岡本健一が明かす男闘呼組解散前のRockon Social Clubアルバム発売の舞台ウラ!成田昭次から聞かされたデモ音源が「どれもめちゃめちゃカッコいい!」(THE CHANGE 連載)【第18回/全30回】

双葉社THE CHANGEのRockon Social Clubメンバーによるリレー連載第18回は、ギター&ボーカルの岡本健一さんの3回目です。Rockon Social Clubが男闘呼組に2人を足したバンドではないこと、成田昭次さんから頼まれたデモの録音、短期集中の制作、男闘呼組の解散の前に出たアルバム『1988』、働く人にこそ舞台を見てほしいという思いを語っています。

演劇人として数々の賞に輝く岡本健一は、2023年に始動したRockon Social Clubで、ギタリスト&ボーカルとして活躍している。Rockon Social Clubは、男闘呼組の4人にドラマーとプロデューサーを加えたバンドだと思っている人が多いが、「それはちょっと違うんです」という。男闘呼組の再始動の前から、成田昭次はソロで活動していて、その流れで、寺岡呼人とNARITA THOMAS SIMPSONの前身の成田商事も始まっていた。男闘呼組のツアーが始まり、リハーサルスタジオや楽屋で、成田が寺岡と作ったデモテープを流すと、みんなで「かっこいいね」と聴いていた。成田に「デモにギター弾いてくれない」と頼まれて気軽に受けると、高橋和也も頼まれていたという。

みんなもともとバンドサウンドが好きで、岡本もADDICT OF THE TRIP MINDSをやり、高橋も音楽活動をしていた。デモはどれもめちゃめちゃかっこよく、スイッチが入った。男闘呼組のメンバーで30年ぶりに録音できること、寺岡のスタジオでリラックスしていい音で録れることも楽しかった。まだバンドの名前もなく、「with Friends」の中に自分たちも入っていたらいいなという気持ちだったが、2人は初めから自分たちも引き入れてバンドをやるつもりだったようで、外堀から少しずつ固められていった感じだと笑う。その録音には、ファーストアルバム『1988』の曲もたくさん入っていて、3日間で自分の歌とギターを9曲か10曲も録った。その勢いのある過密なペースが基本になり、アンプひとつ選ぶのにもじっくり時間をかけたい岡本も、「そんなに時間かけなくても、できるよね」という空気の中で、多忙なみんなには短期集中のやり方が現実的だと話す。

Yohito Teraoka & Shoji Narita with Best Friends

新曲を録ると、次はライブをやりたくなる。2023年8月の男闘呼組の解散をファンにちゃんと見届けてもらおうと、何年も前から動いていたのに、男闘呼組がまだ解散していない3月に『1988』を出し、5月には東京ガーデンシアターでライブまでやってしまった。解散といっても、すでに新しいバンドが始まっていたので、誰も寂しくなかったという。青山英樹のドラムのおかげでバンドが活性化し、若いリスナーにも響くサウンドになった。寺岡は、メンバーであり、俯瞰で見るプロデューサーで、歌詞やサウンドで同じ世代が奮い立つような世界観を作り上げていて、50代の男性がまた盛り上がろうというエールやメッセージを感じさせるところもいいと話す。

演劇を通じて、同じ世代の男性に伝えたいこともある。個人的な考えとして、女性は美術館や演劇で心を満たす方法を身につけている人が多いが、男性は仕事のストレスを居酒屋やカラオケで発散し、芸術に触れる機会が圧倒的に少ないと感じている。人間の縮図が描かれているので、働いている人ほどシェイクスピアを見るべきだと常々思っているという。舞台芸術は敷居が高いと思われがちだが、もともと市井の人々のためのもので、パートナーに連れられて演劇を見た友達は、その後、自分から何回も足を運ぶようになった。心の奥ではみんな芸術を欲していると考え、舞台でもライブでも、目の前の人に最高のものを届け、届け続けるために命をかけるつもりだと語った。

岡本健一連載

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