、車を選ぶ気持ちの変化を明かし、次の車を考えることが楽しいと語っている。
憧れのマクラーレンを運転する
試乗の最初はマクラーレン750Sスパイダーだった。ドアの開き方に驚き、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンの始動音には「こりゃ最高!」と笑顔を見せた。高橋はマクラーレンを「僕にとっては最高のブランド」と言い、F1でホンダと組んで連戦連勝だったことを挙げた。
筆者のサトータケシは、高橋が男闘呼組でデビューした1988年、アラン・プロストとアイルトン・セナを擁したマクラーレン・ホンダが、F1全16戦中15勝を挙げたと紹介する。同じころ、男闘呼組はデビュー曲「DAYBREAK」でオリコン1位、日本レコード大賞の新人賞、4人で主演した映画『ロックよ、静かに流れよ』での映画賞を得たと記し、別の場所で活躍していた両者を重ねている。
高橋は赤坂のディーラーで車を見かけ、乗ってみたかったと話した。試乗すると、予想したほど怖い乗り物ではなく、安定して運転しやすかったという。形とエンジン音を気に入り、「これは男の夢ですね」と感想を述べている。
リーフで知った静かさと滑らかさ
続いて、長年の日産ファンとして最新の日産車に乗りたいという希望から、日産リーフを運転した。高橋は「僕の知っているクルマとは別の乗り物みたいです」と、静かで滑らかな走りが想像を超えていたと話す。アクセルへの反応が鋭くなるSPORTモードや、アクセルを戻した時の減速力を高めるe-Pedalも試した。
記事の写真説明は、第3世代のリーフがクロスオーバーの形になったことや、メーターとセンターディスプレイを一体にした横長スクリーンを紹介する。高橋自身も、外観を格好いいと言い、内装を日産らしくシンプルにセンスよくまとまっていると評した。「クルマがこういう方向に進むのか、と僕の中身がいま、書き換えられています」と笑い、こうした車に乗る選択も考えられるようになったという。
モデルYの簡潔な内装にひかれる
最後のテスラ・モデルYも、高橋が試乗を希望した車だった。科学者ニコラ・テスラの伝説が好きで、街で見かけるたびに関心を持っていたという。高橋によれば、Rockon Social Clubのプロデューサーも一時期テスラを2台所有していたが、後席の家族から頭が揺れると不評で手放した。こうした話も、テスラが気になる理由だった。
車内に入った高橋は「本当になにもないですね……」と驚く。記事は、ブレーキを踏むと発進できる状態になること、シフトの選択やミラー調整をタッチスクリーンで行うことを説明する。走り出した高橋は、テスラに夢中になる人の気持ちが分かると話し、内装について「振り切っているのが潔くて好きです」と評した。
高橋は、日産を長く愛用し撮影でも世話になったからリーフを推した方がよいかもしれないと冗談を交えつつ、3台に乗って自分自身が更新されたと語った。「今日の取材は本当に楽しかった!」という言葉で締めくくり、筆者は、家族とのミニバン期を経た車生活が新しい章へ進みそうだと結んでいる。





