日経クロストレンドが、菊地陽子さんによる男闘呼組のインタビューの中編を掲載しています。『日経エンタテインメント!』2023年3月号の記事を再構成した「男闘呼組、こんな夢も見られるのだから(2) 名古屋での再会」は、仲間との食事やカラオケから、4人の音が再び重なるまでを伝えています。
2019年9月、東京ドームで開かれたジャニー喜多川さんのお別れ会で、岡本健一さんと成田昭次さんは久しぶりに再会しました。成田さんは、何を話せばよいか不安でしたが、遠くから気付いて大声で名前を呼び、抱き合った岡本さんが、その不安を消してくれたと語っています。岡本さんは、合宿所で暮らした仲間が集まると、一瞬で昔の気分に戻れるといいます。成田さんは、先輩たちが覚えていてくれ、事務所の人と一緒にカレーを食べ、名古屋で一般の仕事をしていた自分にも変わらず接してくれたことに感激しました。

大阪の新歌舞伎座の舞台に出ていた前田耕陽さんは、昼公演後にお別れ会へ向かいましたが、仲間と会えませんでした。共通の知人から成田さんが連絡を取りたがっていたと聞き、名古屋公演の予定に合わせて会おうとメールを送りました。御園座での公演の後に食事をすると、成田さんは約束の1時間前から待っていました。続くカラオケでは、前田さんが曲を入れ、成田さんが男闘呼組の歌を歌いました。
その1か月後には、名古屋で舞台に出た岡本さんも、観劇した成田さんと食事とカラオケを楽しみました。岡本さんは、年齢を重ねても昔と変わらない姿を見て歌声にも興味を持ち、衰えるどころか、いぶし銀のような良い声になっていると感じたといいます。楽しそうに歌う成田さんの姿と声を確かめ、東京へ戻って高橋和也さんに、4人でスタジオへ入らないかと提案しました。成田さんも遊びならよいと応じ、4人のグループLINEができました。

2020年3月に名古屋で集まる予定は、新型コロナウイルスの影響で5月へ、さらに8月へ延期されました。8月4日にスタジオを借り、4人は27年ぶりにそろって演奏しました。成田さんは1時間早く入り、岡本さんのアンプの向きなどを考えて準備しました。高橋さんと岡本さんは東京から新幹線で、前田さんは大阪から車で来て、昔サポートをしていた仲間がドラムに加わりました。

「DAYBREAK」「TIME ZONE」と各自が選ぶ曲を演奏し、予定は7曲に増えました。4人は6時間続けて演奏したと振り返り、最後の1時間半には曲順を決めて通しました。当時の楽器がもうなかった前田さんは、原曲に沿う音色を一から作り直し、機材の調整に1時間ほどかかったといいます。仕事に必要な国家試験を同じ月に控えていた成田さんも、たくさん練習して臨みました。4人には、久しぶりに音を出してがっかりしたくないという緊張感があり、10代の速い曲を50代で演奏できるかという不安もありました。
成田さんは、大きな音を出す岡本さん、淡々とベースとアンプを調整する高橋さん、前田さんのセッティングが、昔のままだったことに感動しています。実際に演奏すると、今もできるという手応えが生まれました。岡本さんはその時、自分の中で男闘呼組を再始動させると決めたと話しています。遊びのつもりだった成田さんは、最初からライブを構想する岡本さんに怖さも感じましたが、一度決めたことをやり遂げる圧倒的な力に押されたといいます。高橋さんも、再結成までの壁を越えた岡本さんの行動力を振り返りました。セッションで盛り上がった流れのまま、翌日は前田さんの車でジャニーさんの墓参りへ行くことになりました。





